マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

鯖食ったし、働くどぉ~

2014-10-02 15:18:07 | 





大阪の台所、木津市場。 民間の卸売市場としてはめっぽう長い歴史を持つ。

戦後の闇市みたいな風貌が数年前に建て替わって、立派な駅舎のようになった。







ここへ来たら、素通りできない店が一軒。

いかに建物が新しくなろうとも、看板が一新されても変わらない。







私のようにたまに行く客ではなく、デイリーの客がメインだから、

変わらないということが大事。 安心感でめしが食える。

意外とそんなことって大事。







店はお母ちゃんと息子伸五。市場の食堂の雰囲気を伝える、今では貴重な店。

こぎれいに変えてしまうと、その雰囲気はなくなってしまう。

マグロ屋オクセを継いで、今年亡くなった長男秀介くんの遺影。







まず店に入るや、ご飯の大きさ大・中・小と味噌汁の種類を聞かれる。

あとは陳列ケースを見て、好きなおかずを決めればいい。

まず大衆食堂とは、めしと汁がうまいことが絶対条件。

文句などございません。







徹夜明けでここの貝汁などすすると、 ジュワ~っと荒れた胃壁に

沁み渡ります。 「ええだし出たぁんなぁ~」







おお、また豪華な造りやわい。 こう来たら一杯飲まん訳には行かんが、

今日は朝飯を食いに来たので、ビールは封鎖。

ビール飲むと、ご飯が入らんようになる。

バブルの頃な。

ミナミの深夜族は朝方まで騒いで、

オネーチャン引き連れたまま、ここへ朝飯食いに来たもんである。







アタシャ、そんな恩恵こうむったことなどいっぺんもおまへんけどな。

名物のオムレツ。

中身はバターたっぷり、牛ひき肉と玉ネギ、シイタケ入った具。

ワインとコショーが香る。

ケチャップがどひゃっとかかるのが、いかにも大衆食堂。







そして…大衆食堂の大定番!

煮さば。

甘辛いタレがご飯に合う。

ビールでも酒でもない、これはメシしかない。

今ほど肉が一般的ではなかった時代、鯖は庶民には何よりの栄養食だった。

鯖喰ったし、さぁ働くかぁ~

そんな気にさせるのである。







木津市場を出たら、赤いポストがポツンと立っていた。

しばらく見なかったなぁ~お達者か。