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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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90年代、ブーム以前の珠玉の韓国映画がいっぱい!  付録:NHKアジア映画劇場 放映作品リスト(2)

2012-10-17 23:02:22 | 韓国映画(&その他の映画)
 本ブログ2011年7月11日の記事<アジア映画は名作・秀作の宝庫 付録:NHKアジア映画劇場 放映作品リスト(1)>が、続きも書かないまま1年以上ほったらかしになっていました。・・・というか、忘れかけていたのですが、shigeikoさんからコメントをいただいてそのことに気づきました。
 気を取り直して、続きを取り急ぎまとめました。

 今回のリストは1993~96年放映の49作品を掲載。
 この中で私ヌルボ自身テレビで視聴したのは、ちゃんと覚えていませんが、10数本かなあ?
 その他映画館で観たものが10本ちょっと。ビデオやDVDで観たのが少し。全然知らない作品もたくさんありますが、韓国映画7本は全部そのいずれかで観ています。

 さて、およそこの30年ばかりの韓国映画の歴史をたどると、大きな画期となった作品が「風の丘を越えて/西便制」(1993年.日本公開1994年)でしょう。韓国の映画興行記録を塗り替え、大鐘賞6部門等多くの映画賞に輝いて、韓国映画復活のきっかけをつくった作品です。(パンソリへの関心も高めました。) 
 次に、日本のファンが韓国映画に目を向けるようになったのが1999~2001年頃。
 それまでの韓国映画のイメージを打ち破った「シュリ」(1999年.日本劇場公開2000年)「共同警備区域 JSA」(2000年.日本劇場公開2001年)がとくに注目されました。その他にも「八月のクリスマス」(1998年.日本劇場公開1999年)「ペパーミント・キャンディー」(1999年.日本劇場公開2000年)のような佳作も新たな韓国映画ファンを生み出しました。
 
 以後の韓国映画については、多くのファンの知るところで、私ヌルボよりもたくさん観ている人や、すごく詳しく知っている人もた~くさんいらっしゃいます。それにともなって、日本で公開される韓国映画も玉石混交になってしまって、それがヌルボが観る比率が減った一番の理由です。

 今あらためてアジア映画劇場で放送された韓国映画を見ると、ヌルボ個人としては今世紀に入ってからの作品よりも、この時期の方が心の深いところで共感できる作品がそろっていると思います。「チルスとマンス」「鯨とり コレサニャン」「神様こんにちは」「われらの歪んだ英雄」「キル・ソドム」「風の丘を越えて 西便制」「あの島へ行きたい」の7本。
 共通するのは、伝統社会や、歴史的・政治的な問題を背景に、「恨(ハン)」というのか、全体的に哀しみを帯びた作品であるということ。日本でいえば、1970年以前という雰囲気でしょうか?
 いろんなところで書いていることですが、日本では1970年から今までの40年間を、韓国では90年以降日本の倍の速さで走ってる感じだから、どうも最近の韓国映画は「昭和の」日本人であるヌルボには合わなくなってきてるのかも・・・。桜木町で降りても、MM方面よりも断然野毛~黄金町方面の方が落ち着くもんなー。

 ついでに、リスト中から韓国映画以外でとくにこれはという作品をあげると、まずは躊躇なく「友だちのうちはどこ?」。それから「魔法使いのおじいさん」。インド映画で過去つまらないと思ったものはなかったんじゃないかなー? もう1つは、うーむ、「青島アパートの夏」にしておくか。あまりよく覚えていないけど、良かったという印象は残っています。

※続きはあと1回。→コチラです。

  NHKアジア映画劇場放映作品リスト(その2)

放映年.月.日.「作品名」.公開年.国.監督
1993.1.24.チルスとマンス.1987.韓国.朴光洙(パク・クァンス)
1993.2.21.蕭蕭(シャオシャオ).1986.中国.謝飛(シェ・フェイ)、烏蘭(ウー・ラン)
1993.3.14.バシュー、小さな異邦人.1986.イラン.バフラーム・ベイザイ
1993.4.18.t大河のうた.1956.インド.サタジット・レイ
1993.5.6.ロック青年.1988.中国\t田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)
1993.6.20.勇者の道.1991.タイ.ユッタナー・ムクダーサニット
1993.7.18.鯨とり コレサニャン.1984.韓国.裴昶浩(ペ・チャンホ)
1993.8.15.レイハネ.1990.イラン.アリレザー・ライーシャーン
1993.9.12.黒いサボテン.1991.ベトナム\tレー・ザン
1993.10.10.パシコムおじさん.1991.インドネシア.ハエルル・ウマム
1993.12.12.虎男.1990.インド.ブッダーデフ・ダスグプタ
1994.1.16.マニラ・光る爪.1975.フィリピン.リノ・ブロッカ
1994.2.6.女児楼.1985.中国.胡玫(フー・メイ)・李暁軍(リー・シャオジン)
1994.2.20.カップ・ファイナル.1991\tイスラエル.エラン・リクリス
1994.3.13.神様こんにちは.1987.韓国.裴昶浩(ペ・チャンホ)
1994.4.10.心の香り.1992.中国.孫周(スン・チョウ)
1994.5.15.静か過ぎる町.1986.ベトナム.レー・ドゥック・ティエン
1994.6.12.ゴビの蜃気楼.1980.モンゴル.R・ドルジパラム
1994.7.17.追われた人々.1990.インド.G.アラヴィンダン
1994.8.14.黄昏のかなたに\t1989.香港.張之亮(ジェイコブ・チャン)
1994.10.9.魯冰花(ルービンファ).1989.台湾.楊立国(ヤン・リ-クォ)
1994.11.6.タクシー.1890.インドネシア.アリフィン・チェ・ノール
1995.1.1.悲情城市.1989.台湾.侯孝賢(ホウ・シャオシェン)
1995.1.22.われらの歪んだ英雄.1992.韓国.朴鐘元(パク・ジョンウォン)
1995.2.5.青島アパートの夏.1992.中国.黄建新(ホアン・チエンシン)
1995.2.19.チャルラータ.1964.インド.サタジット・レイ
1995.3.12.キル・ソドム.1985.韓国.林権澤(イム・グォンテク)
1995.4.16.光陰的故事.1982.台湾\t張毅その他(オムニバス)
1995.5.7.黒薔薇VS黒薔薇.1992.香港.劉鎮偉(ジェフ・ラウ)
1995.6.4.枷(かせ).1991.モンゴル.ナンサーリン・オランチメグ
1995.6.25.ウェディング・バンケット.1993.台湾.李安(アン・リー)
1995.7.16.少年時代.1993.トルコ.メムデュー・ユン
1995.8.13.風の丘を越えて 西便制.1993.韓国.林権澤(イム・グォンテク)
1995.10.22.春桃(チュンタオ).1988.香港・中国.凌子風(リン・ツーフォン)
1995.11.9.いとしのハニーちゃん.1993.トルコ.ペイ・オカン
1996.1.1.友だちのうちはどこ?.1987.イラン.A.キアロスタミ
1996.1.7.つきせぬ想い.1990.香港.爾冬陞(イー・トンシン)
1996.2.4.香魂女・湖に生きる.1993.中国.謝飛(シェ・フェイ)
1996.2.18.ナルゲス.1992.イラン.ラフシャーン・バニー・エッテマー
1996.3.10.魔法使いのおじいさん.1979.インド.G.アラヴィンダン
1996.4.21.哀戀花火.1993.香港・中国\t何平(フー・ピン)
1996.5.12.三つの宝石の物語.1995.パレスチナ・ベルギー.ミシェル・クレイフィ
1996.6.16.天使への手紙.1993.インドネシア.ガリン・ヌグロホ
1996.7.21.北京好日.1992.香港・中国.寧瀛(ニン・イン)
1996.9.8.あの島へ行きたい.1994.韓国.朴光洙(パク・クァンス)
1996.9.15.遠い雷鳴.1973.インド.サタジット・レイ
1996.10.6.オリーブの林をぬけて.1994.イラン.A.キアロスタミ
1996.11.17.暗戀桃花源.1992.台湾.頼聲川(スタン・ライ)
1996.12.29.孔雀の家.1995.タイ・日本.チュート・ソンスィー


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (yohnishi)
2012-10-18 23:10:20
 私も、この時代(韓流前)の韓国映画は思い入れがありますね。個人的な韓国映画のベスト1は、未だに『西便制』です。DVDで時々自宅で見直しています。

 韓国映画以外なら、やはりこの中で見たのは20本教というところですが、キアロスタミやアラヴィンタンも良いけど、個人的にはエラン・リクリスの『カップ・ファイナル』をベストに選びたいですね。
 エラン・リクリスの視点の良さを発見させられた映画でもあります。 
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やっぱり。 (ヌルボ)
2012-10-19 01:04:33
次の記事からリンクを張っておきましたが、私の「韓国映画ベスト20」は①「神様こんにちは」②「風の丘を越えて ~西便制」③「息もできない」で、今後よほどのことがないかぎり変わらないでしょう。客観的にみれば「西便制」の方が上だとは思いますが、「神様こんにちは」には個人的に思い入れがあるので・・・。

「カップ・ファイナル」は残念ながら未見。「シリアの花嫁」は岩波ホールで観たのですが・・・。
「yohnishi's blog」を拝読すると、US版のDVDでご覧になっているのですね。うらやましいことです。
返信する
催促したみたいで・・・。 (shigeiko)
2012-10-25 11:31:06
すいません。大変な作業だったと思います。

私も神様こんにちはは大好きでした。その次に放映された心の香りもよく覚えています。西便制に多少趣が似ているかもしれませんね。

ホント珠玉の名画を惜しげもなく放映してくれたものです。再度みたいと思っても難しい作品が多数・・・。

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おかげさまで・・・ (ヌルボ)
2012-10-25 16:13:56
以前のメモがあったので、そんな大変な作業でもありませんでした。
おかげさまで、ほったらかしになっていた記事を終えることができました。
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