午前中は茶道の稽古があり、午後からは如常の1日。「常の如し」と書けることがいかに有難いことなのか、Gikoohは改めて実感している。
先週末、中国観音巡りの旅に出た。
今回は第30番札所「長谷寺」(鳥取県倉吉市)と国宝・投入堂で有名な第31番札所「三佛寺」(三朝町)の二ヶ寺。
この時点で既にお気づきの人も多いと思うが、長谷寺のある倉吉は10月21日にマグニチュード6,6、震度6弱の震源地となった場所だ。報道で大変な状況にあることを承知していたから、旅に出ることを間際まで躊躇ったが、勝福寺の本尊様と対峙し、何か直感めいたものがあり、訪ねることにした。
倉吉までは総社から2時間半程で向かえる距離だ。震源が近づくたびにブルーシートで覆われた屋根が目立ち、事の重大さを実感した。当地方は余震が11月1日現在も続いている。現地の人と接して痛感したことは町全体の多くが家屋の損壊に遭遇し、そして心が計り知れないほど深く傷ついている現状を伺った。
今、全国各地で地震や台風、或いは原発事故等の影響で不自由な生活を余儀なくされておられる方々が大勢いらっしゃる。Gikoohの住む総社市とて、いつそうなるか分からない。
Gikoohに今やるべきことは、天空や大地の神仏をただただ鎮まるように拝むことだと思っている。大地も、山々も、空の雲も、川も海もすべてのものは生きている。そしてそれらには意思があると信じているから、Gikoohは真言行者として微力ではあるけれど、大難は小難に、小難は無難であるように日々祈っている。そして、被災されておられる方々が少しでもお元気になられるよう、心を寄り添いたいと思う。
お釈迦様は諸行無常という教えを説かれた。世の中の諸々の事象は常無しということだが、良いことも永遠には続かないように、悪いことも永遠でははい。今は辛い境遇に置かれていても、時間は掛かるかも知れないが、じっと耐えれば必ず温かい春は来ると信じて、何とか乗り切って頂きたいと、切に願う。
今回の観音旅は、世の事象について深く考えさせられる、貴重な体験となった。