マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

美味すぎるパーティー

2011-09-21 13:04:45 | 

日頃、スーツやタイに親しむ生活を送っていないので、パーティーは好きではない。
この日も小仕事を片付けて、タクシー内でタイを結んでホテルに到着した時には
すでに1時間は経過していた。会費は先に振り込んであるので、少々台風の影響で
雨が降ろうが会場に向かう。

 

ざっと1000人もの人。およそ40軒の屋台。いやすごい熱気である。
これが一人の料理人の還暦パーティーなのだから畏れ入る。
この夜の主役は、京料理「菊乃井」店主 村田吉弘氏、その人である。

日本料理アカデミー代表。常に日本料理界をリードし、グルーバル化を牽引してきた。
料理界きっての論客。しかも堅い共通語で語るのではなく、柔らかい京都言葉でのくだけた物言いは、
分かりやすく親しみが持てる。過激なことを言っても、そうは聴こえぬ愛敬あり(上から失敬)。

政治家の選挙資金パーティーに見えなくもないが、あちらは質素なメシが出て、
多くは資金管理団体に入る仕組み。こちらはちがう。なにより、メシがすごいのである。
風船をつけて会場をまわる御大を遠く遥拝し、さぁて食欲全開。

しょっぱな、入口付近で世話人の一人角山さんにバッタリ、笹巻きおにぎりを手渡される。
「ぎをん梅の井」製、鰻の時雨煮入り。後々、このご飯が胃袋に効きだす・・・。

 

さぁて、どこから攻めようか…とちょいと眺めると、「神戸北野ホテル」山口シェフ。 
ブッフ・ブルギニヨン、牛肉の赤ワイン煮込み。
しょっぱなから濃いなぁ、でも隙間を見つけたところから行くしかあるまい。

 

「アル・ケッチャ―ノ」奥田シェフ。山形庄内で聞えた庄内イタリアンの名料理人。
日々、野山を駆け回って、素材を生かす料理は「情熱大陸」などでも有名に。
三食連続で行った名店。この日も料理に、記念撮影にと大忙しのご様子。
奥州牛のローストビーフ。生山葵を刻んである。このぐらいの軽量がよろし。

 

創作中華「一之船入」の魏さん。横浜中華街出身で、京都で花開いた料理人。
蒸し立てのもうもうと湯気を上げる小籠包と、仏跳湯。いかにも元気になりそうなスープ。
魏さんは音楽仲間で横浜在住の笹部兄をよく知っているという、世間は狭い。

 

「野草一味庵 美山荘」の子持ち鮎・杉板焼き。卵でむっちりとした身が美味。
伏見松本酒造の菊乃井オリジナル酒がええ具合。ワインの白・赤・日本酒・・・
もはや各テーブルは、皿や空きグラスでてんこもりになっている。

 

「CHABUYA」森住さんは、村田さんにちなみ61種類の素材のらぁめん、村田スペシャル。
カドヤ食堂橘くんに、ボクの製麺の師匠と勧められて並んだ。大正解。
メチャクチャ美味い醤油ラーメン。丸鶏は甲州地鶏・滋然地鶏・会津地鶏。
鶏ガラは、大和鶏・会津地鶏・淡海地鶏・吉備地鶏。相模豚のゲンコツに豚足・・・といった具合で
脱帽するしかない。
スープはひとっ垂らしも残したくなく全汁。これがまた後々効いてくるのだが・・・。

 

睦まじく手を動かす「瓢亭」と「なかむら」主人。計6つ星に輝く、還暦の八寸。
タコと鯛昆布巻き、鰻時雨煮、くらげ胡瓜の胡麻和え、瓢亭卵。
これ抱えて、日本酒ちびちび行きたい・・・。

 

自ら陣頭で汗をかく、「ポンテベッキオ」山根さん。 鱧松のタリオリー二で参戦。
右はカメラ目線の「イル・ギオットーネ」笹島さん。牛テールと九条ネギのリゾット。

 

博多から「焼きとりの八兵衛」はもつ鍋で勝負。勝負ぢゃなくてお祝いなんだけどね。
よく知らないけど、たぶん、菊乃井で修業したのかな。
右は、オッ・・・セクシー美人の後ろ姿。こういうパーティードレスもまた楽しからずや。
芸舞妓も来ていたが、今日は自分たちではないということか、ちょっとおとなしめだった。

 

神戸の「玄斎」上野さんは、菊乃井の出身。鯨カツサンド。
このフランスパンは「Ca Marche」西川さんの特製。このパンがまた、ボディーブロウのように後々・・・。
Marcheのパンは、お土産にもらったよ。


 

京都のベテラン、「カーサビアンカ」の那須親子。手打ちパスタ、鴨のラグーソース。
野性味のあるソース。食べ出のある、しっかり噛みたい麺。これは赤ワインやりながらゆっくり食べたいパスタ。 これがまた腹の底にグイッ・・・。

 

お隣りの「一笑美茶樓」。脇屋シェフ作る、蟹肉とフカヒレのスープそば。
うんうん、これは軽やか。

 

「オテル・ド・ミクニ」の三国シェフは、ラッソノワールというデザート。黒い絆…?
三国さんは存在感あるなぁ。

 

「菊乃井」製の和菓子二種類。 食紅も美しい薯蕷饅頭と、餡の中に栗が入ったもの。
デザートまでたどり着いたのに、なんだかお茶をひいていたので、
「京都オークラ」の屋台でローストビーフを所望してしまった。
我ながら口卑しいというか、なんというか・・・しまった、量がたっぷり、しかも
付け合わせのジャガイモみたいなのも重かった。




最後にステージに勢揃いした料理人、メーカーや出版社、日本の飲食を支える側の人たち。
今回の会費の一部はキッチンカーのために使われる。オープン型のトラックに厨房そのものを積み込み、
そこに料理人は替わりばんこに乗り込み、東北被災地で料理をする。
店舗がないのなら店を持ち込もうという、村田さん、さ々木さんたちのスケールがでかい。

ここにいる料理人たちは替わりバンコに乗り込むという。熱いね、料理人たちは。
その熱気を一皿にこめて、直接、胃袋に訴えかけることができるのが羨ましい。

 

最後の肉が効いて、こりゃクールダウンせねばなるまい。一人、先斗町へ。
「バー・トンボ」のドアを押す。白州のハイボール、ラングドックの赤ワインを一杯。
はぁ・・・食い疲れた・・・。


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