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槍ヶ岳 強風記.

2004-08-02 22:28:57 | 登山・ハイキング
槍ヶ岳 強風記.  04.7.17~7.20
温泉山岳会

昨年に続き、今回も天候に恵まれない山行となりました。しかしながら激しい雨と強風の中、おいしいツマミと酒、温泉と楽しい仲間には恵まれ、リーダーの的確な判断により、事故にならずに無事下山できました。

■7/17
 いつもの様に8:00春日井駅集合。今回はTリーダー、S氏、G夫妻、私の5名。家内はボランティア行事のため不参加。いつものようにコーヒースタンドで顔合せ、もう暑くなりはじめた春日井を出発。

~11:30~
沢渡着。タクシーは昨年も乗ったと相互?タクシー。道中の車が混んでいた。釜トンネルは来年6/30の完工をめざして、まだ工事中。雲が垂れ下がってきた。上高地に入るも、バス行列。大正池では降りた客が行列を作って行進。穂高はおろか焼岳もみえない曇空。
~12:10~
上高地バスターミナル着。バスの山、ターミナル売店は建て替え中。河童橋、小梨平を経て、緑の樹間を歩く、梓川が滔々と流れさすがに涼しい。
~13:00~
明神着。明神館にはお目当ての岩魚の骨酒がなかった(宿泊者には提供とのこと)。明神池畔の嘉門次小屋へ。2日酔のG氏と、普段から飲まないTリーダーは別として、G奥様が「私は遠慮しておきます」というのは何故か?御主人をたててのことか。そんなことは構わず、Sさんと私はつぎ酒まで頼んで、グビグビ。やはりここの骨酒は絶品。ところがこの不埓な態度のせいか、風と雨がひどくなった。小屋の前のテントが飛びそう。カッパを着用。
ついでながら、ここの「木の子ソバ」は暖かく結構おいしかった。
~13:50~
気持ち良くなって、明神発。
~14:40~
徳沢着。カラマツソウ、アザミ、コウモリソウなど、G夫妻に教えて貰いながら、のんびり歩く。
~15:40~
横尾山荘着。途中雨が降ってきた。山荘は宿泊客で大賑い。受付行列。大部屋へ案内され、これ以上人が増えると1つの布団で2人寝て頂くことになると予告される。早速、お風呂に入って、G家持参のパイ・フォン・ツア(鳥の足先の塩ゆで)などで、ビールを開け宴会。話の弾むこと。夕ご飯もこの小屋は、豪華メニュー。メニューは次の通り、ホウレン草のオヒタシ鶏のシギ焼、赤魚の煮付、野菜サラダ、マッシュポテト、玉子焼、ショウガ、等。ごはん、みそ汁、デザート=アップルシャーベート。電灯も終日灯いており、食堂の順番待ちを除けば中々快適。夕食後、穂高方面から降りてきた老夫婦と歓談。北穂はものすごい風で、途中断念してきたとのこと。天気予報は20%の降雨予想だが曇→晴とTVで報じていた。期待を抱かせる。この大部屋で寝る人は、後から来た人を加えても全部で15~6名、1人1枚の布団でOK。ヤレヤレ。8時過ぎ就寝する。今夜は我がチームのイビキは平穏。反面、外の雨強し。雷の大音響も近くでした。

■7/18
~5:50~
横尾発、カッパ着用。ここからは道は狭い山路となり、クマザサが人の背丈程です。梓川の本流は昨日の雨で濁流。
~6:30~
川辺で休憩 6:40 一の俣橋 6:50 ニの俣橋
~7:15~
槍沢ロッジ着 段々水がきれいになってくる。川面に水煙が立ち、マイナスイオン一杯の道を登る。薄日も時折差してくる。気持ちも明るくなる。
~7:30~
槍沢ロッジ発  穏やかな林の中の登り、リスが眼の前を横切った。
~8:05~
ババ平テント場着。谷間の視界は広がる。雲は切れず、ここからは川沿いの道となる。8:30五郎沢、8:40乗越沢、この頃から風が強まり、谷沿いの低い木々が白い葉の裏をみせる程となる。ヒュ-と云う風の音も聞く様になる。100m程先で、風に吹き飛ばされたザックカバーが空高く舞い上がり、はるか遠くの川の中へと飛ばされていた。
~9:30~
天狗原の分岐、雪渓の中を歩いている人が遠くに見える。9:45槍見岩。この頃から日頃の不摂生のせいか、私の足は鉛の様に重くなる。郁ちゃんに貰ったプロポリス蜂蜜キャンディーの助けを借りる。リーダーに先頭を交代して貰う。雨も風も一段と強くなり、ゴーと吹いてくる。
~11:30~
標識、槍ヶ岳まであと1250m。ますます風が強く、87kgのG氏が一瞬、後へ飛ばされそうになり、後続のS氏の支えで踏みとどまる。瞬間風速は、30m以上だろう。雨も激しい。
~12:00~
殺生ヒュッテ着。昼食。冷いビールと暖かいうどんが両方共腹に秘みる。台風のように風が唸っているので、リーダーが外を見に出る。帰ってきたら、「すみません、皆でメガネを探してくれませんか。」なんと、小屋の角を回った瞬間、強風でメガネが、飛んでしまったそうです。外へ探しにゆくも、10m以上飛ばされ、下の斜面は広く、しかも割れたビンなどが散乱していて、残念ながら、不明。あまりの強風に今日はここでデポ、(私は心の中ではホッとしていた)泊りの受け付けをG奥様が済ませてくださり、部屋(棚)へ。荷物を置き、又もや宴会。こうなると元気回復。小屋の人によると北穂辺りで突風のため滑落者がでたが、昨日も転落した人が居てそちらの救助、捜索に人を出しているので、今日の分へは人が出せないとのこと。
今日の宴会は、鶏の焼いたもの(G君持参)たっぷり。とろべえ~(コンブ)、ビーフジャ-キー、山海豆など、豊富なつまみ。ホットウィスキー、ビール、ドリップコーヒーで、又盛りあがる。しかしながら、皆さんが私の体調を気遣ってくれ、G氏はクエン酸、レモンC錠剤などで回復を助けてくれる。明日、足手まといにならねば良いが……。
小屋のTVの天気予報は昨日と同じ。福井での大雨洪水がひどく鉄橋が流されていた。どうも梅雨前線がここら辺りで上下しているらしい。8時消灯。リーダーが仲々寝つかれないようでした。夜中の風雨の音止まらず、今日も又イビキの音、静か。

■7/19
朝、風は少し弱まるも、依然強く、雨もしっかり降っている。朝方、階段で「キャッ!ドドーン」と云う音と共に若い(キレイな……郁子さん談)お母さんが転落。見ると階段の下で顔から出血し動けないでいた。同宿のお医者様が緊急診断。鼻は切れているものの大事には至らない様ですが、暫く安静を要すとのこと。小屋の中でも遭難発生。

~5:05~
出発、登頂を断念して一路下山。「登頂より、下山後の楽しみに切り換えよう」という意見に全員賛成。雨は依然として降る。眼前の北東斜面に点々と残雪があり、晴れていたらさぞきれいだろうにと名残り惜しみ乍ら下山。沢山の人が同じ様に下山の途についていた。登山道は渋滞気味。
~5:50~
雪渓下部で休憩
~6:23~
天狗原分岐で休憩。中の沢、曲沢を経る頃、徐々に渋滞は解消。
~6:57~
休憩、乗越沢
~7:30~
ババ平。雨も上がってくる
~8:05~
槍沢ヒュッテ。  朝飯のおにぎり、モーニングコーヒー
~10:05~
横尾着。昨日の出発のときより人が増えている様な気がした。夏休みのせいか若者が比較的多い。50%くらい。ブルーベリーアイスクリームで一休み。
~10:40~
徳沢発。途中G氏が我然馬力を出して歩き始める。早足(5km/時のスピード)
~12:10~
明神着。雨が落ちてくる。ここからはクールダウンを兼ねてゆっくり歩く。樹間に池が点在、小川のせせらぎもやさしく流れ、緑濃き樹林に鳥の声が響く、小川にはイワナが泳ぐ姿がみえる。残りの道が終るのが惜しい。
~13:00~
上高地着。大変な雑踏、河童橋の上はラッシュの電車並み。おやきは売り切れ、レストランは大行列。タクシーで沢渡へ戻り、昼食(そば屋)をとって、平湯→朴の木平へ。「ひらゆの森」で入浴、7つの露天風呂がある大浴場。白濁した湯ですが、湯の花が一杯あって、これは入浴剤ではなく、本物らしい。後、朴の木平スキー場入り口のペンション(Gさんの旧友)で、岩魚の塩焼、飛騨牛、おばあちゃんの煮物、つけもの、酒は地海山、山車とすべて注文の品で、我慢云いたい放題の酒盛りで旅の終わりを締めくくった。

■P.S.
翌日は、明宝村の湯星館で入浴し、夏空に戻った天候の下、東海北陸道で大垣へ到着。リーダーの家に眼鏡を取りに戻り、大垣駅で解散。T、Gさん運転ありがとう。今回も楽しい旅でした。残念ながら、2年連続、槍ヶ岳へは登頂できませんでした。来年こそ体力をつけてリベンジをしたい。