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江戸のグルメ

2014-04-27 06:01:01 | 


宇江佐真理著「卵のふわふわ」講談社文庫 2007年刊

八丁堀食い物草子・江戸前でもなし、と副題が付いているように、舞台は江戸、北町奉行所臨時廻り同心の組屋敷の中の物語。
息子夫婦が主人公だが、其の父椙田忠右衛門が喰い道楽で心優しい洒脱な人柄.周りを幇間がうろつき、賑やかす。

この男、屋敷を貸間に出している店子だが、なかなかうまく父・息子、嫁のぶ・実家の間をうまく取り持つ。
江戸の下級武士の生活はかくありなん、と思わせる筆運びで、そこに夫婦の機微を滑りこませる。味付けはなんといっても表題にもあるように,要所に出てくる食べ物の描写。
あっと驚く贅沢品や美味材料はでてこないが、下町の美味しいものがちょくちょくと出てくる。いかにも江戸である。

そういえばこの本は「おいしいです」と言って、次男の嫁が貸してくれたものだ。勿論東京住まいのグルメの女性である。

なんだか「ホッ」とする本であった。