遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
更新は猫以下の頻度です。

お知らせ

Twitter で更新情報が観られます。やってる方はこちらからフォローどうぞ。
http://twitter.com/gaiki_jp

シリーズ第三弾

2017-12-09 05:10:40 | 


真保裕一「遊園地に行こう!」講談社 2016年刊

ご存知「デパートへ行こう」、「ローカル線で行こう」のシリーズ第3弾。躍動感は「ローカル線・・」の方に軍配があがるが、この作品は職場への密着感、リアリティはなかなかのものである。

最初はアルバイト社員とベテラン社員の、勤務状態の掛け合い物語かと思いきや、途中の配電盤事故から急展開を見せる。ミステリー仕掛けも少し見せるが、ここはあんまり著者の得意ではなさそうだ。

このシリーズの特徴であるが、いつものように悪人がでてこない。みんないずれも善人である。そこにリアリティが欠ける原因があるのではないか。むしろ夢を旗印にアルバイトにも階層を付け、モチベーションを維持し、低コストで人を使う仕組みなどの描写の部分が光っている。どうもこの著者にはミステリーは向いていないようだ。

もう一歩何かを超えれば作品に深みが加わると思うのだが、エンターテイメントにいろいろ求め過ぎなのだろうか。面白い作品であることには違いない。