遅いことは猫でもやる

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哲学的な問いかけ

2016-04-29 03:52:57 | 


中村文則「悪と仮面のルール」講談社文庫 2010年刊

前に読んだ作品ではよくわからなかったのでもう一冊読んでみた。相変わらずの才能豊かなストーリー展開、語り口の旨さだ。

しかしこの作品では、「悪」=「邪」についての根源的な問いかけをしている。悪というのは相対的なものではないか、生きることに比べてどうか、などという問いかけである。なぜ人を殺してはいけないかという難問にも繰り返し述べている。

会話の多い小説なので登場人物に何かと語らせているが、純文学畑だけあってこうした問題について正面から述べている。2005年芥川賞、2010年大江健三郎賞を受賞している。

少し解りかけてきたというか、馴染んできたというか、そんな感じがしてきた。もう一冊読んでみたらもっと分かるのかもしれない。

庭先の桜

2016-04-28 06:00:21 | 雑感


我が家の庭先にある桜は年々花を付ける量が増えてきた。ただ2本植えたうちの右側の一本は、下のほうの樹皮が見事に鹿にやられ、丸坊主になり無残にも枯れてしまった。

残った一本は4,5輪花をつけるのだが、一昨年、昨年と少しずつ咲く花の量が増えてきた。今年はもう数えきれないほどだ。

植えた時は植木屋さん任せだったので、ソメイヨシノではなく山桜の一種だと思うのだが、花は満開ではないのに、若葉もちらほら混じり、白い花を可憐につけている。ここらは標高1350m位なので、今年の桜はこれが見納めになるだろう。

気鋭の演奏

2016-04-27 00:11:30 | 行ってきました


元同業の友人は名古屋モーツアルト協会の会長をしている。現役の時から音楽好きでよくウイーンフィルの弦楽器奏者などを招いてコンサートを企画していた。

その彼から案内をもらってピアノコンサートに行ってきた。電気会館のザ・コンサートホールでの演奏会。たまには音楽もいいな、位の軽い気持ちと折角案内をくれたので多少義理を感じたのである。

演者は鵡川慧悟といい、旭丘高校から東京芸術大に進み、さらに現在はパリ国立高等音楽院に留学中の若者である。実際演奏が始まってみてびっくりした。まずはモーツアルトの「きらきら星」から始まったが、その圧倒的なフォルテシモ、と主旋律の美しい演奏に度肝を抜かれた。

その後もベートーベン、リストと難曲に挑み、まるで格闘技のようにピアノに取り組んでいた。若いだけあってそのエネルギッシュな演奏は迫力があり、何よりも聞いていて楽しい。

とても貴重な拾い物をした気持ちで演奏を聴き終えた。当然アンコールの拍手が鳴り止まず、彼は3曲も聴衆に応えた。このサービス精神も好感が持て、これからの活躍に大いに期待ができるピアニストである。

また演奏があったら是非とも聴きに行きたくなった。

下見(2)

2016-04-26 00:49:06 | 行ってきました
    ヒュッテの庭にはまだ雪が
    枯れ草の野に案内標識
    山道は雪が残っていた
    陽が漏れているところは溶け出している

下見の第二弾は白駒池へ行ってみることにした。つい3,4日前冬季閉鎖の道路が開通したばかりだと聞いたので、どんな具合かの下見である。

駐車場には10台ほどの車が止まっており、麦草ヒュッテに向けて歩き始めた。ヒュッテの脇には雪が残り、まだ一面の枯れ草には大きな望遠レンズをつけたカメラ趣味の人が4,5組林に向けて構えていた。何を狙っているのか聞いてみるとホシガラスだという。かなり珍しい鳥だそうだ。

山道に入ると陽影になっているところは雪が現れる。陽があたっているところは雪が溶け出し道はぐちゃぐちゃに泥濘み、日影は凍った雪に足が滑る。白駒池からの人が私の足元を見て一言「それでは無理だ」と宣う。諦めて引き返す。この暖かさであれば多分後2週間もすぎれば大丈夫ではないかと推測はできる。

この後東急リゾートに回り、状況を聞いてみた。事務所の人の話では八子ヶ峰は雪はもうないそうだ。実際にコースを歩いたそうだから間違いないだろう。

更にそこで見たパンフレットを頼りに信濃境駅付近の枝垂れ桜を見に歩きまわったが残念ながらもう花は終わっていた。来年はぜひここらは回ってみたい。

    熊笹(麦草)の中の道
    正に麦草ヒュッテだ

下見(1)

2016-04-25 00:22:58 | 行ってきました
   聖光寺山門
   山門脇修行僧像と桜
   参道脇の桜
   一面の桜が植えられた庭

連休に息子が前後して山に遊びに来るという。楽しみであるが遊びにゆくところを下見しておいたほうが良かろうとまず聖光寺にでかけた。

この寺は昭和四十五年に当時のトヨタ自動車販売が建立したそうだ。豊田家と蓼科はなにか縁があるのだろうか。覚王山日泰寺もトヨタが資金を出していると聞いたことがある。近代企業の割には信心深いところがあるようだ。ここら辺りにはトヨタ系の会社施設が数多くある。

桜が何時植えられたかわからないが、お寺の建立直後だとすると四十年前後でソメイヨシノの樹勢で言うと今頃が一番の頃だ。ここはいつもの年は連休の頃が見頃だが、今年の暖かさで少し早めの開花である。目測ではもう6~7分咲きだ。連休にはもう散りかかっているだろう。

    山門脇の池あたりの桜
    参道の桜はもう6,7分咲いている

霧の朝

2016-04-24 08:57:03 | 雑感


今朝は朝霞が出た。かなり濃い霧が漂っていた。このところ温かい日が続いていたが、おりからの雨が残り十分な水蒸気の供給があ。ったのだろう。

こんなに濃い霧が出ると何か心が静まる。大きな手に包まれているようだ。霧が出た後は天気が回復する、と言われるがその通り青空が見えてきた。いよいよ春が本格化してきた。

水月公園の遅桜

2016-04-22 05:09:39 | 雑感
    水月公園の墓地下広場
    枝にはぽってりと花房が
    墓地参道には花吹雪が散る

山国の春は平地に比べ季節が半月や一ヶ月遅れる。諏訪の山沿いにある水月公園はいま桜が満開だという情報を新聞で得て、雨の前にと慌てて出かけてみた。

御柱祭で柱を曳く街道の道脇にある桜の枯木はほとんど葉桜になっていてもう遅い。坂を100mくらい登り少し高くなっている公園の脇まで行くがここもすでに葉っぱ混じりになっていた。墓地の方にある駐車場に車を進めると、散っている木に混じってピンクの花が十分残っていた。

少し上に登ると墓地の中にしっかりと花を残しているピンクの木があった。参道にハラハラと散りかかる花びらが風に舞い美しい。ここの墓石は低めで決まって背の低い灯籠を備えている。高さが揃っているので見通しも良い。

そこに咲くピンクの花弁が浮き上がっているように映える。名残の桜が儚く咲いている風情がなんとも物寂しく感ぜられた。

    墓地の中に咲く桜
    まだまだしっかり花は咲いていた


穀雨

2016-04-21 14:27:45 | 雑感


珍しく雨である。二十四節気は穀雨、沢山の穀物をうるおす春の雨が降る頃のこと。春の雨は作物にとって恵みの雨となる。穀物を育む雨は瑞雨、草木をうるおす雨は甘雨。春の長雨は春霖(しゅんりん)花咲けと促す催花雨、菜の花が咲く頃に降る菜種梅雨、ウツギの花が腐ってしまうほどだという卯の花腐しなど様々な名前がついている。


    白樺にも新芽が

    落葉松の枝にも新芽が

    林全体に薄っすらと緑が

目を凝らすと落葉松や白樺の枝先にポツポツと緑の新芽が出てきているのを発見した。落葉松林に薄っすらと緑色が掛かって来た。ゴールデンウイーク明けになればうす緑色の芽吹きが盛んになり、空気まで透明な緑に染まったように一面緑色になる。

学生の頃、上高地でその空気に浸った体験が忘れられない。いよいよ春本番である。

不思議なハードボイルド

2016-04-20 00:16:16 | 


中村文則「王国」河出書房新社 河出文庫 2011年刊

2005年の芥川賞作家の作品である。初めて目にした作家である。愛知県生まれの40歳の作家であるが、この小説を読む限り、なにか海外の翻訳小説を読んでいるような錯覚に陥る。

確かに文章力はさすがで自在に人物描写やストーリー展開をしてゆくが、現実世界とイメージ世界が混濁しているような印象を受ける。タッチはハードボイルドだと思うのだがなんとも不思議な感覚である。

主なストーリーは、ターゲットにした要人の弱みを人工的に作ること。それを女性の魅力を武器にして実行することが主人公の役目だが、この人物はすでに現世にさほど未練を持っていない。それで彼女を利用する側と、攻防を繰り返す側との間で立ちまわると言った設定である。

著者の別の作品がウォールストリート・ジャーナルの年刊ベスト10小説に選ばれ、各国に翻訳されているらしいがさもありなんと思う。

何を言いたいのかが少し難解なので、評価はもう一二冊読んで味わってみてからにしよう。


關渡宮

2016-04-19 01:42:19 | 行ってきました


台湾旅行でなんといっても金ぴかなのは神社だ。中国の人は金や極。彩色が好きらしい。關渡宮というお寺に行き、線香を供えお祈りをしてきた。

お寺は金持ちの人の寄進によって成立しているらしく、日本のように拝観料を取るということはない。何処を見ても金ぴか、極彩色である。中国の人が考える極楽はこんなに色鮮やかなのだろう。日本でも金閣寺や平泉中尊寺、日光東照宮などよく似た建物もあるが、仏教のお寺は総じて白木造りのシンプルなものが多い。

今回は説明不要で金ピカを楽しんでいただきたい。



    外に目を転じれば川に霞がかかっていた