遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
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雪解道

2016-03-31 13:04:13 | 雑感
    玄関先の雪も大分小さくなってきた

24節気は立春、72候は末候「雷声を発す」。春の訪れを表す雷が鳴り始める頃。恵みの雨を呼ぶ兆しとして喜ばれたそうである。

ここ2,3日ぐっと暖かくなってきた。道端の雪の塊も大分小さくなってきた。頬を撫ぜる風も心なしか柔らかく、優しく感じる。巷では桜はあちこちで満開の知らせが届いてきている。皇居の一般参観の通りぬけは3日ほど延長されるらしい。

いよいよ春本番である。スーパーの店先には山菜=せり、ふきのとう、タラの芽、などが並び、魚売り場には鯛が出始める。最近は養殖ものが出まわっているので、年中手に入るが、旬はやはりこの季節である。


楽しませてくれた

2016-03-30 14:01:25 | 


藤原伊織「テロリストのパラソル」講談社文庫 1995年刊

41回江戸川乱歩賞受賞作品にして、114回直木賞のW受賞作品である。両賞受賞作家はいるが、作品が受賞したのは初めてである。

書き出しからして面白い。アル中のバーテンが起きだすところから書き出しがはじまるのだが、ストーリー展開も文章もなかなかである。佐伯泰英のスペインを舞台にしたテロ小説を髣髴とさせる展開だが、文章がすこぶる面白い。

会話や小さな推理が気が利いている。テンポもよく、すぐ本文にのめり込める。W受賞むべなるかなである。非常に残念なのは作者が2007年既になくなったことである。

それにしても楽しませてくれた小説である。提供してくれた畏友に感謝。

天才の所以

2016-03-29 14:42:50 | 雑感
    大江戸博物館横の桜

週末東京に行った折、両国の大江戸博物館で日伊国交樹立150周年記念 特別展「レオナルド・ダ・ビンチ-天才の挑戦」をやっているとのことで時間を作って覗いてみた。

かの天才とうたわれた人物は確かに絵画彫刻だけでなく、土木工事、建物の設計、機械の設計など多方面にわたって活躍していた。最近の研究でモナリザの下絵に別の顔が隠されていることが話題になっていたが、彼自身自分がおかしいと気づいた時には躊躇なく完成品の絵画も修正をしたらしい。

今回日本初公開と言われる「糸巻きの聖母」も当初描かれていた背景の歩行器が消されている。しかし彼はレオナルド派と言われるほど一派をなしたが確かに著書を読むと、哲学的な記述が多く見受けられる。また時の皇帝に気に入られ、毎夜話し相手を務めたと言われるが、その天才ぶりはやはり群を抜いていたらしい。

残された資料からはどうして彼が天才と言われる才を獲得したかは定かではないが、ただ彼の観察眼は精緻を極め、「鳥の飛翔に関する研究」や「馬の研究」「子供の足の研究」などの記述ノートにあるスケッチを見るとよく分かる。この探究心が色々な成果となって現れたのではないか。

色々なことを考えさせられる面白い展示会であった。(4月10日迄 江戸東京博物館で開催)
博物館横に咲く東京の桜はまだ4分咲であった。

   案内板とパンフレット

6年に一度の大祭

2016-03-27 00:58:54 | 雑感
信濃毎日新聞社発行の御柱祭ガイドブック
    御柱祭協賛キャンペーンチラシの一部

今年は御柱祭の年である。諏訪地区で6年に一度行われる祭だ。諏訪大社は諏訪湖を挟んで南に上社の前宮、本宮、北に下社の春宮、秋宮がある。この四社では寅と申の年に社殿の四隅に大きな柱を建て替える。

この柱は直径1m、長さ18m近くありそれを山から人力で曳き出し、角を曲がり、坂道を落とし、川を越える。1200年以上の歴史があると言われるが、この祭りには遠く故郷を離れていた若者が祭り参加のためにふる里に帰ってくる者もいるという。

諏訪地区だけでなく、茅野も原村も、岡谷も参加する。また近隣の神社も同じ年に同じように柱を立てる祭りが行われ、霧ヶ峰の車山頂上の神社や、路傍の畑の中にある祠でも柱が建て替えられる。地域中がこのお祭りに集中し、解説書やガイドブックが何種類も本屋に並び、商店街は大売り出しのチラシを発行する。

祭りは前前年の仮見立て、前年の本見立て、伐採、御柱抽選式、山出し、里曳きなどを経て最後に大社で建御柱でフィナーレを迎える。その後宝殿遷座祭も行われる。

上社の柱にはメドデコと呼ばれる角が直角に取り付けられそこに若衆がすずなりに乗って行進する。また下社にはない「川越し」と呼ばれる川を横切る行程もある。急坂を一気に下る「木落し」が山出しの華であるが、この「川越し」も見どころでもある。

昨年は双方無事に済んだのであるが、建御柱で死者が出た。10トン近くもある巨木を運行するのであるから、危険と隣り合わせであるが、これらを包括して行う祭りは血が騒ぐ。地方紙の信濃毎日新聞では、特別欄を設けて、連日祭り関連の記事を報道している。結構これがムードを盛り上げている。

    全面御柱祭関連記事だ
    関連記事連載欄
    特集欄


霜柱

2016-03-26 00:29:36 | 雑感


このところ寒の戻りで、日中でも、陽が射していても肌寒い。アプローチでふと足元を見ると見事な霜柱が立っている。正に柱である。10cm以上もある見事な柱だ。まるで地中から咲き出す花のようである。

前にもぐらが通っていた穴の跡に集中して成長していた。
地中に成長する霜柱は理解できるが、この柱は空に向かって土筆のようにどうやって延びてゆくのだろう。

氷柱はキラキラと光って綺麗だった。

寒の戻り

2016-03-25 00:30:34 | 雑感


毎年よ彼岸の入りに寒いのは   正岡子規

昨日までのうらうらとした春の日から一転、今日(24日)は起きてみたら薄っすらと雪が積もる寒さだ。

あちこちで桜開花の便りが、一斉に届いている中での寒の戻りである。「暑さ寒さは彼岸まで」と言われる春分の日も過ぎ、二十四節気は春分、七十二候は「桜始めて開く」。まさに旧暦通りの季節の移ろいであった。

ところがである。この寒さはどうだ。一気に冬に逆戻りである。池の氷は既に溶けているが空から降ってくる雪は細かく、乾いていて冷たそうだ。

少し重ね着をして部屋も温めて過ごそう。



氷緩む

2016-03-24 00:37:55 | 雑感




彼岸を過ぎて、流石に暖かい日が続く。真っ白に凍っていた家の前の池も半分くらい溶けてきた。目で見る春の訪れである。今年は諏訪湖の「御神渡り」はないまま春を迎えそうだ。

いよいよここらは御柱祭一色に染まる。6年に一度のこのお祭りは、諏訪大社だけでなく、飯田伊那地方迄同じような祭りが行われる。ここら辺りは地区地区が各柱を分担して、一帯は昨年から延々と祭り準備行事が次々とこなされ、特にどの地区がどの柱を担当するかのくじ引きでは、本宮一番の太い柱を巡って悲喜こもごもの抽選が行われる。

また車山の頂上神社や、名もない小さな祠まで、4隅に柱を立てる祭りが各地域に亘って延々と続く。いかにも田舎のお祭りである。隅々まで地域に浸透している様子がよく分かる。

ミーハー

2016-03-23 00:54:44 | グルメ


我ながら呆れる。先日TV番組、秘密のケンミンショーで取り上げられた丼特集で、長野・諏訪のみそ天丼を見た。駅前にある店で味噌だれというのが、名古屋出身の私としては見逃せない。

わざわざ上諏訪まで食べに行った。相当のミーハーである。湖畔の公園に車を置いて、少しだけ歩いた。こちらから見れば片倉館も一層風情がある。


    片倉館
    いずみ庵入口
    諏訪湖サラダ
    味噌天丼セット

夕方でもあったが店内はほぼ満席。カウンター席か2階しか空いていないくらいの盛況であった。いかにも駅前の食堂といった風情で、店のサービスは中年のおばちゃん達が代わる代わる甲斐甲斐しく立ち働く。

車できたので、アルコールは控え、みそ天丼セットを頼む。小ぶりの天丼ととろろそばにおぼろ豆腐が付いている。ふきのとう、ワカサギ、川エビなどが入った天ぷらはカリッと上がっており甘めの味噌だれが良くあっている。蕎麦もなかなかうまい。他の品も食べてみたいと思うほどであった。

我々の後に入ってきた若い女性の一人の旅人が、隣でじっくりメニューを見ていておもむろに日本酒「飲み比べセット辛口バージョン」を頼み、信濃づくし、鯉こく、を注文した。信濃づくしとは、ワカサギの天ぷら、馬刺し、湯葉釜揚げ、ざるそばの盛り合わせである。一人でゆったり味わっている様を横目で見ながら我々は店を後にした。今度来るときはあれを頼もう。

帰り道、他の店でもみそ天丼の幟を見た。やはり地域特産飯らしい。諏訪湖畔は黄昏が深く、街の灯りが浮かび上がっていた。

    諏訪湖畔の灯り

ある種の青春小説

2016-03-22 00:16:40 | 


伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」創元推理文庫 2006年刊

もう何冊も伊坂作品を読んでいる。この間も「ビブリヤ古書店シリーズ」やその他の文庫も読んでいるのだが、この本を取り上げたのだのは、今までの小坂作品とちょっとだけ違っているからである。

大学生活を始めたばかりの靴屋の息子が、同じアパートの住人に「一緒に本屋を襲撃しないか」と誘われる。ここから物語が始まる。ここからの構成がちょっと変わっていて、2年前の近所のペット店に勤務する女性の動静と交互描写が進む。

学生のキャンパス生活の描写とペット店勤務の女性の恋愛破綻後の動向が伝えられる。これらを結ぶブータン人と、ハンサムな男性、無機質な美人女性などがいろいろ絡んでくるのだが詳細は語れないが、こう言う構成がなかなかよく出来ている。今までの小坂作品には見られなかったことである。

加えて、二人の若い主人公がいかにも今時の若者らしい考え方をする様をよくあらわしている。考えの純粋さや、浅さをよく描いている。帯に本屋大賞受賞とか吉川英治文学新人賞受賞作とあるが、むべなるかなである。



葉書の点滴

2016-03-21 00:45:04 | 雑感


昨年の暮から友人が入院している。ロータリークラブに一緒に入会した無二の親友とも言うべき男だ。蛭ヶ野の別荘で庭仕事の途中出倒れ、救急車、ドクターヘリで郡上八幡-岐阜大の病院に担ぎ込まれ、容態が安定して刈谷総合病院に転院してきたという。

はじめて見舞いに駆けつけた折には、まだベッドに寝ていて視力も十分でなかったが、少しずつ改善し、今はリハビリに励んでいる。見舞いに行く度に少しずつ元気になってきているようだ。

入院生活の退屈しのぎにでもなればと、お見舞いの葉書を書いている。手持ちの絵葉書で出していたのだが、80通を越え流石に品切れになってきた。手許には季節外れの絵柄の葉書しか残っていない。入院中は退屈でもあるのだが、体調によって人に会いたくない時もある。はがきなら負担感も少ないし自分の気の向いた時に読めばいい。と教えてくれたのは、複写葉書で「ハガキ道」を提唱されている坂田道信先生の教えである。

先生の教えで、葉書は毎日の元気づけになる。いわば精神的な点滴だ、といわれる。私も余分なおせっかいになるかもしれないが、多少でも退屈しのぎになればと思い、気のついた時できるだけ書くようにしている。それにしても友が一日も早く回復し、元気に退院されることを願っている。