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空をみながら

 地球規模、宇宙規模で考える。死角のない視野の獲得。憲法9条を守ろう。平和のための最高の武器だと思う。

空をみながら(45)

2007年11月17日 18時11分03秒 | 思考試行
 今日は終日、泰吉は、離れの、片付けに精を出した。母屋をゆくゆく弟妹に相続させて、その際には泰吉夫婦は住みなれた母屋を引き払い、父が所有していた古い小さい家に引き移ることにして、次男を通じて他の弟妹にも話し、それぞれ了解したのであった。
 長年、両親と暮らし、父がなくなって、相続に関して、そのようにすることにしたのであったが、何か一言が欲しいと思ったけれども、弟妹がどのように、考えているのかどうかは不明で、ただ、単に了解した、というのでは、少し寂しい感じがしたのは否めない事実であった。
 両親との同居、物心両面の援助、それなりの介護等、古い家なので、さまざまに手をいれ、経費もかけて維持してきたのであったが、そのことに関しても何らの言及もない。
 泰吉の母は、長男夫婦に援助してもらうことについて、もともと抵抗感がまったくなく、むしろ、泰吉夫婦は、利用する存在として、考えている風があって、朋子は、近所に住む、泰吉の伯母の前で、自分たちがまったく評価されず、むしろ、他の弟妹のことばかり良くいうので、まるで、自分たちが気の利かない、なんだか女中さんのようだと嘆いたことがあった。
 しかし、子供がない泰吉夫婦の決断としては、彼らの考えがどうであろうと、正しいと考えている。
 古いけれども、広さは充分すぎるほどある家なので、モノがたまってしまった。いつかは、手をつけなければと考えていたが、このままでは、引っ越すこともままならないので、思い切って着手したものである。
 必要のない書類が、たくさん出てくる。それぞれ、その頃は必要であったものもあるが、こうして見ると、あまり活用できないまま、今となっては、陳腐化したものが多い。時間が経ったのだ。