ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国の文学館 ④江原道編(下)

2015-08-21 15:55:20 | 韓国の文学館(全)
 韓国の文学館 ③江原道編(中)の続きです。

 これでようやく江原道編が完了。
 このように作家の経歴や作品まで一応見たりしていると、韓国の近現代文学についていろんなことがわかってきます。またそれぞれの作家がどのように日本で紹介されてきたか(orされてこなかったか)ということも・・・。手間はかかりますが、個人的には勉強になります。

 これで約100館ある全体の5分の1。まとめれば1冊の本になりそうですが、いつまでかかることやら・・・。

※基本的なデータは韓国文学館協会の公式サイト(http://www.munhakwan.com/)です。
※各欄の背景の色がピンクのものは韓国文学館協会所属の施設、緑色のものは所属していない施設です。
※紹介した作品は日本で刊行されているものです。(絶版書を含む。)

«江原道(下)»
18李海仁(イ・ヘイン)詩文学館と金亨錫(キム・ヒョンソク) 安秉(アン・ビョンウク)哲学の家
이해인 시문학관과 김형석 안병욱 철학의집
○住 所 :255-803 江原道楊口郡楊口邑破虜湖路869番キル101
       (255-803 강원도 양구군 양구읍 파로호로 869번길 101)
○電 話 :033-482-9800
○開館年 :2012年
○観覧時間:9:00~18:00
○休館日 :月曜
○施設概要:3人の詩人・哲学者に関する展示や特別展示の他、金亨錫教授の講演会等を催している。
○作 家①:李海仁(イ・ヘイン)=1945~。修道女・詩人。楊口郡生まれ。1964年慶尚北道金泉市の聖義女子高校を卒業後オリベターノ聖ベネディック修道女会に入会。1968年修道者として生きることを誓願した後、韓国天主教中央協議会で働く等、カトリック関係の仕事に従事してきた。1976年最初の詩集「たんぽぽの領土(민들레의 영토)」を刊行。またフィリピンの聖ルイス大学や西江大学大学院で宗教学等を専攻した。2008年以降はがん治療のため釜山で長期療養中。
○李海仁について:ウィキペディア(韓国)
    →https://ko.wikipedia.org/wiki/%EC%9D%B4%ED%95%B4%EC%9D%B8_(%EC%88%98%EB%85%80)
○李海仁に関する日本語記事:
    ①http://contents.innolife.net/book/qacont.php?qa_table=fs_report3&aq_id=2701
    ②http://www.wowkorea.jp/news/enter/2014/0425/10124863.html
    ③http://ameblo.jp/malmadang/entry-12050311856.html
○作 家②:金亨錫(キム・ヒョンソク)=1920~。随筆家・哲学者。平安南道大同郡で生まれる。1943年上智大学哲学科を卒業。キリスト教的実存主義に立脚して多くの哲学的随筆を発表し、とくに1959年刊行の随筆集「孤独という病(고독이라는 병)」は ベストセラーにもなった。
○KBS「朝の広場(아침마당)」に出演した金亨錫(96歳)の動画:
    →https://www.youtube.com/watch?v=exz--UDuHoc
○作 家③:安秉(アン・ビョンウク)=1920~2013年。哲学者。号は怡堂(イダン)。平安南道龍岡郡で生まれた。1943年早稲田大学文学部哲学科を卒業。その後京城第一普通学校(現・京畿高校)やソウル高校の教員(国語)。(ナム・ジュン・パイクや金宇中は前者での教え子である。) 1958年<思想界>の主幹を経て延世大とソウル大講師を務め、1969年に崇実大学教授になった。
○安秉について:ウィキペディア(韓国)
    →https://ko.wikipedia.org/wiki/%EC%95%88%EB%B3%91%EC%9A%B1
○安秉の逝去後、息子の安ドンギュ翰林大教授が父について書いた記事:
    →http://www.kado.net/news/articleView.html?idxno=649512
 ※これによると中学生の時李光洙と会って安昌浩を紹介されたこと、日本留学当時尹東柱、咸錫憲、張俊河、鮮于(久しい友人)との親交があったこと、また金亨錫は親友といったことが記されている。
○1985年12月29日放送のKBS<日曜放談>での安秉と金亨錫の対談(韓国語):
    →http://blog.joins.com/media/folderlistslide.asp?uid=skc0706&folder=205&list_id=10509791
 ※ソウル高(8期)の教え子たちが記念館訪問(動画):
    →https://www.youtube.com/watch?v=aCp28AF244I
19李孝石(イ・ヒョソク)文学館
이효석문학관
○住 所 :232-925 江原道平昌郡蓬坪面孝石文学キル73-25
       (232-925 강원도 평창군 봉평면 효석문학길 73-25)
○電 話 :033-335-9669
○mail  :www.bongpyong.co.kr
○公式サイト:http:// www.hyoseok.org
○開館年 :2002年
○観覧時間:5~9月9:00~18:30、10~4月9:00~17:30
○休館日 :1月1日、旧正月、秋夕
○施設概要:展示室では李孝石の初刊本や作品が発表された雑誌・新聞等を展示。昔の蓬坪市場の再現模型や、彼の文学と生涯を扱った映像等もある。文学教室ではさまざまな映像が視聴でき、文芸行事も行われる。学芸研究室では各種資料を備え、彼の文学世界を研究するスペース。そば資料室にはそばについての各種資料がある。文学庭園やカフェもある。
※文学館は眺めが良い丘の上にあり、周囲に広がるそば畑で白い花が咲く9月には平昌孝石文化祭が催される。
○コネストの記事
    →http://www.konest.com/contents/spot_event_detail.html?id=7289
○作 家 :李孝石(イ・ヒョソク)=1907~1942年。号は可山。江原道平昌郡蓬坪面に生まれる。京城帝国大学法文学部英文科に在学中の1928年「都市と幽霊」を文芸誌「朝鮮之光」に発表し文壇に登場。大学卒業後教職を務めながら執筆活動を続け、1936年代表作の「そばの花咲く頃」を発表。
○ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E5%AD%9D%E7%9F%B3
○作 品 :「朝鮮短編小説選 下」(岩波文庫.1984)に「そばの花咲く頃」所収。「集英社ギャラリー 世界の文学」(集英社.1991)に「薔薇が病む」所収。「そばの花の咲く頃 日帝時代民族文学対訳選」(新幹社.1995)に「そばの花咲く頃」「粉女」所収。「〈外地〉の日本語文学選 3 朝鮮」に「蕎麦の花咲く頃」所収。「小説家仇甫氏の一日 ほか十三編」(平凡社.2006)に「都市と幽霊」所収。「日韓併合期ベストエッセイ集」(ちくま文庫.2015)に「棗」所収。
○韓国観光公社の記事(日本語):http://japanese.visitkorea.or.kr/jpn/TE/TE_JA_7_1_1.jsp?cid=282370
20「土地」文学館
토지문화관
○住 所 :220-842 江原道原州市興業面梅芝回村キル79
       (220-842 강원도 원주시 흥업면 매지회촌길 79)
○電 話 :033-762-1382,、766-5544
○mail  :tojicu1@chol.com
○公式サイト:http://www.tojicul.or.kr/
○開館年 :1999年
○観覧時間:月~土曜9:00~18:00
○休館日 :日曜、公休日
○施設概要:次のような文化活動を推進し、またその場を提供する。(1)学術・文化行事の企画及び推進・・・・セミナーやシンポジウム等の開催。(2)研究と創作活動のサポート・・・・ 研究や創作等の場所の提供。 (3)国際学術文化交流活動・・・・国内外の学者や芸術家の招聘、講演及び国際学術会議の開催。(4)文化運動と教育活動・・・・地域文化の活性化、青少年文化教育活動の場の設定等。
※施設名は朴景利の小説「土地」によるもので、館長も朴景利の娘の金玲珠(キム・ヨンジュ.詩人金芝河夫人)が務めているが、ここは上記のように文化活動のための施設といった性格が強いようで、朴景利や「土地」については朴景利文学公園(原州市)、朴景利記念館(慶尚南道統営市)の展示が適していると思われる。
21韓国詩集博物館
한국시집박물관
○住 所 :252-821:江原道蹄郡北面萬海路136
       (252-821 강원도 인제군 북면 만해로 136)
○電 話 :033-463-4082
○公式サイト: http://xn--zb0b2hu97a1ya31wlzk6ku.org
○開館年 :2014年
○観覧時間:3~10月9:00 ~18:00、11~2月9:00 ~17:30
○休館日 :月曜、旧正月当日、秋夕当日
○施設概要:1万㎡近い敷地に建てられた地上2階地下1階の施設。国内外300人余りの人々から寄贈された詩集1万冊を所蔵。「鄭芝溶詩集」(1935)をはじめと1950年代以前の希少詩集も100冊以上含まれている。1階には図書室・体験空間、2階には近現代(1900~1970年代)の韓国の詩集を時代ごとに展示した常設展示室と企画展示室等がある。