ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国の文学館 ③江原道編(中)

2015-08-17 20:14:12 | 韓国の文学館(全)
 韓国の文学館 ②江原道編(上)の続きです。

 このシリーズ、最初はシンプルなリストと、各施設の公式サイトにリンクを張るだけのものを想定していましたが、施設の概要や作家について一応関係記事等を見ているとなかなか興味深いものも多く、結局私ヌルボの個人的メモといった感じであれこれ長々と書いてしまいました。
 今後は多様な情報を極力簡潔に書くことを旨としたいと思います。(が、それでも長くなりそう・・・。) そして完結した時点で見やすい一覧表を作成しようと思います。全部で施設の数が100にも及ぶのでまだまだ先の話ですが・・・。

 ちなみに、日本全国の文学館はいくつくらいあるのかと思って探してみると、<文学館研究会>という個人的な団体(!?)のサイトが見つかりました。公式サイトは→コチラです。これによると、日本の文学館は全国で757館とのことです。韓国の約7.5倍。私ヌルボのほぼ想定内の数字です。なお、公益財団法人<全国文学館協議会>(→公式サイト)に加入している文学館は99館です。

 朴寅煥文学館の欄の末尾でリンクを張ったパク・イニの歌「時が経つと(세월이 가면)」はぜひ聴いてみてください。40年前と感じさせない良い歌です。

※基本的なデータは韓国文学館協会の公式サイト(http://www.munhakwan.com/)です。
※各欄の背景の色がピンクのものは韓国文学館協会所属の施設、緑色のものは所属していない施設です。
※紹介した作品は日本で刊行されているものです。(絶版書を含む。)

«江原道(中)»
15朴寅煥(パク・イヌァン)文学館
박인환문학관
○住 所 :1252-806 江原道蹄郡蹄邑蹄路156番キル
       (252-806 강원도 인제군 인제읍 인제로156번길)
○電 話 :033-460-2085
○mail  :todhn2000@naver.com
○開館年 :2012年
○観覧時間:火~日曜9:00~18:00
○休館日 :月曜
○施設概要:この地で生まれた詩人朴寅煥の生家址に建てられた。彼がソウルに開店したマリ書肆等、1950年代モダニズム運動の中心となったソウルの街や店を再現している点が一般の文学館とは異なる大きな特色。
○作 家 :朴寅煥(パク・イヌァン)=1926~1956年。1950年代を代表するモダニズム詩人。戦後平壌医学専門学校を中退してソウルに上京し、鍾路3街の楽園洞入口に書店マリ書肆を開いた。この店はジャン・コクトーやアンドレ・ブルトン等の詩集を備え、金光均・金起林・鄭芝溶等の詩人のたまり場となり、モダニズム運動の発祥の地ともいえる。彼自身1946年から「街」等の詩を書き始め、とくに「木馬と淑女」「時が経つと」は広く愛誦されている。1955年「朴寅煥詩選集」を刊行した翌56年フェノバルビタールを大量に服用して自殺した。
○作 品 :大村益夫[編訳]「対訳 詩で学ぶ朝鮮の心」(青丘文化社.1998)に「黒い神よ」所収。
○ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B4%E5%AF%85%E7%85%A5
○(韓国)ウィキペディア:https://ko.wikipedia.org/wiki/%EB%B0%95%EC%9D%B8%ED%99%98_(%EC%8B%9C%EC%9D%B8)
○参考ブログ記事(韓国語):
    ①http://www.12go.kr/01travelstory/01_view.asp?s_idx=1752&nt_rcate1=1&nt_rcate2=3&nt_rcate3=&s_keyword=&page_gubun=K
    ②http://hangamja.tistory.com/560
○2004年9~12月EBSで放映された作家李鳳九(イ・ボング)原作のドラマ「明洞伯爵」は1950年代に明洞を拠点にした文化芸術家を描いた物語で、金洙暎(キム・スヨン)や朴寅煥が登場する。
○「時が経つと(세월이 가면)」はイ・ジンソプが曲をつけた歌を1970年代の代表的女性フォーク歌手の1人パク・イニが歌いヒットした。YouTubeの動画で聴くことができる。歌詞は元の詩と異なる箇所がある。
    →https://www.youtube.com/watch?v=25oXoRon05o 
 「木馬と淑女(목마와숙녀)」の動画もあるが、これは歌というより朗読である。
    →https://www.youtube.com/watch?v=v6NarYtcfno
16月河 李泰極文学館
월하 이태극문학관
○住 所 :209-801 江原道華川郡華川邑虎音路1014-16
       (209-801 강원도 화천군 화천읍 호음로1014-16)
○電 話 :070- 8885-3434
○mail  :ym825@hanmail.net
○公式サイト:http:// www.itaegeuk.com
○開館年 :2010年
○観覧時間:火~日曜9:00~18:00
○休館日 :月曜、1月1日、旧正月、秋夕当日
○施設概要:地下1階地上2階の館内に李泰極の直筆原稿、写真、手紙、遺品、「時調文学」等の文学資料、詩画等が展示されている。彼が原稿を執筆する姿を再現した蝋人形や、華川ダム工事で水没した彼の生家を再現したミニチュアもある。
○作 家 :李泰極(イ・テグク)=1913~2003。号は月河。江原道華川郡看東面芳川里に生まれる。1936~1938年早稲田大学専門部で学び、解放後は教職と併行してソウル大を卒業し、以後梨花女子大学教授、韓国時調(シジョ)詩人協会長、国語国文学会代表等を務めた。1953年の「カモメ」、1955年韓国日報に発表した「山いちご」以降多数の時調を作り、1960年には時調専門誌「時調文学」を創刊する等、現代時調運動をリードした。
○作 品 :廣岡冨美「韓国近現代時調選集」(土曜美術社.2000)に作品所収。
○息子の文学評論家李崇源による「時調作品から見た父の姿」と題した記事:
    →http://www.yousim.co.kr/news/articleView.html?idxno=4169
○参考記事(韓国語):
    ①http://article.joins.com/news/blognews/article.asp?listid=13544403
    ②http://www.travelnbike.com/news/articleView.html?idxno=1769
○破虜湖(パロホ)に近い安保展示館 (文学館から車で約20分)の前に「山いちご(산딸기)」が刻まれた月河時調碑がある。
17李外秀(イ・ウェス)文学館
이외수문학관
○住 所 :209-812 江原道華川郡上西面感性マウルキル157
       (209-812 강원도 화천군 상서면 감성마을길 157)
○電 話 :033-441-1253
○公式サイト:http://www.ogamstory.com/(休止中?)
○開館年 :2007年
○観覧時間:10:00~17:00
○休館日 :月・火曜
○施設概要:華川郡は2006年地域振興の一環として文学をテーマとした感性マウル(感性の村)を創設し、春川市在住の李外秀を村長として招請。執筆の場を提供し、この文学館を設立した。自筆原稿、書画等を展示。
○作 家 :李外秀(イ・ウェス)=1917年~。慶尚南道咸陽郡で生まれ、江原道麟蹄郡で育つ。春川教育大学中退後、1972年江原日報新春文芸に短編小説「見習いの子供たち」でデビューし、1975年文芸誌「世代」でで短編小説「装飾」が新人文学賞を受賞して小説家として知られるようになった。彼のtwitterは進歩的な立場からの政治的意見も多く発信し、フォロワー数が150万人に迫るパワーツイッターリアンとして社会的影響力も大きい。
○参考記事(日本語):
    ①http://french.visitkorea.or.kr/myeyes.kto?cmd=view&md=jpn&lang_se=JPN&bbs_sn=1692058
    ②http://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/e/f5ec692d1f579f69ef4ac8616a86b53e
○2012年9月朴槿恵セヌリ党大統領候補がここを訪れた時の動画:
    →https://www.youtube.com/watch?v=vmjsontnD9E