ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [4月24日(金)~4月26日(日)]

2015-04-28 21:22:14 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週20~24日のソウル滞在の最終日、初めてミニシアタースポンジハウスで映画を観てきました。この映画館の場所を知ったのが2013年9月。世宗路の朝鮮日報の裏手の全州豊南会館でケーランタン(蒸しタマゴ)を食べていて窓越しに偶然見つけました。(→関係記事。) そして昨年8月は映画館内に入ったものの映画は観ずじまい。(→関連記事。) で、今回観た映画が日本映画の「すーちゃん、まいちゃん、さわ子さん」。韓国題は「결혼하지 않아도 괜찮을까(結婚しなくても大丈夫かな)」です。時間がちょうどよかったのと、ちょっと気にはなっていた未見映画だったことと、疲れていて韓国語映画はしんどいと思ったので・・・。
        
 建物の前面には、最近まで上映されていた「自由が丘で」の絵がまだ残っています。平日10:30からの回で、内容的にも女性向きとあって20人余りの観客中男性は私ヌルボとあと1人くらい。日本語のセリフを聴きながらハングル字幕を見るとけっこう韓国語の勉強になります・・・が字幕をアタマから読んでいくとお観終わらないうちに切り替わってしまうのです。(悲) 写真を撮るように丸ごとパッと見なければ・・・って、「言うは易く」ですね。今にして思えば、インディスペースで「輝く拍手の音」を観るという選択肢もあったな・・・、と少し後悔。

 韓国映画では「傷だらけのふたり」に続いて「海にかかる霧」、そして「群盗」が始まり、5月1日からは「私の少女」と、それなりの(?)注目作が公開中または近日公開ですが「私の少女」(←オススメ)以外は未見。そのうち観てきます。
 5月16日公開の「国際市場で逢いましょう」について。雑誌「AERA」最新号の小特集「日韓50年の中の、韓流と日流」の中で、桑畑優香さんによる「愛国か郷愁か、韓国世論二分した映画「国際市場で逢いましょう」」という記事は、SARUさんのツイッターによると「必読」とのこと。これから読まなくては・・・。

「朝鮮日報」4月24日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」
  何も訊くな。アクション! ★★★☆
 「セレナ」
  愛は恐怖とともに来る ★★★☆
 「薬売り」
  父親の役割難しいなあ ★★★
 「輝く拍手の音」
  静かに引き込ませる力 ★★★★
 「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」
  パパたち、元気出してね ★★★☆
 「わかってもらえない」
  放浪少女の成長夢物語 ★★★☆
「セレナ」はジェニファー・ローレンスとブラッドリー・クーパーの共演で、大恐慌時代のノース・カロライナを舞台にした、大地主とその妻の愛と危機を描くスリラーっぽい(?)ドラマ。「輝く拍手の音」は韓国のドキュメンタリー。聴覚障害を持った男女が結婚して男の子と女の子を授かって・・・。「わかってもらえない」(仮)は昨年の東京国際映画祭でも上映された伊・仏合作映画。ピアニストの母と俳優の父の不仲の間で翻弄される9歳の少女が主人公。詳しくは→コチラ。他の3作品は以下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(4月28日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①ファウルボール(韓国)  9.8(289)
②グラウンドの異邦人(韓国)  9.7(22)
③プロジェクトA  9.4(40)
④チャップリンの独裁者  9.3(32)
⑤ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ  9.2(118)
⑥モダン・タイムス  9.2(92)
⑦映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(日本)  9.2(22)
⑧グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-  9.0(21)
⑨ポリス・ストーリー 香港国際警察  8.9(36)
⑩青春の証言  8.9(23)

 ⑦と⑧が新登場です。
 ⑦「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」はちょうど1年前の昨年4月公開されました。韓国でもてがたい人気。韓国題は「짱구는 못말려 극장판 : 정면승부! 로봇아빠의 역습」。<ガチンコ>→<正面勝負>、<ロボとーちゃん>→<ロボットアッパ>。なるほどね。
 ⑧「グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-」はフランス映画。日本では昨年8月に公開されました。韓国題は「땡큐, 대디(サンキュー、ダディ)」です。

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②リヴァイアサン  8.6(5)
③セッション  8.4(7)
④大統領の料理人  8.0(1)
⑤フォックスキャッチャー  7.8(6)
⑤イーダ  7.8(6)
⑦ジェラシー  7.7(4)
⑧バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  7.6(6)
⑨フレンチアルプスで起きたこと(ツーリスト)  7.5(4)
⑩キングスマン ザ・シークレット・サービス  7.4(7)

 順位、評点とも前週と同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[4月24日(金)~4月26日(日)] ★★★

         「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」が驚異の動員数で大旋風!

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・アベンジャーズ・・・・・・・・・・4/23・・・・・・・・・・・2,818,947・・・・・・・・・3,444,626・・・・・・・・30,037 ・・・・・・1,843
         /エイジ・オブ・ウルトロン
2(1)・・ワイルド・スピード SKY MISSION・・4/01・・・・・106,981 ・・・・・・・・・3,131,031・・・・・・・・25,550・・・・・・・・393
3(2)・・長寿商会(韓国)・・・・・・・・・・・4/09 ・・・・・・・・・・・・86,160 ・・・・・・・・・1,001,245・・・・・・・・・7,562・・・・・・・・380
4(新)・・映画クレヨンしんちゃん・・・4/23 ・・・・・・・・・・・・49,709・・・・・・・・・・・・52,457・・・・・・・・・・・380・・・・・・・・372
          ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(日本)
5(新)・・薬売り(韓国)・・・・・・・・・・・・・4/23 ・・・・・・・・・・・・20,350・・・・・・・・・・・・27,559・・・・・・・・・・・208・・・・・・・・282
6(3)・・二十歳(韓国)・・・・・・・・・・・・・3/25・・・・・・・・・・・・・16,969 ・・・・・・・・・3,031,480・・・・・・・・23,472・・・・・・・・177
7(66)・・グレート デイズ!・・・・・・・・4/23 ・・・・・・・・・・・・11,481・・・・・・・・・・・・23,487・・・・・・・・・・・170・・・・・・・・241
       -夢に挑んだ父と子-
8(5)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・・・4,413 ・・・・・・・・・6,126,033・・・・・・・・50,340・・・・・・・・・54
       ザ・シークレット・サービス
9(7)・・セッション ・・・・・・・・・・・・・・・・・3/12・・・・・・・・・・・・・2,863 ・・・・・・・・・1,576,247・・・・・・・・12,553・・・・・・・・・26
10(9)・・化粧/火葬(韓国) ・・・・・・・・4/09・・・・・・・・・・・・・2,586・・・・・・・・・・・137,672・・・・・・・・・1,037 ・・・・・・・・・35
      ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」が破格的数字で先週まで3週連続トップだった「ワイルド・スピード SKY MISSION」を累計動員数でも一気に抜き去りました。長くベスト10に留まっている「キングスマン ザ・シークレット・サービス」はいつの間にか600万人を越えていますが、この「アベンジャーズ」の第2作は1千万人突破は確実という出足の快調さです。
 今回の新登場は1・4・5・7位の4作品です。
 1位「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」は2012年の前作に続くシリーズ第2作。今回ヒーロー連合アベンジャーズが地球を守るべく立ち向かう敵はウルトロン。創造者に反逆して地球の支配を企む人工知能なんだそうです。その声は「不気味で穏やかでありながら非常に魅力的」で、人間的でユーモアがあるとか。本来は人類の危機的状況を何度も打破してきたアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)が平和維持システムとして誕生させた人工知能だったのが、平和を脅かす唯一の存在は人類だと結論づけて抹消しようとするようになったという設定は、けっこう核心をついているかも・・・。韓国題は「어벤져스: 에이지 오브 울트론」。日本公開は7月4日で、すでに予告編(→コチラ)もできています。
 4位「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」については上述しました。
 5位「薬売り」は、この頃多い(?)韓国の現実を反映したドラマ。代行運転、日雇い等を転々としていたイルボム(キム・イングォン)。信用不良者というレッテルに足を引っ張られ、病気の娘の治療費のため、通称トッダバン(떴다방)といわれている弘報館(홍보관.特設販売所)に就職します。お母さんたちに健康食品や生活用品を売っては3~6ヵ月間で他に移動する詐欺のような商売です。自分の境遇が情けなくなるイルボムに、弘報館店長のチョルジュン(パク・チョルミン)は妻子を養うためには命をかけて売れと言います。イルボムは、またむしろ楽しんでいるお母さんたちを見てやりがいを感じ始めますが、そんな中、自慢の検事の息子を持ったものの、彼の負担にならないようにと一人老後を過ごしているオンニム(イ・ジュシル)がこの弘報館を訪ねてきてイルボムに会うことになります・・・。原題は「약장수」です。 ※トッタバンによる悪徳商法については→コチラの記事参照。
 7位「グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-」については上述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(28)・・グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-・・4/23 ・・・11,481・・・・・・・・・・・・・23,487 ・・・・・・・・・・・170・・・・・・・・241
2(1)・・セッション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/12 ・・・・・・・・・・・・・2,863・・・・・・・・・・1,576,247・・・・・・・・・12,553・・・・・・・・・26
3(2)・・化粧/火葬(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・4/09・・・・・・・・・・・・・・2,586 ・・・・・・・・・・・137,672 ・・・・・・・・・・1,037・・・・・・・・・35
4(新)・・愛情は深い海の如く・・・・・・・・・・・・・4/23・・・・・・・・・・・・・・2,243・・・・・・・・・・・・・・3,702・・・・・・・・・・・・・29・・・・・・・・・37
5(3)・・神は死んだのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/16・・・・・・・・・・・・・・2,025・・・・・・・・・・・・・20,365 ・・・・・・・・・・・153・・・・・・・・・17

 先週の順位と少し矛盾がありますが、1・4・5位の3作品が新登場です。
 1位「グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-」」は、日本では昨2014年9月に公開されました。韓国題は「땡큐, 대디 」です。。
 4位「愛情は深い海の如く」は2011年の米英合作ロマンス。ヴィヴィアン・リー主演で1955年製作された作品の再映画化。第2次世界大戦後のロンドンで不自由なく暮らすへスター(レイチェル・ワイズ)でしたが、思い遣りのある判事の夫コリヤー卿(サイモン・ラッセル・ビール)に物足りなさを感じ、義母とは険悪な状態。そんな中で元空軍パイロットのフレディ(トム・ヒルドストン)と出会い、2人は瞬時に恋に落ち、同棲を始めるのですが、その後フレディは戦火の経験からアルコール中毒を患い、ヘスターの運命もまた・・・。韓国題は「더 딥 블루 씨」。日本では一般公開はなく、レンタルDVDが出ているようです。
 5位「神は死んだのか」は、大学生の若者と無神論者の教授の緊迫した対立を軸に、宗教と人間性の接点を追求する・・・。日本では昨年12月に公開されたのですが、こういう作品は日本と韓国では受けとめ方がずいぶん違うようですね、やっぱり。<映画生活>のレビュー(→コチラ)は5人の平均評点が8点(100点満点)だからねー。韓国題は「신은 죽지 않았다」です。

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アベンジャーズ (のんき)
2015-04-28 22:43:38
アベンジャーズシリーズは、私も大好きなのですが、このたびの好調な出だしには映画館や配給会社の思惑も絡んでいたようで・・・
知人がFacebookに以下の記事を引用し、韓国映画界の危機を訴えていました。

<어벤저스> 일일 115만. 누적 243만. 하루 100만 돌파. (한국영화 전체 스크린 2,368개 중) 1843개 스크린, 10000회 상영. 몰상식한 스크린독과점으로 최다 스크린 기록 바꿈, 상영점유율 68%(CGV 74.7%, 롯데 72.5%, 메가박스 66.3%, 기타 45.7%) 좌점율 63%(공급좌석 181만).
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失礼しました (のんき)
2015-04-28 22:48:34
ハングルがすべて文字化けしてしまいましたね。訳すとこうなります。

アベンジャーズ: 日に115万、累積観客数243万。1日で100万人突破。(韓国映画 総スクリーン 2,368のうち)1,843スクリーンにて、10,000回上映。常識はずれなスクリーン占有率で、最多スクリーンの記録を塗り替えた。上映占有率は68%(CGV 74.7%, ロッテ 72.5%, メガボックス 66.3%, その他 45.7%) 座席占有率 63%(供給座席数 181万)
返信する
ワイド・リリース方式の弊害 (ヌルボ)
2015-04-28 23:55:15
「鳴梁」が1500スクリーンで上映ということでしたが、それを上回りましたか。
2月23日韓国文化院の講演会で聞いて知ったことですが、まさに韓国の映画配給方式の大きな問題点ですね。 →
http://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/e/fb069e09c61ebba3cd39ac8e10782236
「売れる映画に偏りやすい体質があり、配給機会の格差を生んでいる」ということです。
返信する
賛否両論 (のんき)
2015-04-29 09:34:11
はい、『鳴梁』を上回りました。
ですが、今回のスクリーン占有率を厳しく批判した人が、『鳴梁』のときには内容が素晴らしいから当然、というようなコメントをしていて、コメントには賛否両論、拮抗しているように見えます。なかなか興味深いのでURL残しておきます。

https://www.facebook.com/yoonchul.chung.58/posts/861830150556128?fref=nf&pnref=story

先日、私が情報収集に利用しているサイトで言論の自由度ランキングがあり、日本は韓国より下(自由がない)でした。
たしかにそうかも、と思わせる率直な意見が並んでいます。
返信する
言論の自由度等 (ヌルボ)
2015-04-29 12:01:39
ご紹介のFACEBOOKのチョン・ユンチョルさんは映画監督なんですね。この「アベンジャーズ」関係の記事では、コメント欄がいろいろ興味深い、といっても全部読んだわけではありませんが・・・。

報道の自由度ランキングについては、私も次の記事で見ました。 →
http://ecodb.net/ranking/pfi.html

韓国が60位で日本が61位。どちらも前年から数値が低くなっているのはやっぱりな、です。
左右の政治的立場がはっきり分かれていて、自紙の読者に迎合的な記事しか載せない韓国の新聞。日本も似てきましたが、それより問題は最近の政治権力による圧力ですね。しかし新聞・テレビの記者も政治家等の問題発言に当然質すべきことをきっちりやっていないし、ふがいなさを感じざるを得ません。また、国民の側も<マスコミ報道鵜呑度>の数値はやけに高くて心配です。 →
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-democ144725...html
https://www.youtube.com/watch?v=ypPqsWUC6Vo

日本と韓国の、どちらが「良い」or「ダメ」というよりも、内容は違っても「どちらもダメ」と思うことがむしろ多くなってきました。
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