勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

お彼岸は仏教週間

2009-09-20 22:33:18 | Weblog
今日20日-26日までの1週間は秋の彼岸、仏教週間だ。

般若心経の本文(262文字)には「波羅蜜多」という文句が5回も出てくる。意味は「到彼岸」即ち、彼岸に到るということだ。般若心経には観自在菩薩と釈迦十大弟子の舎利子の2人が登場し、観自在菩薩が舎利子に世の実相を解き明かしていくという内容になっている。

観自在菩薩が深く般若波羅蜜多を行じている時、五蘊あり、しかしそれは皆空であると照らし見て一切の苦厄を超えられた。(*般若と五蘊はここでは触れない。)

今夜は一切の苦厄を超える般若波羅蜜多の波羅蜜多について書いてみようと思う。図は到彼岸のためのイメージだ。日常、私達の身の回りでは様々な現実が起こるが、自身の精神を高めていれば、どのような環境にも柔軟に対応することが出来るだろう。

到彼岸。般若心経では、迷いの世界(此岸)から悟りの世界(彼岸)へ渡るには6つの実践徳目(六波羅蜜の行)があると説く。この6つの実践徳目を何度も勧めているのだ。

1、 布施…貪欲の心を捨てて他に施すこと。
2、 持戒…戒を守り、道徳的な生活をすること。
3、忍辱…耐え忍ぶ。我慢すること。
4、精進…弛まず努力すること。
5、禅定…心を落ち着ける。
6、智慧…すべてのものをありのままに確認する正しい智慧を養うこと。

この6つだ。最後の6は、1~5を身につけることによって自然と備わるものだ。1つ1つは噛めば噛むほど味わい深く、同時にとても大切なことである。

お彼岸の1週間は、ご先祖供養をはじめ、彼岸に到るための六波羅蜜の行を思い、実践して自身の精神を高める発心(きっかけ)になればと願っている。

~彼岸の初日に想う~

さて、午前中はお寺で法事があった。今日も内容の充実した良い供養になったのではと感じている。ご本尊様はいつも澄ましたお顔で凛と座っておられるけれど、その一部始終をすべてご覧になっておられる。位牌の故人もそうだと思う。多くのご親族の供養を受けられて、魂の位はまた一つ上へと昇られる。
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