自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★「のと里山海道」復旧道半ば 「まれぞら」流れる日を待つ

2024年06月08日 | ⇒ドキュメント回廊

  金沢と能登を結ぶ自動車専用道路「のと里山海道」(90㌔)は元日の震災から徐々に復旧してきたものの、現在も一部区間(徳田大津IC-のと里山空港IC、33㌔)は奥能登方面への片側通行となっている。復旧工事を行っている国土交通省は7月末までにおおむね全区間で対面通行ができるようになると見通しを発表している(4月23日付)。「おおむね」の表現は、穴水町の能登大橋付近では路面が一部崩落しており、7月以降も当面の間は工事用信号で行き交う片側交互通行が続くとの見通しのようだ。

  おおむねであっても全区間で対面通行が可能になれば、がれき撤去などの復旧工事車両の移動時間も削減されて、復旧・復興が進むだろう。実際にのと里山海道を走行すると、進捗状況は道半ばではないかと思いをめぐらせてしまう。

  もちろん国の直轄事業だけあって、着実に復旧工事が進んでいると実感するポイントもある。道路は盛り土の部分が崩れているが、復旧工事では何ヵ所かを鉄橋にする作業が進められている=写真・上、6月6日撮影=。一方でまったく手つかずの状態の現場も散見する。道路のアスファルトに大きなひび割れが入り陥没している。崩落した道路を走行した乗用車が転落した現場はいまもそのままの状態だ=写真・中、同=。転落した車の現場は、のと里山海道の「被災のシンボル」のようにも見える。

  道路を走ると、2015年にNHKで放送された、能登半島が舞台の連続テレビ小説「まれ」の主題歌「希空~まれぞら~」のメロディが道路で流れる場所がある=写真・下、同=。ここも道路のひび割れなどで継ぎはぎとなり、部分的にしか聴こえない。本来ならば時速70㌔の速度で1分間ほど楽しめる「おとのみち」なのだが、現在は時速40㌔に制限されているため、どろんとしたテンポだ。

  歌詞を思い出す。「風が強く冷たいほど教えてくれる 出会うべき人のことを どうか希望の地図をそっと開いてみてね あたたかい未来たちが僕らを待っているよ」。被災した能登の人々を勇気づけてくれる歌詞のようにも感じる。この「希空~まれぞら~」の道を復興してほしいと願う。

⇒8日(土)午前・金沢の天気   はれ時々くもり


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