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タクツァン僧院はブータン観光のハイライトというべき地点である。
パロの中心街からバスで20分ほど離れた山地の断崖に立つ僧院。タクツァンとは虎の巣という意味だそうだ。8世紀グル・リンポチェ(伝説の高僧)が虎の背に乗りチベットから飛んできた。そしでここの岩穴で3ヶ月瞑想をしたとつたえられる。
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赤土の駐車場にバスを止め、まずはトイレへと案内。と行っても青空トイレだ。ここでは普通の事らしい。
登り口には木の杖を1ドルほどで売っている。他に露店でアクセサリーや、仏具などを並べている。その上には登山用のロバの群れ。馬子が声をかけてくるが、ガイドから危険だから乗らないようにと注意をうける。林を抜けると前方の崖にへばりつくように僧院が見える。谷筋にシャクナゲの赤い花が一輪だけ咲いていた。昔この花は国花だったという。
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山道は次第に急になり、林の向こうの山の中腹にドルテン(木の竿に経文旗をつけたもの)が立っている。ロバに追い抜かれながら山道を喘ぎ喘ぎ登る。道端には時折水場が現れ,ロバも首を突っ込み水を補給。乗客は中国人が多い。ロバの足首は意外に良く曲がり,土や岩を捉える。中間地点の展望台、カフェテリアまで1時間20分。すぐ前に第二展望台、そこから横に僧院が見える。ここで一行の時間調整をする大休止。コーヒーを飲んで更に上へ。
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そこからも同じような山道が続き少し傾斜はきつくなってくる。ロバも喘ぎながら登り、馬子の叱責の掛け声が強くなってくるとやがて第二展望台へ到着。ここからは、水平道路が少し続き、石の階段で下り始める。次第に綱に結んだ経文旗が多く張り巡らされ、ロバの終点に着く。やがて谷を隔てて眼前に僧院が迫る。こんな急峻な崖の上に立てるには、資材を運び上げるだけでも大変な労力がいっただろう。
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ここからは石段となる。まず下りだ。手すりが完備し安全である。石段の岩には黄鉄鉱?の光る石が多く使われている。ティンプー-パロへの道で河原に沢山あった石だ。この国は鉱物資源も豊富だろうと推測できる。谷には旗綱が何本も掛かり、風にはためくさまは神秘的で綺麗だ。谷の左奥には高さ150m以上の滝が落下。そこまで下ったら最後の上り。カフェテリアから約1時間で到着。ここは土足禁止、カメラ禁止、帽子も禁止で、入口横にロッカールームがありそこに置いてゆく。6つの堂のうち、我々は3つの堂へ参詣。虎の穴の聖堂、プナカからの遷像の堂、2体の高僧の像を祀る堂を巡った。はじめの堂ではこの僧院のトップから聖水を受けた。この僧は2011年ブータン国王とともに来日し、東北震災地でお経を捧げた方である。いつもニコニコ笑っており、遠くからよく来てくれたと笑顔で聖水を注いでくれた。我々もお布施をし、五体投地を仏前で行った。
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ここの高僧は「おごそか」というより親しみやすい。3つの堂を巡り我々もガイド同様五体投地をした。2番めの堂出は国王も佛像の前で一晩過ごしたという。帰途は写真撮影をしながらゆっくり下る。カフェテラスまで約1時間。ここで昼食を取りながらまた時間調整。昼食はお馴染みのブータン料理のバッフェ。ゆっくり休んで麓までさらに一時間。帰りはロバの数も激減。快適に下った。
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夕方パロの街に戻り、パロ市街でもっとも古いと言われるお寺に立ち寄る。ここで、西遊旅行の別のグループに合流し、旅行の安寧と家庭の平和祈願を受けた。もともとこのグループが企画していたのに便乗させてもらったのだが、実際の法要は仮特徴があった。カネ、太鼓、笛、大笛、が読経に合わせて響く。本堂では我々にバター茶と甘いお米のポップコーンが回される。厳かとは別次元のものである。最後に一人ひとりが和尚様の前に進み、白いマフラーのような布を首にかけてもらい、ミサンガを受けて終了した。
午前2時半からのご開帳に始まる長い一日が終わり、ブータン最後の日は充実したものであった。