ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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この<ごちゃ混ぜ・てんこ盛り>が食べられますか? 韓国料理通への高いハードル

2011-07-01 18:29:23 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 私ヌルボが思うに、韓国料理に抵抗を感じる人の理由は、
①コチュジャンが好きではない(辛さ、色)
 ・・・という理由がたぶんトップでは? これについては今回は書きません。

②食材に抵抗感がある。ポンデギ(カイコのサナギ)とか犬肉とか・・・。
 ・・・これについても今回は書きません。

③量が多すぎる。
 ・・・これについても今回は書きません。あ、ちょっと関係あるかも。

 で、今回書くのは、次の④・⑤について。
④かき混ぜて食べるものが多く、抵抗感がある。 
⑤(自分的には)ありえない組み合わせの料理が同じ皿や鍋に入っている。


 2010年1月2日の記事「ビビンバの世界化は可能? 産経・黒田勝弘・韓国支局長の記事論議」で、韓国人は一般に複合した味を好むようだ、ということを書きました。
 日本人でちらしずしをかき混ぜて食べる人はほとんどいないし、カレーライス等も最初に思い切り混ぜて食べる人は少ないでしょう。
 とはいえ、最近複数の味のミックスを楽しむ人が増えつつあるような気もします。先日近所のすき屋のメニュー中に「うな牛」というのがあることを初めて知り、少し驚きました。そりゃあ、うな丼も美味いし、牛丼も食べたくなりますよ。だからって、1つの丼に両方入れるのはどうなの?  
 しかし、「うな牛」というメニューがあるからには食べようという人も相当数いるということでしょうね。

 韓国料理について、上記の③~⑤あたりも、「全然問題ないよ。韓国料理、好きだよ」という方、では次の写真の感想はいかがでしょうか? どどーんときますよ! 

         どどーん!!
  


 これは八田靖史さんの韓食セミナーで教えていただいた済州島・西帰浦(ソグィポ)の名物メニューモダクチギ(모닥치기)。モダク(모닥)はモドゥ(모두.全部)の方言。食べたいものを全部ぶっ込んだ、という意味のようですね。
 キムパプ(のり巻き)、ギョーザ、トッポッキ、サツマイモの天ぷら、玉子、キムチジョン、おでんも入ってるかな? とにかくいろんなものが1つの皿に盛られています。
※関連韓国ブログ→コチラ

 どうですか? この写真を見て、食欲をそそられるか? それとも逆に食欲がなくなるか?

 この写真を何人かの人に見せたら、分量もさることながら、のり巻きがこの赤いおつゆ(トッポッキのスープ)に浸かっているあたりに抵抗感を感じる人が多いようです。

 これについて思い出したのが韓国で近年店舗数が急増しているチェーン店キムパプ天国について書かれた<アラフォー韓国マニアの果てなき野望!>というブログ中の記事。「あなたも韓国通?韓国の安食堂「キンパプ天国」の楽しみ方」と題して、次のようなことが書かれていました。
 キンパプ天国のメニューに「ラポッキ(라볶이)」があります。これはラーメン(라면)とトッポッキ(떡볶이)の合成語で、もち(トク.떡)の代わりにラーメンが入っているもの。
 そして、キムパプを食べる時には、このラポッキやトッポッキを頼むのが韓国通とのことです。理由は、キムパプを、ラポッキまたはトッポッキのタレにつけて食べるというもの。「これが韓国式のようだ」とのことです。そういえば、八田靖史さんもそんな話をされてましたね。

 さて、入門~初級レベルの韓食ファンの皆さん、このあたりのハードルはふつうに超えられますか? 私ヌルボは知識を仕入れるだけで、実践レベルでは永久に初級者です。

※上述のモダクチギ、韓国ブログを見ると<大>が6000ウォンで<小>が4000ウォン。その他にトンカツモダクチギ(8000ウォン)とかチーズモダクチギ(7000ウォン)、そして爆弾モダクチギ(1万ウォン)というのもあるんですね。
 写真を見て俄然食欲がわき起こったという方は済州島に行ったらぜひ召し上がってみてください。

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2 コメント

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まぜる (前川)
2011-07-02 02:03:26
 釈迦に説法ですが、コメントをいくつか。『B級グルメが見た韓国』(文春文庫)が衝撃的作品だったのは、表紙が海苔巻きにカレーがかかっていたからですね。
 ビビンパは、かつては混ぜて食べるものではなく、日本のまぜご飯のように初めから混ぜて茶碗に盛られたのだという話が、『韓国の食』(平凡社)に出てきます。「韓国人はなんでも、親の敵のように混ぜてから食べるのが伝統だ」という説は、はたして「伝統」と呼べるほど古いのかどうか、疑問があります。また、都の上流階級の人々も、あのようにガシャガシャとかき混ぜて食べていたのかどうか、疑問に残ります。
 とはいえ、かつて、関西ではライスカレーをごちゃまぜにするのが普通でした。高島屋のカレーでも、生タマゴがのせてあったので、ソースをかけて、グチャグチャにして食べるのが関西の伝統でした。だから、「それなら、初めから混ぜて客に出そう」というのが、自由軒のカレーです。おそらく、1950~60年代くらいまでは、日本人の多くは、ライスカレーをぐしゃぐしゃ混ぜてから食べていたと思います。ライスカレーをカレーライスと呼び変えるようになって、混ぜないで食べる人が増えたようです。ちょうどその時代ころから、味噌汁をご飯にかけて食べる人も減ってきたと思います。
 こういうことも踏まえて、韓国と関西文化について誰か考察しているでしょうか?
 私が、なぜ韓国料理にすぐ飽きるのかといった話などは、また別の機会に。それはそうと、「食客」などを見て、私が想像していたように、日本料理が世界でもてはやされているのが、韓国人はなんとも悔しいという事情はよくわかりますね。
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そういえば・・・ (ヌルボ)
2011-07-03 10:12:43
カレーライスについては、大正時代頃に普及したということ以外はほとんど知りませんでした。実は私の家族の場合も、明治生まれの父親はカレーライスを混ぜて食べていました。そして私と兄も。1960年代初め頃です。

その他、いろいろ示唆に富むコメントをいただき、ありがとうございました。
関連していくつか私なりに考えたりちょっと調べてみたりしましたが、長くなりそうなので、別に記事を立てることにしました。
一つのことを知ると、さらに新しい疑問が生じてきてキリがなくなってしまいます。まあそれはそれでおもしろいのですが・・・。
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