遅いことは猫でもやる

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ほんのさわりだけど

2014-04-21 14:12:49 | 行ってきました
 ドゥルック航空
 パロ空港メインゲート
 空港の建物はすべてブータン仕様

「幸福の国」といわれるブータンを訪ねてきました。五泊七日でその内1泊がインドという駆け足のツアーでした。
小さい国といえども、東部の方は全く手付かずで、首都ティンプーとパロのツェチュ祭を見てきただけですが、やはり長い間鎖国をしていたこの国は他のところとは少し雰囲気が違い、異郷を旅してきたという感じは受けました。ほんのさわりだけの旅でしたが、受けたものは大きかったと思います。

このツアーはインドのデリー経由で入ったのですが、飛行機のつなぎが悪く、初日は成田-デリーは9時間半、デリーについたのは24時過ぎという長丁場でした。デリーで一泊して翌日午後便でブータンパロ空港に着くという不便さでしたが、山間の空港に着陸した瞬間、同乗の欧米旅行者から拍手が起きたほどでした。ブータンの旅行者はキューバと同じく、韓国、中国の人は少なく、欧米の人、日本人がほとんどでした。 
空港の建物はすべてブータン仕様、遠くの山沿いには民家がポツポツと点在する田舎です。滑走路が一本あるだけのひなびた空港で、2011年に来日した若き国王夫妻の大きな写真看板に出迎えられ、第一歩を踏み出しました。

 国王夫妻の写真
 入国手続き

入国手続きもフレンドリーで、その場の写真撮影もOKだというのには驚いた。
この国の人は皆親切で暖かい。熱心な仏教国で、信心深い。ガイドさん以下骨惜しみがなくよく働く。祭りの見物席でも、会場に向かう道すがらでも、数珠を携えお経を唱えているお年寄りに何人も出逢った。国王の住まい(俗には宮殿というのだろうが)も驚くほど質素で、其の行動も率直である。欧米の王家とはまるで違う。国民全体が質素な暮らしをしているが、それほどの貧しさを感じさせないのは、貧富の差があまりないからだろうか。

 谷間に点在する村落(これはティンプーで密集しているほう)
 山の中腹に建立中の巨大佛像

色々な寺院には多くの人が争うようにして、喜捨(お布施)をしたり、五体投地やお祈りをするが、坊さんも請求がましいことは一切なく、淡々と色々な施しをしている。食事もどちらかと言えば質素で(決してまずいものではないが)、殆どの人が民族衣装である「ゴ」(男性用)か「キラ」(女性用)を着用している。若い女性は、アクセサリーをつけたり、ヒールの靴を履いたり、おしゃれを楽しんでいたが、伝統柄は縞で、色鮮やかなものが多い。我々も試しに着てみたがなかなか快適であった。帯一本で止めてあるところなど和服に似ている。
 メモリアル・チョルテン
 西面に安置してある佛像
 大きなマニ車

この国は全体の雰囲気は昭和初期、或いは明治の日本と似ている。民主共和制の形をとっているが実質まだ立憲君主制だし(歴代国王が先取的に民主化を進めている)、宗教の力が強い。ついこの間まで鎖国政策を取り、教育水準も高い。無口ではにかみ屋の人が多い。日本と違うのは、色使いが極彩色で、赤、青、黄色、緑、オレンジ、金色ととにかく派手な色使いが多い。民族衣装や家の軒、窓枠などにこれらの色をふんだんに使う。

この国には資本主義的な競争社会とは一線を画した、穏やかな国情を感じた。近年自然保護にも力を入れ始めたという。懐かしい、故郷のような、包容力を感じた。性急に資本主義化を急がず、この民族性を大事に保持したいものだ。(つづく)

 ダルシン(お経を書いた旗を木の棒で立てる)
 ゾン(中央官庁と寺院、国王の執務室)
 ゾン内部
 ゾンの入り口、国旗を守護する警官
 民族衣装の「ゴ」
 中央右の森のなかの建物が国王の住まい 左は国会議事堂