新歌舞伎座裏に名店あり。その名を山三という。
大阪ブルーグラス・ナイトの後、久々にお馴染みの顔ぶれと寄ると、お歴々が後からやって来られた。和気あいあい。
山瀬さんご夫婦は全面的に信頼を寄せる人なので、お酒はお任せにする。ちょいと冷酒をいってから燗に切り替えたい。
何を飲んだかはあんまり覚えていない。
この店にはキラリと光る、酒飲み泣かせの酒肴があるのが嬉し。
よこわの胡麻醤油づけ こいつは酒を選ばない佳品。
隣の人が頼んだ、オクラのおひたし たまには悪くない。
牛すじ煮込み 東京下町風に一味をたんとかけるべし。
元天野酒の西條さん、堺で夢衆という酒を造っておられたが、
お元気にされてるかな・・・。
女将さんはdocomoの中吊り広告で顔を出したりもしてらっしゃるが、ま、一応気を使って無粋なものを目線に入れさせていただく。
日本酒には定番の生ずし。大阪では締め鯖のことをきずしと呼ぶ。 初めて自分で適当に作った時は、食べるのが怖かった。
おでんもここの定番。温まるー。
とある店は冬場、「暖房がてらにやってます」と言ってた。
確かに冬場の湯気はそそる。夏場は見たくないね。
奈良香芝の小さな酒蔵、大倉酒造の山廃純吟。
備前雄町という酒米。山廃特有のガツンとくる味わい。
これは燗で。ゆったりほろほろ酔い心地、燗酒はやっぱいいなぁ。
自家製鰻のスモーク。
燻製の香りに、どっしりした酒がぴったりくる。
看板まで居座ってしまった。
いつもながら気持ちよく飲ませていただく。
客との距離の取り方が絶妙。こういう飲み屋は当節貴重である。
桃山造りの新歌舞伎座の唐破風。閉門して久しいが、次に何が建つのやら。こちらの小屋は上六に引っ越し、銀座木挽町の歌舞伎座も今年で終わり、ビルに建て替わるという。なんだか難しい時代に差し掛かっている。
千鳥足の酒徒は、見上げてため息ばかりである。
山三 大阪市中央区難波4
いつ何時でも気持ちの良い時間を過ごせる貴重なお店ですね。またの機会を楽しみにしています。