谷六に空堀商店街という古い商店街がある。その名の通り、大阪城の堀だったが、水が入ってなかったことから空堀といわれたそうな。
まだ客と店主が会話を交わして買い物する商習慣が生き残っている。
古い町家をリノベーションしたり、日本全国シャッター商店街は多いが、
ここはまだ大阪市内でも元気のある商店街といえるだろう。
その中にあって、日々にぎわう洋食屋が「もなみ」。
豆腐サラダ 花ガツオがてんこもり!
店主は神戸から地震を機に店を移転してきた。
大阪のこの辺の客には驚いたという。なにしろイラチなのだ。
ご飯を出したら「ハンバーグまだ?」
ハンバーグを先に出すと「ご飯は?」 とにかく待てない。
自由に取れる山川漬けをポリポリ食べながら待つ客もいた。
「うちの主人、これ好きやねん」とビニール袋に取って帰るおばはんが
いたのには胆をつぶした。言っておくが…スラムではない。
苦肉の策でサービスで出したのが、豆腐サラダ。
これでぐっとおばさまたちを味方に引き寄せた。
神戸牛のたたき
神戸にいる頃にはステーキハウスとしてやっていたが、
ここぢゃその業態ではダメだと察して、庶民派の洋食屋として
ハンバーグを主力とした。それが当たった。
ハンバーグ+海老フライのセット。
このにんにく醤油がバカうまで、ご飯に合う。
ドミグラスソースも好きだが、こういう和風醤油ベースも捨て難い。
メシに合うかどうか、そこが洋食とそれ以外の西洋料理との
ボーダーラインと確信する。
店主、重里さん
昼間は怖い顔してハンバーグを焼いているが、笑うととたんに、
いい顔になった。
もなみ 大阪市中央区谷町6