ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

アジア映画は名作・秀作の宝庫  付録:NHKアジア映画劇場 放映作品リスト(1)

2011-07-11 21:15:25 | 韓国映画(&その他の映画)
 前川健一さんがご覧になったという韓国映画「GOGO '70」(チェ・ホ監督.2008)は残念ながら観ていません。一般劇場公開を期待していましたが・・・。DVDで観るしかないですね。

 良い映画が一般公開されなかったり、情報があまり流されなかったりするのは非常に残念です。特に非欧米映画。今イメージフォーラムで上映中のエチオピア映画「テザ 慟哭の大地」など、多くの人に観てほしいと思います。
 マイナーな独立系の映画、良さそうな作品でもなかなか厳しそうですね。気になっている韓国映画がいくつかあるんですが、どうなのかなー?

 しかし、非欧米映画の中でも、韓国や中国(&香港・台湾)映画はまだマシな方でしょうね。
 今回はとくに韓国・中国(&香港・台湾)以外のアジア映画に注目してみます。といっても、私ヌルボの場合韓国映画に比べて入れ込み具合がさほど強くないので、観てない名作がたくさんあると思います。そんなヌルボがなんとなく(?)観てきた範囲での話ということで・・・。

 イラン映画は、「友だちの家はどこ?」(1987)が日本で公開されたのが1993年。それ以来わりと上映されるようになりました。「運動靴と赤い金魚」等々、感動作がいくつもありました。

 インドや東南アジアの映画はもっと上映してほしいところ。
 インド映画はいろいろありますね。日本では43年振りのロードショー公開(1997)という娯楽映画「ラジュー出世する」(1992)を観にいったのは大正解で、159分の長尺で中休みが入るのに、そこで客席から自然と拍手が起こりましたからね。もしレンタル店にあったらぜひ観てみてください。
※映画館で拍手というのは、子ども時代の「旗本退屈男」等は別にして、記憶にないですね。「ラジュー・・・」以降は、「ウォーターボーイ」でパラパラとありました。それだけ。

 私ヌルボが今まで観た東南アジア映画の中では、「青空がぼくの家」(インドネシア)が印象に残っています。最初は例のアジア映画劇場、2度目は岩波ホールの特別上映だかで観ました。
 タイ映画でわりと最近見た「アタック・ナンバーハーフ」「マッハ!!!!!!!!」「チョコレート」等は楽しかったです。歴史関係、真珠湾攻撃と同時に展開された日本軍のコタバル上陸は知っていましたが、タイ映画「少年義勇兵」に描かれた日本軍の12月8日早朝のタイ上陸と、その後の数時間の戦闘については全然知りませんでした。

 日本がらみで社会の勉強にもなったのは「愛と哀しみのアカ族」「恋するトマト」等。

 私ヌルボ、韓国オタクは自任していますが、とくにアジアオタクというわけではありません。しかし日本と韓国だけでなく、その周縁の国々についても多少なりとも知ると、韓国の(もちろん日本も)いろんな面での国際的な位置関係といったものも見えてくるように思います。そういった意味でもアジア映画は興味深いです。まあ、それ以前におもしろいから観るんですけどね。

 かつてNHKのアジア映画劇場でやっていたような名作の数々、何度も申しますが、観る機会をもっともっと増やしてほしいものです。潜在的なファン、けっこうたくさんいると思いますけどねー・・・。

 ・・・ということで、かつてNHKアジア映画劇場で(それ以外も含む?)1988年~2003年に放映されたアジア映画のリストを作成しましたので紹介します。 ※最初の2本が「アジア映画劇場」と冠されていたかは未確認です。

 ただし全130本(重複を引くと129本)もあるので、とりあえず1988~92年の30本分。

  NHKアジア映画劇場放映作品リスト(その1)

放映年.月.日.「作品名」.公開年.国.監督
1988.3.5.「ジャングルの村」.1980.スリランカ.レスター・ジェームズ・ピーリス
1988.3.19.「郷音」.1983.中国.胡柄榴(フウ・ピンリュウ)
1988.10.22.「渡河」.1984.インド.ゴータム・ゴース
1988.10.29.「蝶と花」.1985.タイ.ユッタナームクダーサニット・ムクダーサニット
1989.1.28.「ブエンとパエン」.1983.タイ.チャード・ソングスリ
1989.2.4.「離婚旅行(KBSドラマ)」.韓国.
1989.3.4.「野山」.1985.中国.顔学怨(イエン・シュエシュ)
1989.3.11.「ナンプーは死んだ」.1984.タイ.ユッタナー・ムクダーサニット
1989.3.18.「追いつ追われつ」.1985.インドネシア.ハエルル・ウマル
1990.1.20.「青春祭」.1985.中国.張暖忻(チャン・ヌアンシン)
1991.4.21.「標識のない河の流れ」.1983.中国.呉天明(ウー・ティエンミン)
1991.5.19.「砂の手紙」.1988.スリランカ.スミトラ・ペリエス
1991.6.16.「風の輝く朝に.1984.香港.レオン・ポーチ
1991.7.21.「ゴアの恋歌」.1985.インド.シャーム・ベネガル
1991.8.18.「悲恋の橋(サラシン橋心中)」.1987.タイ.ピアック・ポスター
1991.9.22.「いばらのあぜ道」.1983.マレーシア.ジャミル・スロン
1991.10.13.「旅人は休まない」.1987.韓国.李長鎬(イ・ジャンホ)
1991.11.10.「追憶」.1985.インドネシア.テグ・カルヤ
1991.12.15.「林商店(林家舗子)」.1959.中国.水華(スュイ・ホワ)
1992.1.12.「胡同模様」.1985.中国.従連文(ツオン・リェンウェン)
1992.2.16.「童年往時・時の流れ」.1985.台湾.侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
1992.3.15.「蝶と花」.1985.タイ.ユッタナー・ムクダーサニット
1992.419.「追われし者の挽歌」.1990.韓国.朴光洙(パク・クァンス)
1992.5.17.「黄色い大地」.1984.中国.陳凱歌(チェン・カイコー)
1992.7.12.「サラワクの息子」.1988.マレーシア.ラヒム・ラザリ
1992.8.9.「十月になれば」.1984.ベトナム.ダン・ニャット・ミン
1992.9.13.「おはよう北京」.1990.中国.張暖忻(チャン・ヌアンシン)
1992.10.11.「サイクリスト」.1989.イラン.モフセン・マフマルバフ
1992.12.6.「北京の想い出(城南旧事)」.1982.中国.呉貽弓(ウー・イーコン)
1992.12.20.「希望の行方」.1990.インド.サイー・パラーンジペー

<90年代、ブーム以前の珠玉の韓国映画がいっぱい! 付録:NHKアジア映画劇場 放映作品リスト(2)>に続く。 →コチラ

[韓国の文化] 「懐かしの70・80年代」は流行歌のジャンルだけではない(下)

2011-07-10 21:22:49 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 前の記事の続き。韓国本「私たちの幸せだった瞬間 70・80年代の想い出とロマンの物語」の目次の後半部分です。
映画関係=オレンジ
 音楽・芸能関係=ピンク
 文学関係=紺
 スポーツ関係=茶

≪③私の心の想い出 3つ目≫私の耳に盗聴装置をつけた! 独裁と民主の分かれ道で
10月維新 独裁に向かう息のつまるアイディア
反共防諜 誰でも縛ることができる便利なイデオロギー
6月抗争 愛も名誉も名前も残すことなく
朴正煕 いまだに私たちの生を支配する者
光州抗争 80年代を規定した胸痛む悲劇
金大中と金泳三 一生を民主化に献身した「水と油」
金日成 すべての悪の根源 vs 民族の偉大な太陽
朴鍾哲(パク・ジョンチョル)と李韓烈(イ・ハニョル)
 ※パク・ジョンチョル(ソウル大)は1987年の「6月民主化運動」の引き金となった大学生拷問致死事件の犠牲者、イ・ハニョル(延世大)は同年6月戦闘警察が発射した催涙弾の破片を後頭部に受け、1ヵ月後死亡した学生。
全斗煥 鉄拳統治で時代を抑圧した絶対君主
国旗下降式 皆が止まった1分19秒
通禁 暗くなったら帰らないこと
 ※夜間通行禁止。韓国では1945年9月以降ずっと午前0時~4時は家の外に出てはならなかった。1982年1月に解除。

≪④私の心の想い出 4つ目≫黒白テレビの中には英雄が生きていた
捜査班長 犯罪を処断するすべての操作ドラマの元祖
金日 彼以前にもなく、彼以後にもない永遠の頭突き王
ゴーゴーとディスコ すべての踊りの王者
南宝元(ナム・ポウォン)と白南峰(ペク・ナムボン) ワンマンショーの創始者で第一人者
 ※2人とも声帯模写の達人で、大統領や歌手の真似だけでなく、汽車や自動車、多発銃の音等々もまね、「ワンマンショーの達人」といわれ多大な人気を集めたたコメディアン。2人はライバルというより協力関係で、共演することも多かった。


【南宝元と白南峰のワンマンショー、どちらが上? チャネルAの番組より。】

ロボット・テコンV 跆拳道(テコンドー)で悪党を制圧したわれらのロボット
 ※マジンガーZとの比較が興味深い。→コチラ
   
       【ロボット・テコンV】

モハメド・アリ 蝶のように舞い、蜂のように刺す
 ※韓国では무하마드 알리(ムハマド・アルリ)
金斗漢(キム・ドゥファン) 男なら誰もが崇拝した侠客
 ※金斗漢(1918~72)は独立運動家金佐鎮の息子。青年の頃はヤクザの親分、後に後国会議員になった伝説の人物。映画「将軍の息子」(1990)やドラマ「野人時代」(2002~03)の主人公。
ポパイ オリーブを守ってくれる強い男
申星一 韓国映画最高のスター俳優
笑えば福が来ますよ 庶民を笑わせ泣かせたコメディー劇の代名詞
ブルース・リー(李小龍) ヌンチャクで天下を平定した不滅の武術師
 ※ヌンチャクは双節棍(쌍절곤.サンジョルコン)
イ・ジョンファンの夜のディスク・ショー 夜空に響きわたる歌の旋律
ターザン パンツしか穿いていないが最高の密林の王者
幸運の手紙 いつ7通を書くか
黄金獅子旗 9回裏に打った逆転ホームラン

≪⑤私の心の想い出 5つ目≫制服を着た少年少女は今どこに
「新しい少年(새 소년)」 夢と希望を育ててくれた少年雑誌
慶州と扶余 胸をわくわくさせたそこの想い出
 ※修学旅行の代表的目的地
「成文綜合英語」と「数学の定石」 大学へ行く道を開いてくれたうんざりするバイブル
「ヤルゲ伝」 右往左往したうらやましい友だち
 ※趙欣坡(チョ・フンパ)「ヤルゲ伝」は明朗小説の嚆矢。映画「高校ヤルゲ」(1976)はハイティーン映画の先駆的作品。
教練 70・80年代を代表するアイコン
弁当検査 ごはんに麦がどれだけ交ざっているか
 ※1973~77年朴正煕大統領が麦飯奨励のため実施。国民学校で4校時終了後先生がチェック。白米だけだと注意する。
東亜全科 1冊で全科目を終えた総合参考書
 ※小学生用。
モナミ153 変わることなき筆記具の王
 ※1963年発売以来、今まで変わらないデザインのボールペン。
スマートvsエリート 青少年期を規定した6年間の黒い服
 ※ともに学生服の服地。生徒向け雑誌広告で熾烈な争いを展開していた。
予備考査と学力考査 どっちみち1度は通貨しなければならない狭き門
パイロット 青いインクを入れてこつこつ書いた万年筆の代名詞
運動会 万国旗がはためいたその緑の日
奨学クイズ その秀才たちは今どこで何をしているか
 ※1973年に始まった長寿クイズ番組。高校生回答者たちが知識(と反射神経)を競う。
検便 うっかり忘れてきたら他人の便でも
 ※韓国語では「채변검사(採便検査)
ペンパル 異国に向かったただ1つの窓
イ・チェボン先生(著者の高1の時の担任) 「誠実であれ、正しくあれ」と教え諭してくださった
 ※「誠実であれ、正しくあれ(참되거라 바르거라)」は「師匠の恩(스승의 은혜)」という歌の歌詞の一節。

そしていまだ語り尽くせない話
エピローグ これまでお疲れさまでした
付録 過去50年間の国内外10大ニュース(1960~2009)


 ざっと見て興味深いのは、ブルース・リーやモハメド・アリのように日本とほぼ同時代に流行っていたものもあれば、韓国では70年代までTVでやっていたというターザンのように、人気のピークが日本よりかなり遅れるものもあること。
 昔の学校の思い出は共通点が多いようですね。
 (上)の「国民教育憲章」は、日本統治下の「皇国臣民ノ誓詞」等との関連で、以前から独立した記事にしようと思っていたものです。(得意の)またいずれ。
 他にも、初めて知ったネタがいろいろありました。文章も読みやすくて◎。

 →(上)

[韓国の文化] 「懐かしの70・80年代」は流行歌のジャンルだけではない(上)

2011-07-08 22:12:24 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 久しぶりにネット通販で購入した韓国本の中で、「우리들의 행복했던 순간들(私たちの幸せだった瞬間)」は、おもしろそうかな、というヨミがバッチリ! 大正解の買い物でした。
 副題は「70・80년대의 추억과 낭만 이야기(70・80年代の想い出とロマンの物語)」です。

     
 【表紙。写真もおもしろい。ブルース・リーに鍾路書籍に・・・・。】

 最近の韓国歌謡界で「想い出(추역.追憶)」という言葉がキーワードになっていることは知っていました。
 韓国TVの愛好家は人気番組の通称「ナカス」(나는 가수다.私は歌手だ)や、セシボン人気ですでに実感しているでしょう。
 新聞・雑誌等のニュースでも、ちょっと見たところでも<政策共感>の4月19日の記事「アイドルが席巻している歌謡界に「7080ノレ(70・80年代の歌)」が流行る理由は?」、7月5日の「幾湖日報」の記事「1970年代、その頃その歌…青春を振り返る親父世代」等々、各メディアでもさまざまに報道されています。
※後者では、東仁川の音楽茶房でステージ再現、ゲストの熱唱に中壮年層の観客が感動のるつぼ、とか・・・。

 ところが、上掲のこの本「私たちの幸せだった瞬間」を開くと、<想い出>ブームは歌謡界だけではなく、生活のすべてにわたるといえるほど多様なジャンルに及んでいることがわかります。
 私ヌルボのところに届いた本は、初版発行(2010年9月)のちょうど1ヵ月後の発行で第3刷。
 その間、教保文庫では推薦書にあげ、また、その本の内容等も詳しく紹介しています。

 この目次を眺めただけでも、70年代以降の韓国の流行・風俗等が概観できるだけではなく、その当時青春時代を過ごした人たちの心情をうかがい知ることができ、(まだ読み始めたばかりですが)興味深く読めそうです。
 もちろん、映画「ALWAYS三丁目の夕日」をはじめ、現代の日本で昭和30年代がなぜか懐かしく、美しく回顧されたりしているように、回想の過去と、当時の現実の間には当然落差はあるでしょうが・・・。

 以下、その目次を訳出したものを列記します。内容がわかりにくいものは私ヌルボが簡単に説明をつけました。長くなるので、2回に分けて記事にします。
映画関係=オレンジ
 音楽・芸能関係=ピンク
 文学関係=紺
 スポーツ関係=茶

プロローグ 過ぎ去ったすべてのものが美しい
 
≪①私の心の想い出 1つ目≫文庫版を脇に挟んで生ギターを弾いた私の若き日の青春
大学歌謡祭 胸を躍らせたアンファン・テリブル
「馬鹿たちの行進」 70年代の風俗図と肖像画
「ベン・ハー」 荘厳な戦車競走が圧巻の善と悪の対決

三中堂文庫 読書の渇きを癒してくれた心の糧
金芝河 70年代を拒否した抵抗詩人
徐守男(ソ・スナム)と河清一(ハ・チョンイル) 明るい歌で全国を席巻したデュエット・コンビ
ソン・チャンシク 自由を謳歌した味わい深いシンガーソングライター
団体映画観覧 列をなして映画館に行ってみれば
李文烈(イ・ムニョル) 悪魔的な天才性をもった文学の鬼神
李美子(イ・ミジャ) 哀切さと哀しみを歌に昇華させたエレジーの女王
趙容弼(チョー・ヨンピル) 一世を風靡した永遠の歌手王
南珍(ナム・ジン)と羅勲児(ナ・フナ) 永遠のトロット・ライバルの元祖

車範根(チャ・ボムグン) 不世出のサッカー名将
崔仁浩(チェ・イノ) 文学の大衆化時代を開いた天才作家

≪②私の心の想い出 2つ目≫貧しかったから幸せだったのだ、ロマンとアクションの70・80
音楽喫茶のDJ 重たい声でレコード盤を回したその男
鍾路書籍と教保文庫 心の糧を提供した文化の拠点
サンデー・ソウル 幼稚極まりない大衆通俗雑誌の代名詞
86と88 世界へ飛び込んだ2つの行事
 ※1986年はアジア大会(ソウル)、1988年はソウル・オリンピック。
三南劇場 その映画館の隅に座って
セマウル運動 農村近代化に赫々たる功を立てた国民運動
国民教育憲章 教育の道を示した26年間の憲章
農繁期休校 5月に迎えた短い休み
民防共訓練 北傀が攻めて来たらどうする
陽地茶房(ヤンジタバン) モナリザに似たマダムと太ももが部厚かったレジ
  ※陽地は日当たりのよい所。鍾路にあった代表的茶房(タバン)で、ある時は全国で最大の面積を誇った。今も陽地茶房は全国処々でその命脈を維持している。庶民のサランバン(応接間)として、あるいは不法頽廃性売買の温床、一名チケット茶房として。
練炭 オンドルのたき口近くの油紙を真っ黒にした熱さ
慰問ハガキ ワラビのような手でこつこつ書いた感謝の手紙
クリスマスシール 私のささやかなお金が誰かの結核を治療できれば


 うーむ、色が派手すぎたかな? →(下)に続く。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[7月1日(金)~3日(日)]

2011-07-05 23:00:37 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 以前「小さな池」の老斤里の読みをノグルリと書いてしまいましたが、疑問に思ったので調べたら、正しくはノグンニでした。→ヤフー知恵袋参照

 一昨日、MMのブリリアで<ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2011>の受賞3作品を観てきました。ストップ!温暖化部門優秀賞「SiRoKuMa」、アジアインターナショナル部門 優秀賞「A Purpleman」、ジャパン部門 優秀賞「中国野菜」です。
 私ヌルボの注目はもちろん「A Purpleman」。北朝鮮の収容所(咸鏡北道の第12号管理所)を出所した17歳のヒョクは食べるため脱北を敢行し成功。韓国で生活を始めるが、貧しさと差別ゆえ生きる希望を失ってしまう。北朝鮮の“赤”でも韓国の“青”でもない、ということでPurpleということです。この映画はキム・タクン監督が実在の脱北者キム・ヒョクさんの体験を基に作ったクレイアニメ。まさにショートショート、わずか13分1秒の作品で、メッセージを浮き立たせるにはこういう作り方はありだな、と私ヌルボは好意的に受けとめました。作品自体の評価とは関係はないことでしょうが、何十万(?)もの人たちが強制収容所で苛酷な生活を強いられていること、またキム・ヒョクさんのように多くの脱北者がその後もさまざまな労苦を味わっているという、現実の重さを考えざるをえません。審査員の鳥越俊太郎氏が「世界中の誰もが知る社会問題をここまで誰も思いつかなかったアニメーションの手法で描き出し、人類共通の物語へと昇華させた作品」と絶賛」というのは誉め過ぎの感はありますが、もしかして、作品としての価値以外の部分での評価も入っているのかも・・・。

 YouTubeに「A Purpleman」のトレーラーがあったので貼り付けておきます。日本版より47秒長い韓国版です。

  

※関係記事①→<「パープルマン」、日本のショートショート&カナダ・ニッケル映画祭で受賞の快挙> 関係記事②→<「パープルマン」、世界独立系映画祭に相次ぐ招請>(韓国語)
※また、<dongA.com>に「映画の中の脱北者を通して見た韓国社会の視線は…」という興味深い動画付きニュースがありました。最近のいくつかの脱北者関係の映画について報じています。→コチラ

※別件で、「朝鮮日報」に上半期の映画総括の記事がありました。→コチラ。内容は、まあアリキタリですけど・・・。

    ★★★ Daumの人気順位(7月5日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①トゥルー・マッ(味)・ショー (韓国)  9.6(86)
②インサイド・ジョブ  9.4(37)
③サニー(韓国)  9.3(2890)
④カストラート  9.3(46)
⑤未来を生きる君たちへ  9.1(54)
⑥The Conspirator  9.1(39)
⑦イリュージョニスト  9.0(23)
⑧五月愛  8.9(20)
⑨X-MEN:ファースト・ジェネレーション  8.8(738)
⑩法頂和尚の椅子(韓国)  8.8(22)

 新登場は④と⑥です。
④、韓国題の「파리넬리(パリネルリ)」なんて何かと思ったら、イタリア映画「カストラート」のことでした。1994年の作品を今韓国で上映というのはどういう事情があったのか、は調べてません。
⑥は後述。

【専門家による順位】

①トスカーナの贋作  8.3(6)
②イリュージョニスト  8.0(6)
②Another Year  8.0(6)
④茂山日記(韓国)  7.9(11)
⑤インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実  7.5(2)
⑥SUPER8/スーパーエイト  7.4(7)
⑦告白(日本)  7.3(9)
⑧X-MEN:ファースト・ジェネレーション  7.3(6)
⑨大切な日の夢(韓国)  7.0(6)
⑨コパカバーナ  7.0(6)
 
 今回は新登場はありません。⑨「大切な日の夢」は先週紹介した韓国アニメ。主人公の少年の夢は宇宙人(우주인.ウジュイン)になること。エイリアンに変身したいのじゃなくて、宇宙飛行士のことですよ。日本でいう宇宙人は外界人(외계인.ウェゲイン)といいます。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[7月1日(金)~3日(日)] ★★★
         「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」、けた違いの数字

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・トランスフォーマー ・・・・・・・・6/29・・・・・・・・・2,366,170 ・・・・・・・・・・・・3,352,360・・・・・・・1,442
     ダークサイド・ムーン
2・・サニー(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・・5/04 ・・・・・・・・・228,060・・・・・・・・・・・・6,147,587・・・・・・・・・376
3・・豊山(プンサン)犬(韓)・・・・・・・6/23・・・・・・・・・・・87,521 ・・・・・・・・・・・・・486,969・・・・・・・・・263
4・・カンフー・パンダ2・・・・・・・・・・・5/26 ・・・・・・・・・・69,959・・・・・・・・・・・・4,949,226・・・・・・・・・336
5・・ホワイト 呪いのメロディー(韓)・・6/09 ・・・・・・・51,403・・・・・・・・・・・・・・705,587・・・・・・・・・194
6・・X-MEN:ファースト・ジェネレーション・6/02・・・・・50,225・・・・・・・・・・・・2,463,846・・・・・・・・・281
7・・リンカーン弁護士 ・・・・・・・・・・6/16・・・・・・・・・・・11,759・・・・・・・・・・・・・・305,540 ・・・・・・・・・94
8・・The Conspirator・・・・・・・・・・・6/30・・・・・・・・・・・・9,697・・・・・・・・・・・・・・・11,950 ・・・・・・・・・41
9・・未来を生きる君たちへ ・・・・・・6/23・・・・・・・・・・・・4,991 ・・・・・・・・・・・・・・17,896 ・・・・・・・・・24
10・・SUPER8/スーパーエイト・・・6/16 ・・・・・・・・・・・4,765 ・・・・・・・・・・・・・466,635 ・・・・・・・・・69
                               ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。

 新登場1位「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」の数字はハンパじゃありません。上映館数も観客動員数もけた違い。
 2位の「サニー」、今週も20万人台を維持、600万人を超えました。
 新登場は1位と8位の2作品です。
 1位、日本では7月28日公開ということで、関連サイトで情報が流されています。しかし、NASAやアメリカ政府が何かすごいことを隠しているんじゃないか、なんて話は昔からありますねー。それだけでは全然ワクワクしないんですけど・・・。韓国題は「트랜스포머 3(トゥレンスポモ トゥリ)」。
 8位、リンカーン大統領暗殺の共犯として逮捕された女性の実像に迫るドラマ。暗殺後、衝撃を受け動揺する風潮の中、拙速に裁定をくだそうとする国家と民衆に対し、冷静さを失わず自らの信念に基づいて判断しようとする青年弁護士(ジェームズ・マカヴォイ)が主人公。ということは、ロバート・レッドフォード監督、ヌルボ好みのマジな映画を作ってくれた? 「憲法というものは、たとえそこに、酌量すべき状況や、見かけの疑わしさが有る場合でも、いかなる代償を払ってでも堅持し続けなければいけない、と、教えてくる映画である」(Miami Herald)という新聞の評は気になりますが・・・。原題「The Conspirator」は共謀者(陰謀加担者)のこと。韓国題は「음모자(陰謀者)」。

雑談&雑考:韓国の食文化  カレー、のり巻き、うな丼、コーヒー等々(下)

2011-07-04 02:04:32 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
7月3日の記事の続きです。ほろ酔い加減で帰りの電車内、S谷氏との会話。これも7月1日の記事に書いたすき屋のうな牛のことを話題にしたら、S谷氏「食べたよ」との意外な答え。いや、元来好奇心旺盛な人だから意外でもないか。単に「両方食べたかったから」とのこと。そればかりかS谷氏、すき屋やCOCO’S等々のチェーン店を展開しているゼンショーの株主で、6月24日に渋谷CCレモンホールで開かれた株主総会にも行ってきたとか。今年マックやすかいらーくを抜いて国内の外食チェーンで初めて売上高トップになったというゼンショーです。S谷氏いわく「社長がうなぎ自慢してましたよ」。帰宅後ネット検索したら、さるブログにも「ゼンショーグループ以外ではうなぎを食べる気がしない!と今年も強調していました」と書かれてました。(株主総会で強盗対策のことも質疑があったようですが、労働条件の問題についてはどうなってるの?)

▼社長が豪語するくらいだから食べてみるかと、今日の昼さっそく近所のすき屋に行ったヌルボ(笑)。メニューを見てアララと思ったのが、その表紙にでかでかと、うな牛の写真。うーむ・・・。それは当然避けて、特うな丼を注文。で、感想は「なるほどね」。一般の店に比べると980円は1000円を切っている点でお得感はあるでしょう。しかし安価がウリの牛丼チェーン店のメニューの中では絶対値的に高いと思われるかも・・・。

▼サークル仲間の飲み屋談義に戻ります。韓国のうなぎ料理は、私ヌルボは食べたことはないですが、他の面々は晋州で名物のうなぎを食べたことがあるとか。しかし日本の蒲焼が一番!というやっぱりねー、の評価。しかし皆さん、韓国のうなぎには忌避感はないようです。

▼忌避感といえば、ヌルボも初めて聞いた20年ばかり前のTヒョンの体験談。ソウルのタバン(茶房)でコーヒーを注文したら、なんとウズラの生卵入りのコーヒーが出てきたとのこと。うーむ・・・。当時のタバンにはアガシがいて、ちょいとヤバい裏商売と密接不可分だったから、その関係の精力剤という意味合いだったのだろう、というのがTヒョンによる推察。帰宅後ネット検索したら、10年くらい前に「鶉の卵を入れるのがコリアンコーヒー。今、ソウルで流行っているらしい」という不確実情報があるにはあったが・・・。

▼最近読んだ週刊誌(?)で、フランス人を美味しいドリップコーヒーを淹れる店に案内したところ、そのフランス人が帰国後、「日本でやたら薄い、お茶のようなコーヒーを飲まされた」とか何かに書いていた、というような記事を読みました。エスプレッソに慣れ親しんでいるフランス人ならさもありなん。ヴェトナムに行ったこともあるTヒョン、やはり昔は仏領とあってコーヒーも濃いフランス式だったそうです。

▼これまた最近読んだ金栄勲「韓国人の作法」(集英社新書)はあっという間に読める本です。その中に、かつてコーヒーは貴重品だったため、昔の韓国人は薄いコーヒーを飲んできた。現代も韓国人は薄いコーヒーに慣れているという記述があります。

▼その「韓国人の作法」という本は韓国文化の諸分野にわたる64項目についてQ&A形式で各々2ページ前後で説明をつけています。その中にどうして韓国人はご飯とおかずを混ぜて食べるの?とかどうして韓国人は一人で食堂に行くのを不自然に思うの?というものも。前者については「味の破壊というわりは新しい味を作り出すのではなかろうか?」という何とも平凡な説明。後者については「何か変で寂しそうに見える」と書きながらも、「一人で食事をする韓国人が増えている」と冒頭で述べている点はやっぱり、です。

      
 【「韓国人の作法」で紹介されていた韓国のさしみ丼(フェドッパプ)。野菜もたくさん入っていて、当然かき混ぜて食べる。】

▼韓国の「混ぜて食べる」文化について。前川さんのコメントによれば、
ビビンパは、かつては混ぜて食べるものではなく、日本のまぜご飯のように初めから混ぜて茶碗に盛られたのだという話が、「韓国の食」(平凡社)に出てきます。「韓国人はなんでも、親の敵のように混ぜてから食べるのが伝統だ」という説は、はたして「伝統」と呼べるほど古いのかどうか、疑問があります。また、都の上流階級の人々も、あのようにガシャガシャとかき混ぜて食べていたのかどうか、疑問に残ります・・・とあります。
 ピビンバの起源については諸説あるようですね。たまたま図書館で借りて手許にあった「韓国食生活史」(藤原書店)という姜仁姫(カン・インヒ)先生(1919~2001)の労作にはどう書かれているかなと開いてみれば、なんと全く記述なし! これはオドロキ。そのことに意味がありそう・・・。

▼以上、次から次へ、シリトリ式に書き連ねましたが、食習慣も、食事の作法等も、たかだか数十年の間にもけっこう変わるものだなあと思いました。
 また、複数の食べ物の取り合わせや、混ぜることに対する日本人の抵抗感についても書きましたが、逆に韓国の人たちが眉をひそめるような料理や食材があるとしたらどんなものか、知りたいところです。韓国人の先生が地震の後ソウルに帰っているので、すぐ訊けないのが残念。

雑談&雑考:韓国の食文化  カレー、のり巻き、うな丼、コーヒー等々(上)

2011-07-03 23:55:41 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 1つ前の記事→<この<ごちゃ混ぜ・てんこ盛り>が食べられますか? 韓国料理通への高いハードル>の続きの記事です。

▼当ブログの、最近の韓国の食文化関係の記事について、前川健一さんから懇切なコメントをいただいています。
 ※前川健一さんは、ご存知の方も多いと思いますが、タイをはじめ東南アジアを中心とした食文化を、ご自身の旅行体験等もふまえ多角的な観点から紹介した本を多数著してこられた方です。
 1つ前の記事で私ヌルボ、なりゆきで「カレーライス等も最初に思い切り混ぜて食べる人は少ないでしょう」と書いてしまいました。
 ところが前川さんのコメントによるとかつて、関西ではライスカレーをごちゃまぜにするのが普通で、おそらく、1950~60年代くらいまでは、日本人の多くは、ライスカレーをぐしゃぐしゃ混ぜてから食べていたと思いますとのこと。
 実は私ヌルボの子ども時代、明治生まれの父親がカレーライスを混ぜて食べていたので、そういうものだと思って混ぜて食べていました。その後、混ぜないで食べる方が見た目もいいし美味しいと思うようになったのと、兄から混ぜないで食べるのがふつうらしいぞという話を聞いたのが同じ頃(1960年代半ば頃)ではなかったかと思います。
 地方出身の父が東京で学生生活を送るようになった昭和初期は、ウィキの「カレーライス」の項を見ると、現ハウス食品や現エスビー食品がカレールウを発売したり、須田町食堂をはじめとした廉価なカレーライス、新宿中村屋や資生堂パーラーでは高級カレーライスがメニューに載せられるというように、カレー文化が花開いた時期。父は当時流行のモボではなかったと思いますが、都会のカレー文化を享受した初期の世代といえるかも・・・。「混ぜない派」に転向したヌルボの目には、混ぜて食べている父が「田舎者」のように見えたものですが、今考えてみるとそれは誤解だったようです。

▼カレーの「混ぜる」派と「混ぜない」派の現況について。2008年のヨミウリオンラインでの投票では
「混ぜる」派が36.9%、「混ぜない」派が62.3%、「その他」が0.8%で、「世間の“主流”は「混ぜない」派なのだろう」と結論づけています。

▼カレー南蛮は1909年に目黒の蕎麦屋・朝末庵が最初。カレーパンは1927年に森下町のパン屋・カトレアが考案したそうです。カレー南蛮が100年以上前というのは意外でした。私ヌルボ、カレー南蛮やカレーうどんといった「異種混合」にはずっと忌避感があり、「意を決して」近所の有名店でカレーうどんを初めて食べたのがやっと3年ほど前。その1回きりです。

▼さて、前回の記事で紹介した済州島・西帰浦のモダクチギのような韓国の異種混合B級グルメについて。
 前川さんはB級グルメが見た韓国」(文春文庫)について言及されています。「海苔巻きにカレーがかかっている表紙が衝撃的だった」というものです。(下写真)

      

 文春文庫のB級グルメシリーズは何冊か読みましたが、この本は、まだ「韓国文化の海」に乗り出す少し前の1989年発行で、読んだという記憶はありません。たまたま昨日のハングルサークルの2次会で話題にしたところ、さすがにお酒の好きなTヒョン(兄)は読んでました。カレーのかかったのり巻きについて、その場の数人の間では「日本の料理人だったら、こんなものは認めないよ」との厳しい意見が大勢でした。

▼「B級グルメが見た韓国」、入手して読んでみようと思います。20年以上経っているので、店も街も、日韓両国の食習慣も変わって当然でしょう。表紙になっていた鍾路2街の路地裏の店はもうないのか、ネット検索しても見つからず。
 現況はどうかなと「카레(カレー) 김밥(キムパプ)で検索したところ、市販のものではありませんが、「カレーキムパブを作ってみました」というサイトがいくつか。カレーピラフ(orカレー粉等を電気釜に入れて炊き込んだご飯)に具を挟み込んで海苔を巻いたものです。下の写真を見て、美味しそうと思いますか? それとも・・・・?

    

▼日本のコンビニでは何年も前からカレーおにぎりが売られています。海苔の巻いてあるものもありますが、全体を覆ったものはないようです。
 カレーかけのり巻きに異を唱えていたサークル仲間の1人、何でも知ってるS谷氏もカレーおにぎりはなんら問題ないようす。しかし、「ダメ!」と「OK」の境界は奈辺にありや?

(下)につづく

この<ごちゃ混ぜ・てんこ盛り>が食べられますか? 韓国料理通への高いハードル

2011-07-01 18:29:23 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 私ヌルボが思うに、韓国料理に抵抗を感じる人の理由は、
①コチュジャンが好きではない(辛さ、色)
 ・・・という理由がたぶんトップでは? これについては今回は書きません。

②食材に抵抗感がある。ポンデギ(カイコのサナギ)とか犬肉とか・・・。
 ・・・これについても今回は書きません。

③量が多すぎる。
 ・・・これについても今回は書きません。あ、ちょっと関係あるかも。

 で、今回書くのは、次の④・⑤について。
④かき混ぜて食べるものが多く、抵抗感がある。 
⑤(自分的には)ありえない組み合わせの料理が同じ皿や鍋に入っている。


 2010年1月2日の記事「ビビンバの世界化は可能? 産経・黒田勝弘・韓国支局長の記事論議」で、韓国人は一般に複合した味を好むようだ、ということを書きました。
 日本人でちらしずしをかき混ぜて食べる人はほとんどいないし、カレーライス等も最初に思い切り混ぜて食べる人は少ないでしょう。
 とはいえ、最近複数の味のミックスを楽しむ人が増えつつあるような気もします。先日近所のすき屋のメニュー中に「うな牛」というのがあることを初めて知り、少し驚きました。そりゃあ、うな丼も美味いし、牛丼も食べたくなりますよ。だからって、1つの丼に両方入れるのはどうなの?  
 しかし、「うな牛」というメニューがあるからには食べようという人も相当数いるということでしょうね。

 韓国料理について、上記の③~⑤あたりも、「全然問題ないよ。韓国料理、好きだよ」という方、では次の写真の感想はいかがでしょうか? どどーんときますよ! 

         どどーん!!
  


 これは八田靖史さんの韓食セミナーで教えていただいた済州島・西帰浦(ソグィポ)の名物メニューモダクチギ(모닥치기)。モダク(모닥)はモドゥ(모두.全部)の方言。食べたいものを全部ぶっ込んだ、という意味のようですね。
 キムパプ(のり巻き)、ギョーザ、トッポッキ、サツマイモの天ぷら、玉子、キムチジョン、おでんも入ってるかな? とにかくいろんなものが1つの皿に盛られています。
※関連韓国ブログ→コチラ

 どうですか? この写真を見て、食欲をそそられるか? それとも逆に食欲がなくなるか?

 この写真を何人かの人に見せたら、分量もさることながら、のり巻きがこの赤いおつゆ(トッポッキのスープ)に浸かっているあたりに抵抗感を感じる人が多いようです。

 これについて思い出したのが韓国で近年店舗数が急増しているチェーン店キムパプ天国について書かれた<アラフォー韓国マニアの果てなき野望!>というブログ中の記事。「あなたも韓国通?韓国の安食堂「キンパプ天国」の楽しみ方」と題して、次のようなことが書かれていました。
 キンパプ天国のメニューに「ラポッキ(라볶이)」があります。これはラーメン(라면)とトッポッキ(떡볶이)の合成語で、もち(トク.떡)の代わりにラーメンが入っているもの。
 そして、キムパプを食べる時には、このラポッキやトッポッキを頼むのが韓国通とのことです。理由は、キムパプを、ラポッキまたはトッポッキのタレにつけて食べるというもの。「これが韓国式のようだ」とのことです。そういえば、八田靖史さんもそんな話をされてましたね。

 さて、入門~初級レベルの韓食ファンの皆さん、このあたりのハードルはふつうに超えられますか? 私ヌルボは知識を仕入れるだけで、実践レベルでは永久に初級者です。

※上述のモダクチギ、韓国ブログを見ると<大>が6000ウォンで<小>が4000ウォン。その他にトンカツモダクチギ(8000ウォン)とかチーズモダクチギ(7000ウォン)、そして爆弾モダクチギ(1万ウォン)というのもあるんですね。
 写真を見て俄然食欲がわき起こったという方は済州島に行ったらぜひ召し上がってみてください。