能登は半島の地形で、元日の地震で自動車専用道路「のと里山海道」や国道249号などが寸断されたことで交通インフラが一時マヒ状態となった。のと里山海道は一部を除いて、対面通行が今月17日からようやく可能になる。249号は大規模な土砂崩れでまだ2ヵ所で通行不能の状態にある。こうした道路の復旧の遅れが能登の復旧・復興の遅れの原因の一つと指摘されている。これ以上の遅れは許されないだろう。問題は2万2千棟におよぶ全半壊住宅の公費解体が本格化し、木くずなどの大量の災害ごみをどう運搬するのか。
陸路が脆弱ならば海路で。公費解体を迅速に進めるため、石川県は災害廃棄物の海上輸送をきょう10日から始める。その積み出し拠点の一つ、能登町の宇出津新港をきのう見に行った。岸壁の近くの広場には公費解体で発生した木くずが山と積まれていた。そして、クレーンを搭載した運搬船が接岸していた。地元メディア各社の報道によると、船は1千㌧クラスで、2千立方㍍の木くずを搭載できる。ほぼ25棟分に相当する。陸上輸送に換算すると、連結トレーラーの33台分に相当するという。今月下旬からは珠洲市の飯田港でも積み出しを始める。(※能登町宇出津新港に運ばれた木くずと新潟県へ輸送する運搬船=7月9日撮影)
木くずは新潟県糸魚川市の姫川港で下ろされ、中間処理施設で破砕された後、セメント製造施設で燃料として使用されるようだ。
報道によると、県は地震で発生した災害ごみを244万㌧と推計していて、このうち38万㌧の木くずを海上輸送で28万㌧、陸上輸送で10万㌧に分けて県外に運ぶ計画を進めている。木くずのほか、金属くずやコンクリート片など120万㌧については、県内で製鋼原料や家電部品、復興の建設資材に再利用する。また、可燃物13万㌧、不燃物73万㌧は県南部の処理場へ搬入する。県は2026年3月までの処理完了を目標としている。
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