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アグラのホテル(ジャイピーパレス)は立派なホテルだった
アグラの朝は少し早めで7:40分出発。いいホテルだったが出発が少々慌ただしい。その訳は現地チケット売り場を見て納得。すでにたくさんの人が並び、手荷物検査機(X線)を通し、ミネラルウオーターを配り、一人ひとりチェックをしている。修学旅行か遠足と思しき生徒たちもチェックを受けている。
切符売り場と入場門は別になっていて、各々検査を行っている。切符売り場の脇の木には大きな猿が枝から枝へと移り渡っていた。入場門は既に行列ができており、文字通り押し合いへし合いの状況。
この日は特別ではなく、いつもこんな具合だそうだ。朝からもう暑いが、民族衣装のアッパーッパーのおかげで快適である。庭園もよく手入れがされており、楼門(日本流に言えば山門)迄人が途切れることがない。
この楼門も立派なもので、イスラムの細かい細工が門の上まで施されている。この職人芸には文句なしに感動だ。
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入場門が見えてきた
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入場門は既に人でいっぱい
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押し合いながら入場
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中は広大な庭園
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楼門の前で記念撮影
楼門のアーチを潜るといよいよタージマハル本体が姿を現す。直訳すれば「王冠宮殿」なのだろうが、この建物は廟である。ムガール帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが后のムムターズ・マハルの遺言に従って建てた廟である。
后の遺言は「後世に残る墓」というものだったが、巨費と22年間の歳月をかけ建設された。自身の墓は北を流れるヤムナー川の向こうに黒大理石で建設する予定だったが、皇子に幽閉され叶わなかった。
この廟を作った大工の指を切り落として同じものを作らせないようにしたとか、廟の左右に同じ形のモスクを立て、地盤沈下を均一にしたとか、愛妻家というより恐妻家と言ってもいいくらいのこだわりようである。
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見えた!
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優美な姿
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まだ噴水が吹き上げていないので水に姿が映る
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これぞ世界遺産
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向かって左にあるモスク(右にも同じものが立つ)
イスラムの世界では極楽は左右対称にできていると言われ、建物だけでなく庭園も見事な左右対称で形作られている。入場当初はまだ噴水が通水していなかったので池や水路の水面に映る白い建物が優美であった。
棺(ここもフマユーン廟と同じくレプリカ)のある二階には土足禁止なので靴カバーをかけて登る。間近で見る廟は白く輝き、ある種の神秘的な厳かさを感じさせる。人の背の二倍位までの高さのものは盗まれたのだそうだが、天井近くの装飾に使われている宝石は健在だ。
建物の壁にはコーランが彫られ、宝石で文様が飾られている。こういう彫刻がやりやすいように、アラビア語は右から左へという流れになっているそうだ。この建物は遠近法の逆で上の方へ向け少し広げてある。また四隅の尖塔は外側に3度傾けてあり中側に倒れないような工夫がしてある。
棺のある部屋へ入ると回りにいるガイドが何やら英語で話しかけてくる。懐中電灯で装飾の宝石を照らすと赤い光が周りに広がる。細かい細工と白い壁、ルビーの朱が暗闇に浮かび上がる。感心していたらそのガイドが「チップ、チップ」と宣う。どうりで親切なはずだ。「申し訳ない。金は持っていないんだ」とお断りして外に出る。
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廟内は土足禁止なのでカバーを着用
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壁面にはコーランが彫刻されている
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上部にはルビーなどの宝石が残っている
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四隅の尖塔は外側に三度傾けてある
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楼門も左右対称
順路に従い大理石の部屋を通って外に出る。裏側のテラスへ出るがすぐ下はヤムナー川。シャー・ジャハーンが意図した自分の墓はこの向こうに立てるはずだった。タージマハル建設で資力も気力も使い果たしてしまったのだろうか。
絵葉書などで見るこの建物はそれなりに美しいが、来てみるとその荘厳な雰囲気はやはり現地でしか味わえない。豪華ではあるが、花嫁のような清楚な美しさを感じた。
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帰途は脇を通り
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楼門の左右の柱列
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オートリクシャーに乗る
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五分ほどで出口へ