遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
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妹逝く

2019-06-30 10:34:50 | 家族



4歳年下の妹が先日亡くなった。最後に見舞いに行ったとき、まだ元気だったが「末っ子は皆を送ってからなので、寂しくてつまらない」と言っていたのだが、さっさと逝ってしまった。

教員一筋40年、主流の大学出身ではないのに、外国人家庭、鍵っ子、モンスターピアレンツ、などの問題に正面から取り組み、学閥の強い職場で教頭まで勤め上げた。教育界とは変なところで、待遇は一般教員とほとんど同じで、雑務や クレームを一手に引き受け、校長の盾になる役割らしい。

それでも無事勤め上げ、定年後は娘の家に入り浸り、「娘がいて私は幸せだと常々漏らしていた。孫の教育や地域の人達とも交流を広げていたようである。病を得てからも知人友人が遠くから見舞いに訪れ、旧交を温め直していた。電話で長々と嬉しそうに報告してきたのを思い出す。

妹はそれなりに力一杯生きた、いい人生だったと思う。本人の固い意志で限られた親族による家族葬が執り行われたが(私は初めて家族葬なるものを経験した)大勢の人の参列する葬儀とは別に、ほっこりとした温かい感じの葬儀となった。

これで、6人いた兄弟、姉妹が長女と二人になってしまった。さみしいかぎりである。

  梅雨寒や花に埋もれて逝く妹

幽冥の境

2019-06-28 11:12:00 | 雑感
手術後、不思議な体験をしたので皆さんにお知らせしておきたい。

「ブッ、ブツ」と遠くで人の声が聞こえる。視野いっぱいに極彩色の映像が広がり、それが次々とはるか先の三角錐に吸収されてゆく。時間にして1シーン0.1~2秒くらいか。様々な思い出の場面がでてくる。時間にして全部で数秒或いは十数秒くらいか、長いトンネルを進んでいく。それを抜けたところで、先程の声が「よく頑張った」とはっきりしてくる。

意識がはっきりしてくると、周りの人々が、「よく頑張ったなあ」と口々に声をかけてくれるのがわかる。「ああ、またこの世界に戻ってきたのだ」と一安心する。先程見た映像は一体何だったのだろうか。数秒くらいで一生の振り返りができたようで、妙にニュートラルな気持ちになった。あれは夢ではないし、幻覚でもない。

先程のトンネルが幽冥の境だったのだろうか。とにかく不思議な体験をして、再び麻酔の力で眠りにつき、集中治療室に戻った。

紅けむり

2019-06-24 11:44:44 | 

山本一力「紅けむり」双葉文庫 2014年刊

伊万里焼の産地、佐賀鍋島藩をめぐる騒動。江戸の伊万里焼取扱商人、薪炭問屋、やくざ者、公儀隠密が絡み、不穏な情勢となる。

元はといえば、東インド会社の衰退で、伊万里焼の取扱が縮小したことから、大きな取引先を失った伊万里焼の窯元、販売先が新しい販路を求めて動き出すのが発端だが、佐賀藩の存亡を掛けるその行方に色々動き出す輩がいる。

この騒ぎに乗じて、b級品の販売に手を出したり、有ろう事か禁制の黒色火薬の輸送に手を伸ばす犯罪者集団も登場する。

薪炭屋の若主人は腹を決め、公儀隠密と手を組みこの一味と戦うことを決意する。このあたりの描写は手慣れたものである。やくざ者と公儀隠密ではもとより勝負にならない。無事一味は摘発されることになるが、判官びいきというかどこかに、公儀にも失敗せぬかと願う気持ちがでてくるのは、天の邪鬼な私の性格だろう。

しかし、特産品としての伊万里焼の比重の大きさは、莫大なもので、豊田市のトヨタに匹敵する影響力ではないか。

まあ小説としては無難な一冊というべき。入院中はこれに限らず本はたくさん読めた。時間があるから当たり前だが、本も気力がないと読み進められない。 

最近の運動会事情

2019-06-22 10:51:39 | 雑感


騎馬戦

大玉送り

もうだいぶ前のことになるが、子供の案内で孫の運動会へ行ってきた。競技場を囲んでシートが敷かれ、声を張り上げ我が子、孫を応援する姿は変わらないが、一昔前のようにビデオカメラの放列は流石になかった。子供が私のことを慮って、携帯用の折りたたみ椅子を用意してくれたので、大いにリラックスして観戦できた。

応援する方にも余裕が少し出てきたのだろうか。運動会の進行、運営に子どもたちが役割を持って参加するというのが最近の傾向なのだろうか。選手の誘導、用具の準備、競技の進行、アナウンス、等いたるところに子どもたちが参加している。

先生や職員が汗を拭きながら準備に奔走している姿がグッと減ったのはとてもいいことだと思う。競技の内容も徒競走、騎馬戦、リレー、綱引きならぬ棒押しなど、昔からのプログラムが並び、それなりに盛り上がっていた。女の子を乗せた騎馬が少し遅めに出発し、戦いの斜め後ろから参戦して帽子を奪うという頭脳プレーには感心した。戦いは正面からだけでなく、 こういうやり方もあるんだと子どもたちは感じただろうか。

こうして、単なる駆けっこから、体も頭も使う運動会に変身しつつあるイベントはなかなかの面白い行事だと実感した次第。父兄の負担をへらすため運動会も半日に短縮する学校がちらほら出てきたと聞く。なにか絶好の教育の機会を放棄しているようでもったいないようにも思える。

思い切り後期高齢者

2019-06-19 10:56:03 | 


内館牧子「すぐ死ぬのだから」講談社 2018年刊

義姉から回ってきた本だが、実に痛快なフィクションであった。横綱審議委員として時折TVに登場してはいたが、あんまり印象に残るコメントは残していなかったように思うが、フィクションでもあり、思い切り言いたいことをぶつけている。

外形の若さに生きがいを見出す主人公、大人しい商売一途の夫にも恵まれ、子どもたちにもそれなりに恵まれ幸せな余生を送る。
順風満帆と思われた終末が、急逝した夫の死後急転する。

傍若無人な長男の嫁に腹を立てていたのだが、石部金吉のような夫になんと隠し女がいたということだ。そこから葛藤は始まる。実の子供とのやり取り、浮気先の子供との奇妙な関係、年相応に大人しくという発想はなく、自分の生き方「外形の若さに磨きをかける」を基本に生き抜く。

ドロドロベタベタした生き方を捨て、自分の生き方を徹底するんは見事であり、痛快である。見事に後期高齢者へのエールを送っている。梅雨空を吹き飛ばす痛快なフィクションであった。お薦めである。


帰還

2019-06-17 14:03:16 | 雑感


長い間お休みをいたしました。 無事帰還しました。というほど大げさではないが、今は二人に一人がかかるというがんに見舞われ、結構大きな手術を受け、無事退院してきました。


体力は気力に通じるとは実感したことで、退院後しばらくは体力が伴わず、したがって気力も湧いてこず、新聞、雑誌、TVを見るのも億劫でした。まだ完全ではありませんが、おいおい体力が整い次第ブログを再開したいと思っています。

取り急ぎご報告まで。