遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
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癖になる味

2017-10-31 11:27:48 | グルメ


昔から好きだった。刈谷駅近くの中華料理店の餃子だが、ここの店は餃子だけ美味しくて他の料理ははさほどでもない。小ぶりの餃子が春雨を真ん中にでてきて、にんにくの香りとともにジワーっと旨味が広がってくる。何か麻薬でも入っているのかと思うほど、癖になる味であった。

ところが区画整理か駅前再開発か知らないが、この店が立ち退いてしまい刈谷では食べられなくなってしまった。所用で久しぶりに名古屋にでたので栄にある本店を訪れた。夜遅めではあったが、煌々と電燈は灯り、大衆食堂の面目躍如だ。

早速ハイボールと餃子のセットを注文する。でてきた、出てきた。3年以上もお預けを食らってた幻の餃子だ。皿の中央の春雨を取り囲む小ぶりのやつ、口に入れるとあの懐かしい味がじわ~っと出て来る。これこれ、やっぱり癖になる味だ。思わず追加注文してお腹一杯になってしまった。

他の料理には目もくれなかったけど、懐かしい味に浸り、満足して店を後にした。

「逆境」の傑作

2017-10-30 11:20:14 | 


湊かなえ「境遇」双葉文庫2011年刊

台風の接近が相次ぎ、天候不順に見舞われているので、家に閉じこもることが多く必然的に読書時間が増える。好きな作家湊かなえの一冊である。

お互いに孤児院出身の女性:県会議員の妻で絵本作家と女性記者を中心に展開する。ストーリー展開より日常生活描写の中に推理小説の種を探し出すことに才能を発揮していた著者が、本作品ではストーリー展開がかなりクッキリしている。

二人の女性がかなり親しくなり、家族以上に理解し合う。そんな中で突然発生する子供の誘拐事件。夫の政界の不始末事件をネタに強請られているのか、出生の秘密を暴こうとしているのか・・・。

興味津々である。帯に書いてあるように「一気読み必至のノンストップミステリー」だ。逆境に育った二人の女性を描いた傑作だ。

「ナンバー」アゲイン

2017-10-28 09:15:52 | 


相場英雄「ナンバー」双葉文庫2012年刊

この本は最近読んだはずだが、どうだったか確認のためページを繰っていたらついつい面白くてまた読んでしまった。
この著者は社会的な背景と事件を無理なくリンクさせ、単なる謎解きではない筆致が好きな作家であるが、今回はもう少し一般的な事案を扱う。

まるで捜査日記のような警察の内部事情=縄張り争い、捜査保秘義務などを描いている。ナンバーとは警視庁捜査2課(知能犯:詐欺、汚職など担当)の各係の数字を指している。他係との駆け引き、係内でのやり取りなどが複雑に捜査に絡んでくる。

そのどんでん返しが、現実にはありえないけど「いかにも」と思わせる。リアルな筆致が十分楽しませてくれる。派手な事件物ではないが、それだけに現実味を感じさせる1冊であった。

認知症検査

2017-10-26 18:23:46 | 雑感

公園の午後 遊ぶ子供たち

間もなく免許証の更新時期が到来する。視力が衰えてきたのが気がかりである。もう一つの心配は認知症が進んできているのではないか、という恐怖である。75歳以上の更新者には認知症の検査が義務付けられているので、先日受けてきた。

詳しいことは検査の内容になるので控えるが、現状認識、記憶力、図形表示の3点である。現状認識はなんでもないことだが、うっかりしていると嵌りそうになる。問題は記憶力。図形(品物)を記憶するのだが、記憶と再現の間に簡単な作業が入る。たちまち記憶が飛ぶ。16図形の内10~11しか覚えきれなかった。

関連のヒントを参照して15個思い出したが、あと一つはどうしても思い出せなかった。記憶力の衰えは顕著である。私より見たところ年上の人に混じってテストを受ける。テストは何時でも憂鬱である。見るからに老いぼれている人もいる。いずれ私もああなるのかと思うと暗澹たる気分になる。

テストは小一時間で終わった。結果は1週間位で通知されるそうだ。多分合格だとは思うが、終わってホッとしたというのが正直な感想である。次は高齢者講習だ。

一流の証

2017-10-25 10:16:08 | 


湊かなえ「望郷」文春文庫2013年刊

6篇の短編集。白綱島(実在する因島を題材としている)に生きる様々の人々をテーマに、みかん農家の姉妹、父が行方不明になった母・息子、都会を夢見るも平凡な主婦に収まる女生徒、島から出た若手歌手の帰還、島に戻り小学校で交流をする二人の女生徒、親子2代の教師など、それほど特殊ではない人たちの日常を描きながら、そこにあるちょっとした謎、あるいは成り行きの原因を解き明かす。

この著者の日常生活の描写力、その中での人物の心理の動き、などはなんでもないように見えるが恐ろしく無駄がない。これはプロと言うほかはない。一流の才能を持っているのだろう。この作品、正確には収納されている「海の星」は日本推理作家協会賞を受賞しているが、業界のプロの目から見ても十分評価に値するものなのだと納得してしまう。

面白い一冊だった。

落花繚乱

2017-10-24 13:35:41 | 雑感


台風が通り過ぎたあと我が家の猫の額ほどの裏庭を見たら、一面の黄金色。百花繚乱、ならぬ落花繚乱とばかりに金木犀の小さな花が一面に散っていた。この花はなぜか夜強く匂うように思う。元々香りが強い花であるが、秋の夜長にふんわりと言うか強烈というか、存在感を主張してくる。

台風とタイミングがピッタリあったのか、一夜にしてほとんど散ってしまった。手元に資料本がないので、24節気や72候を調べられないが、こんなに季節がはっきりしているのならきっと記載があるだろうと思う。

それでなくても秋の過ぎるのを早く感じるのに、拍車をかけるかのごとき落花である。

台風一過

2017-10-23 11:14:06 | 雑感


昨日の夜半、Jアラートが何度も鳴り、この地域にも避難勧告が発せられた。午前3時のTVは選挙情勢と台風情報とが錯綜していた。雨が時折ザーット降りしきり、風も徐々に強くなってきたように思う。

台風も峠を超え、選挙報道も大勢が決したところで寝床に入った。夜が明けてみれば、風は時折強く吹くものの、雨はすっかり上がり、久しぶりの青空である。道路の水たまりと落ち葉が台風の名残を感じさせるが、この近辺では大きな被害もなく無事でよかった。

スッキリと晴れ上がった青空には雲が走り、爽やかな秋の風が吹き渡っている。選挙の結果は与党の大勝。安保法案、共謀罪、森・加計問題での独断的な運営を国民は忘れてしまったのだろうか。もう少し与野党拮抗するくらいにならないと緊張感もないし、言葉の上だけの反省で終わってしまいそうである。

これからの日本が少し心配である。

台風襲来

2017-10-22 15:12:18 | 雑感

デッキには大粒の雨が

台風21号が本州をうかがっている。フィリピンの北東海上ですっかりエネルギーを蓄えた台風は、中心部の気圧を下げ、かなり大型に成長して、雨と風を激しくしている。この先日本列島方面へと向かっているようで、明日23日が山となりそうな形勢だ。

今のところ(午後3時現在)風はでていないが、雨は時折激しくなったりする。デッキを見ると激しく雨粒が叩きつけられている。これから帰る東海地方は明け方までに600mmもの雨量が予想されるという。60年以上も前の13号台風の進路とにているので、大きな被害が出ねばよいがと案じている。

このところ全般に気候が荒れ模様で、寒暖差が大きくなったり、台風が頻発したりの異常気候が多発している。これも地球温暖化の影響なのだろうか。

今日は衆議院議員選挙の投票日、この台風の中投票へ行くのかって?もう期日前投票は済ませてあります。

台風前日

2017-10-20 17:00:06 | 

時折雨がぱらつく中央道

低い所に雲がかかる

重なる雲にも薄いところが見える

用事が一段落したので、僅かな合間を縫って久しぶりに山へと向かった。しかし、台風21号が近づいているとの情報がある。フィリピンの東を本州に向け、大型に発達したまま、北上している。この週末、2年前になくなった友人を偲んで、仲間内で彼の故郷の滋賀で追悼トレッキングをする予定だったが、これも接近する台風のお陰で中止と相成った。

それはさておき、恵那山トンネルを越えると、雨がパラついてきた。10日前まではまだまだ緑が盛んだった両側の林も、今はところどころに黄色や一部赤く色づいた木々が混じってきた。目の前の低山には雲かガスかが懸かっている。これも台風近しのサインだろうか。

空には厚い雲がどんよりと重なっているが、よく見ると流れは早い。車を走らせると諏訪近くになって、一部明るくなってきた。晴れた日とは違った雲の様々な表情を楽しみながら台風前日のドライブを楽しんだ。

文字の交響曲

2017-10-19 12:35:58 | 


恩田 陸「蜜蜂と遠雷」幻冬舎 2016年刊

このところ天候不順である。家の中にいることが多くなり読書時間が大幅に増えた。そんなわけでもないが、かねて読みたいと興味を寄せていた本を買ってきて広げてみた。

面白い。思わず一気に読んだ。ピアノコンクールを舞台に、応募者がそれぞれ、音楽に向き合い、取り組む姿勢、葛藤、外部の評価と自己主張が対峙する。逡巡、自己卑下、克服、成長など様々な要素をはらみながら、一次、二次、三次予選、そして本選へと駆け上がってゆくコンテスタント(コンクール参加者)、敗退する者などを描く。

審査員、支援者などの外部の目も借りながら、演奏者内部の心理に踏み込みつつ、演奏の様子を繰り返し、繰り返し、それぞれの段階で、4人の主な登場人物を表現する。4者4様に、それぞれの段階に合わせて演奏状況を描写するのは至難の技だと思われる。

著名な国際コンクールとあって、応募者は音大の学生だけでなく、既に実績のある著名人、天才肌の弟子、ジュリアード音楽院の学生なども含まれる。それらの人物が演奏するさまを描写するのは、まるで交響曲が一つのテーマを繰り返し少しずつ変えながら次のテーマへと誘うのに似ている。まるで文字の交響曲を奏でているようだ。

音楽を文字で表すことに果敢に挑戦しているかのような本作品は、さすがに直木賞、本屋大賞のW受賞作だけのことはある。お薦めの1冊である。