勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

彩色師・篁千礼さんご来寺

2022-12-03 22:06:31 | Weblog

朝は初霜が降り、冷え込みが厳しかったけれど、日中は寒さも緩み清々しい1日になった。

今日は彩色師・篁千礼さんにご来寺頂いた。勝福寺では、来年令和5年6月12日~18日までの1週間、弘法大師御誕生1250年を記念して彩り豊かな期間になることを願って行事を計画している。その中心として、お大師さまの幼少期(5,6歳頃)のお姿、稚児大師の御尊像を新調し、法会期間初日の12日、開白法会にて初公開させて頂く予定だ。

その稚児大師像が完成した同時期に、仏師さんに尊像の3Dスキャンをお願いして、高さ10cmに縮小したミニ稚児大師像をこしらえた。木像の本像は良い意味で簡素な彩色だが、ミニの尊像は極彩色を施して後世に伝えたいと思った。勿論、資料に基づく色彩でだ。

彩色師のお人を誰に委ねるべきか…。御仏の智慧に肖りたいと拝む日々を重ねるなかで、篁千礼さんという素晴らしい彩色師と勝縁を頂くことができた。木彫の本像の方も、御仏のお陰に肖った仏師さんだった。有り難かった。

篁さんと言えば、仏像を毎日の生活のなかで楽しむことを提案する「イSム」(株式会社MORITA)の彩色師としても著名で、この世界ではカリスマ的な存在といっても良いと思う。6月に依頼させて頂いて半年後の12月3日、見事に仕上がったミニ稚児大師像を遠路よりお納め頂いた。事前に何度も画像は確認させて頂いていたものの、本物を拝見した時の感動は息を呑むほどだった。素晴らしい、素晴らしすぎる…。

御尊顔全体の端正な雰囲気、最も感激したのが眼の輝きだった。幼少期のお大師さまが、夢のなかで御仏たちと楽しく語らっておられる様子を表現したのが稚児大師像だから、気持ちが高揚した時の眼の輝きはいかほどだっただろうか。それが見事に表現されているではないか。そして、着物の文様、蓮台蓮肉の細い筋に至るまでの精緻な彩色、どこを見ても篁さんの技術の凄さを窺える素晴らしい稚児大師像になった。有り難かった。

今日はお昼前にJR総社駅にお迎えにあがり、その後夕方まで貴重なひと時をご一緒させて頂いた。とても心穏やかなお人で、気品に溢れた素敵な人柄だった。貴重な一期一会の出逢いに感謝。

山門での記念写真は、篁さんのお連れさんに撮影頂いた。

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