遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
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栄光の名残

2013-07-30 00:36:45 | 雑感


原村の周回道路でもう一つ見つけたものがある。街路灯の飾りだ。昭和50年代だろうか、ペンションブームが沸き起こり、この原村は代表的なペンション村だった。

高度成長を背景として、旅行ブームが始まり、民宿、公営の宿、その後一寸バタ臭いた感じのペンションがブームとなった。サラリーマンから転職する人も大勢いたような気がする。
清潔なベッドと、西洋料理、それでいて家族的なもてなし、そこでテニスにでも興じれば完璧な中流ライフであった。

その時代に作ったものだろう。街路灯の飾りに八ヶ岳連峰が使ってある。南北アルプスかも知れない。ランプのかっちりとした造形になかなか良く合っている。いかにも信州人らしい真面目なデザインだ。こういう街路灯が点々と立っている様は全盛時の原村を彷彿とさせ楽しい。こんな所にもお金をかけるゆとりがあったのだろう。

古き良き時代のノスタルジーをかきたてられる。

原村の紫陽花

2013-07-29 17:09:55 | 行ってきました


原村の紫陽花

所要で隣村の原村に行った時のこと。道ばたに真っ白で大きな球体が乱立している。近寄ってみたら白いあじさいが今を盛りと花を咲かせていた。子供の頭ほどの大きさで折からの小雨の中、まっすぐに頭を立てている。

6月の雨に紫陽花はよく似合うが、ここらあたりでは七月も末になってあじさいが満開である。ペンション村の外側の歩道沿いに、手入れよく、延々と植えてある。御此花のお陰で、何やら付近一帯が文化的な香りがするようだ。

昔ペンション村として清里と並んで名を馳せた原村だがこういう地道な活動もコツコツとやっているんだ。と妙に感心しした。紫陽花と書くより白雨花と記したほうが似合いそうだ。少しだけ豊かな余韻を残してこの場を離れた。


酒好きの、酒好きによる、酒好きのためのエッセイ

2013-07-28 08:07:50 | 


杉浦日向子著「食・道・楽」新潮文庫、2006.7刊 「ごくらくちんみ」同、2004.9刊

あんまり面白いので、つい連続して読んだ。といっても合間には乃南アサ、や佐伯泰英も目に触れてはいるが、やはりこの洒落た文庫本が中心だった。
前者が食に関する総合論だとすれば後者は、酒のつまみに絞り込んだ専門書のようなものである。

食と言うか、むしろ酒にまつわる健康、酒器、作法などについてのエッセイである。なかなか洒落ている。お酒と本当に1体1で正対している。この著者には、わいわい皆で飲んで騒ぐための道具としての酒なんてとんでもないのだろう。
こうして見るとやはり食は文化ですね。

一方の「ちんみ」は酒飲みにとって美味しそうなものが続々と登場する。くさや、たたみいわし、とうふよう、さなぎ、またたび、がん漬け、ふきみそ、ふぐこぬかづけなど、まだまだ続く。本当に美味しそうなものばかりだ。これにはショートストーリーがついているが,雰囲気盛り上げにはもってこいだ。

日本酒だけでなく、ウイスキー、ブランデー、ウォッカなどが登場する。この人は単なる酔っぱらいではなく本当の酒好きだ。酒飲みは一度ページを開いてみてください。

ジブリの映像は素晴らしい

2013-07-27 12:37:53 | 雑感


宮崎駿の「風立ちぬ」を見てきた。
映像の素晴らしさはおそらく日本一、世界一かもしれない。自然描写、飛行機が空を飛ぶ様、東京大震災の映像は我々を惹きつけてやまない。

零戦の設計者堀越二郎と、夭折の作家堀辰雄を折衷した主人公を描いたというが、堀辰雄が奥さんとともに結核にかかり、富士見高原療養所で療養した。又零戦の設計者として名古屋の三菱重工に入社した、というくらいの知識しかなかった。
隣町の富士見高原と名古屋が舞台(勿論東京もあるが)とあり、何か因縁を感じる。

しかし宮崎駿は何を描きたかったのだろう。夫婦愛、技術者魂、反戦思想、それぞれ触れられてはいるんだけど、深みが少し足りないと思う。映像が素晴らしいだけに、そのへんのツッコミが少し物足りなく感じた。
ただ堀越二郎の技術者としての率直さ、理性的な行動様式は見事に描けている。

これはアニメではあるが、子供向きではない。それだけにもう少し突っ込んだ描写があってもよかったのではないか。

絶滅危惧種見参

2013-07-26 08:31:35 | 雑感


この地方のうなぎといえば岡谷である。数々の名店があると聞く。
所用で岡谷に行ったので、土用の丑を2日過ぎたが、この絶滅危惧種を味わってみた。

岡谷の人に聞いたら、近くに「御うな」と言う名店があると教えられ、そこに向かう。岡谷中心部から少しだけ外れたとこに立地。一筋入った路地横に駐車場付きのいかにも老舗という店舗があった。

最近稚魚が高騰し、うなぎの価格も上がったと聞いて、とんでもない高値か、貧相な蒲焼かどちらかを覚悟していたのだが、メニュウの値段はそこそこ、出てきたうなぎはふっくら肉厚で、サイズもしっかり。タレがすこ~し甘めではあるが、焼き加減といい、肝吸いの薄味といい、お漬物の塩味といい、さすが老舗である。とても美味しい。

こんなに美味いから皆が食べ、絶滅危惧種になってゆくに違いないと、しっかり味わいながら、すっかり満足して昼飯を終えた。今年はもうこれで、極力資源保護、財布保護のためたべないようにしよう。

連夜の宴

2013-07-23 17:32:46 | 雑感


昨夕に続いてこの日も旧ロータリー仲間との宴。こちらは私の会長時の副会長と幹事さん。この予定は3,4ヶ月前に決まっていたのだ。現役時代お世話になった方ばかりだ。時折顔合わせをするのだが、当時の幹事さんがこまめな人であちこちと気を配って、いいところを探してきて設営してくれる。今回は、候補に上がっていたお店に下見に行ったそうだが、あんまりお薦めでないことが分かったので、定評のある「こなす」になった。それにしても、こんなに準備に気を使ってくれ、恐縮である。ここは前の店の時から評判がよく、なかなか予約が取りにくいお店だった記憶がある。若者ではないので、量を追うより質を大事にしたい年齢になってきたので、そこを勘案してくれたメニューが揃い、今回もなかな美味しかった。

冷やした茶碗蒸し、枝豆、アワビの雲丹和え、生ダコの炙り、鱧しゃぶ、鮎うどん、と夏にふさわしく、いにも優しい品々だ。あんまり美味しかったので、写真を撮り忘れてしまった。

また畏友とも言うべき副会長ご夫妻のお酒の薦め上手には、毎回感心し、このごろは飲み過ぎないように警戒気味ではある。お二人ともお酒が強いので、つい乗ってしまう。幹事さんの奥さんは、もっぱらビールであるが、このごろはお付き合いの緊張が取れ、ずいぶん楽しいお酒になってきて、私達まで緊張がとれてきた。昨日ちょっぴり反省したのが、いつの間にか忘れられている。
楽しい時は流れ、昔に戻ってついつい2次会にまで繰り出した。今夜もいい気持ちで帰宅した。

お酒はこういうふうに、硬さや緊張を除き、人間関係をスムーズにする良さがある。自らを開放するだけでなく、周り全部を開放する働きがある。(と自己弁護してみる)

楽しい宴

2013-07-22 17:27:32 | 雑感



先日ロータリークラブ時代の友人から電話をもらい、久しぶりに仲間が集まるので刈谷に来る日を教えろ、と言う話である。

クラブメンバーだった頃、ごく親しくして頂き、国内のバス旅行や、スペイン・ポルトガルなどにも、夫婦単位で参加した仲間である。一も二もなく山を降りる日の日程を伝え、夕方からの宴となった。

会場も時々行っていたフレンチレストランで、ワインをきちんとオーナーシェフが選んでくれる所だ。定刻ギリギリに到着したが、会の中心であるワイン好きの大先輩の顔が見えなかった。そこはロータリークラブのメンバーのこと、定刻きっかりに大先輩ご夫妻が到着、5家族10名が揃い、楽しく始まった。

会話も、料理も、ワインも皆弾んだが、肝心の大先輩のペースが遅い。何故かいつもの威勢の良さが感じられない。皆が心配していたら、先輩自ら、この処体調がすぐれないのだ。と寂しいことをおっしゃるので驚いた。

私より10歳も年上で、ワインの量も倍量は飲まれ、ドライバーもはるかに飛ばす方なのだが、はっと気がついてみれば、もう80歳である。どこかこっかに悪いところが出ないほうがおかしいくらいの年齢ではある。目の前の元気の良さについ惑わされているのだが、冷静に数えてみれば、もう私達はそんな年代に入って来たのだ。いつまでも飲んだくれていていいのだろうか。ちょっぴり反省。大部分ほろ酔い。

しかし、宴は楽しく続き、ワインもそれなりに進んだ。久しぶりの顔合わせに、とってもいい気持ちになった。いい仲間といい酒が飲めた。感謝。

夜半の雨

2013-07-18 15:08:37 | 雑感


このところ、快晴とはいえないまでも、まずまずの天気が続く。確かに梅雨明けだ。
ところがどうも、夜に雨が落ちてくるらしい。朝デッキの上の水を見ると、かなりの量降っているらしい。

農作物や、水道水に必要な雨量は確保でき、その上日中の行事に差し支えないというのならこれに越したことはない。軽井沢に比べ蓼科は湿度が低く乾燥しているといわれる。しかし山沿いでは、湿気はなくとも、朝晩雨がふることは珍しくない。だいたい気温自体が高くないが、日陰に入ると日中でもひんやりする。夏日(30℃)、猛暑日(35℃)などと、暑さにふうふう言っている名古屋の人には申し訳ないが、夏のこの季節が、陽も長くこちらでは最も過ごしやすい。夜、雨に降られるとまた一段と涼しくなる。毛布か肌掛けが必要な涼しさだ。

そういえば昨日は、夜、屋根を叩く雨粒の音が妙に耳に残った。雨はなにか気分を落ち着かせる作用があるが、急に強くなる雨音は嵐の到来を感じさせ、少し不気味である。

盛夏

2013-07-17 13:39:22 | 雑感


蓼科も少し暑くなってきた。といっても30℃そこそこなので、これで暑いと言っていたら名古屋の人には怒られてしまう。

24節気では、今は小暑。梅雨明けで本格的に夏に向かう頃。
暑中見舞いのハガキを出す候、土用鰻の売り出しが盛んになり、いよいよ夏本番だと認識する暦の季節です。

6月くらいからうるさく鳴いていた蝉の声が気にならなくなった。慣れなのか、陽の光が強くなったせいか。その気になって聴いてみれば、やはりジージーと喧しい。

エネルギーに満ち満ちているこの季節は若者のものなんだろうか。

楽しい演奏会

2013-07-13 08:32:45 | 行ってきました


関西フィルハーモニー管弦楽団演奏、アレクサンドル・アニシモフ指揮、佐村河内守作曲「交響曲第一番、HIROSHIMA」を聴きに灼熱の名古屋に戻った。
以前に偶然NHKの番組で取り上げられた「現代のベートーベン」で、聴力を失った作曲家が、東北大震災の孤児にレクイエムを作る過程を放送していた。

その生き方に感銘を受け、すぐCDを探したが、まだ発売されていず、代わりにHIROSHIMAを買ってきて、聴いてみた。重い、暗い音楽だった。そんなある日友人が思いがけず電話をくれ、「名古屋で演奏会があるが行くか?」と誘ってくれた。
猛暑日が続く11日名古屋に戻って、県芸コンサートホールへ。会場はほぼ満席。開演前に観客が一段とざわついた。3階席から下を見下ろすと、作曲者の佐村河内守本人が2階席最前列に着席するところだった。

演奏は低く、小さなティンパニーの連打で始まった。アニシモフの指揮は軽快で解りやすく、打楽器、管楽器が普通の交響楽団より多いと思われる編成の音色は、クラッシカルな交響曲と違い、奔放に音色を響かせる。打楽器は力強く響き、金管楽器は希望の音色を奏でる。勿論弦は自在に指揮棒に従って音を響かせる。CDを聞いた時よりは、はるかに力強く、希望の音色に満ちた演奏であった。この曲をまとめあげるのは指揮に大変な力量が要るのではないかと想像しながら、久しぶりの演奏会を楽しんだ。

演奏終了後スタンディングオベーションで応えた聴衆と、舞台に上がって目礼をする佐村河内氏に惜しみない拍手が注がれた。何度も何度も舞台から目礼をする指揮者と作曲者本人に気の毒だと思いながら、演奏の余韻に浸った聴衆は拍手を送り続けた。
久しぶりに充実した演奏に軽く興奮し、演奏後のお酒も美味しかった。

今までにない楽しい演奏会であった。