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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

「朝鮮日報」の記事にビックリ! 秘密のはずの高校別成績を公開

2009-10-16 22:45:07 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 いやー、驚いた! 驚きましたよ~。
 何がって、12日の「朝鮮日報」のトップ記事。今日図書館で見たんですがね・・・。

 見出しはこうです。

 「修能 国英数」 大元外高1位、民史高2位
  2002余高校の昨年の成績入手・・・ 数理領域100点以上の差、学力格差深刻」

 <修能>とは<大学修学能力試験>のことで、日本のセンター試験に相当します。
 つまり、「朝鮮日報」では全国の高校別の成績を入手して、国・英(外国語)・数3科目の平均点合計点上位30校と、各教科別の平均点上位100校の実名を表にして紙面に載せたのです。

 日本に置き換えて説明すると、センター試験の平均点の高い高校を順位づけして実名で載せた、というようなものです。
 韓国の各高校の生徒や教員、中高生の親等で、月曜の朝この記事を見てびっくりした人はたくさんいたのではないでしょうか?

 この試験は1994年に始まりましたが、高校別の成績が外部に公開されたのは初めてです。
 記事によると、政府が公式に発表した資料ではなく、国会の教育科学委員会で教育科学技術部(日本の文科省に相当)が所属議員に内部資料として提出したもので、それをハンナラ党のチョ・ジョンヒョク議員が<学校間・地域間・所得階層間の格差が予想を越えて深刻>と分析し、あえて「朝鮮日報」を通じて公開したとのことです。
 さらに「朝鮮日報」は、12日に続き13・14日にも関係資料と分析記事を連続して掲載しました。

 この記事の前提として、現在の韓国の高校制度をめぐる論議があります。
 とくに<高校平準化制度>。これは苛酷な受験競争の弊害を是正する目的で1970年代から進められているもので、日本でも1970年頃から各県で進められていった<学校群制度>、<総合選抜制度>のようなものです。
 この<高校平準化制度>はまずソウルをはじめとする大都市では実施されたのですが、地方では住民の反対等もあって未実施の所も多いようです。
 今回の資料によると、「<平準化>といいながらも非常に大きな格差があることがわかった」ということですが、それなら特に上位校を実名で載せる必然性はないし、私ヌルボとしては、やっぱり<別の意図>があると勘繰らざるをえません。「特ダネで新聞を売ろう」だけじゃなくて・・・。

 日本での学力テスト結果の公開の是非をめぐる議論と同じ図式で、韓国でも概して保守系のメディアは<名門校の維持>や<成績公表に賛成>の立場で、進歩系のメディアは<学校間格差の解消>と<成績公表に反対>の立場をとっています。

 今回の「朝鮮日報」の抜き打ち的・抜け駆け的公表に対して、案の定、反政府的な「京郷新聞」等は、即座に「高校の入口からすでに差がある」「学力格差の要因は多様」等々の批判記事を掲載しました。
 またネット上でも「「朝鮮日報」は正気か!?」とか、「「朝鮮日報」は<パンドラの匣>をあけてしまった」等、激しい憤りの意見も見られます。
 一方、「この記事の何が悪いの?」という反応もあって、論争となっているサイトもあります。

 当然反対の側の教員の組合に対し、「朝鮮日報」連載の「朝鮮漫評」では下のように冷笑的に非難しています。

     
(全教組)「学校に序列をつけるな~」 (親たち)「ダメだったら、もっとちゃんと教えようと考えないで・・・・」

 ある筋では、この<情報流出>はチョ議員と「朝鮮日報」だけの話でなく、背後に政府・教育科学部の意図がある、と推察しています。

 さまざまな問題を抱える韓国の教育の状況と、それに対する考え方の違いを象徴する問題といえるかもしれません。

 次回は、肝心のこの資料の内容(高校制度と大学進学の状況について見てみます。
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鶴見の三ツ池公園にあるコリア庭園はおすすめ!

2009-10-15 16:24:12 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
     

 8月末に横浜市鶴見区の県立三ッ池公園に行ってきました。より正確には、そこにあるコリア庭園に行ってきたということです。

 以前1度行ったことはあるのですが、ずいぶん前のことなので、ほとんど記憶に残っていませんでした。
ただ、コリア庭園が造られたのは1990年なので、その年以降であることはたしかです。

 その年に、神奈川県は京畿道と友好提携を結んだということで、その記念として造られたというわけです。
 したがって、「設計施工に当たっては韓国京畿道の全面的な協力を受けており、韓国庭苑家の監修のもと、造園専門家の参加もあったのらしい。建物の瓦や石灯籠、庭石なども韓国の資材の寄贈を受けた」ということです。

 鶴見在住の方から以前伺ったところによると、当初こしらえた庭園は、あまりにも日本風に整え過ぎたために、「これでは韓国式庭園とはいえない」ということで、ほとんど自然のままの、韓国らしい庭園に造り直したとのことでした。

 そういえば、名著「「縮み」志向の日本人」に次のような一文がありました。

 著者の李御寧先生は、評論家・吉村貞司の「沈黙の日本美」を引用しています。

 「私はソウルで秘苑を見ている。・・・・あまりにも丘陵のままであり、自然林のままでありすぎた。・・・・私には庭園以前を思わせた。山そのものは、いかに景観にめぐまれていても庭ではない。それが日本人の感覚である。」

 これに対して、李御寧先生はうれしさ一杯という感じで記しています。

 「秘苑に対して、また韓国の庭園に対しておそらくこれ以上の讃辞はないでしょう。なぜなら、庭園という感じがない自然そのままの錯覚を抱かせるのが、ほかならぬ彼らの理想とする造園術だからです。

 うーむ、ですなー・・・・。しかし、だからといって韓国の造園師の皆さん、仕事しないでほったらかしというわけでもないんですよね? ・・・ってちょっと聞いてみたい気もしますが・・・・。

     
      【観自亭】

 まあとりあえず、久々にコリア庭園に行ってみた感想ですが、思ったよりも広く、また庭園だけでなく、いかにも朝鮮、といったチャンスンとかヘテ(善悪を見分けることのできる想像上の動物。日本の狛犬のようなもの、かな?)とか、チャントクテ(醤油や味噌等を入れた甕の置き台)もあります。
 また建物(別堂「通友齋」は中に入れて、いろんな調度を見学できるようになっています。
 植物も、それぞれに何らかの意味のあるものが植えられています。
     
      【入口付近にあるチャンスン】

     
      【想像上の動物ヘテ】

     
      【通友齋の中】

     
      【チャントクテ】

 ・・・・ということで、朝鮮文化に興味のある人にはぜひお薦めです。入園料も無料だし・・・。ただ、車でなければ鶴見駅(または新横浜駅)からバスというのがちょっとツライところ・・・・。私ヌルボは愛車のスーナー(台湾製原付)で行きましたが・・・・。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月9日(金)~11日(日)]

2009-10-14 18:22:10 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 めっきり涼しくなって、本格的な<芸術の秋>だというのに、日本映画は秋を通り越して、実にさむ~い状況です。「忙しくても観るぞ」レベルは皆無、「ヒマだから観てみるか」レベルの映画もなかなか見当たらないという惨状です。9日の「毎日新聞」夕刊の映画欄でも嘆いてました。

 ちなみに、1953年の「キネマ旬報」ベスト10を見てみると次のようになっています。

①にごりえ(今井正)②東京物語(小津安二郎)③雨月物語(溝口健二)④煙突の見える場所(五所平之助)⑤あにいもうと(成瀬巳喜男)⑥日本の悲劇(木下恵介)⑦ひめゆりの塔(今井正)⑧雁(豊田四郎)⑨祗園囃子(溝口健二)⑩縮図(新藤兼人)。

 作品といい監督といい、すごいとしかいいようがないです。「雲流るる果てに」(家城巳代治)なんて名作も番外だもんなー。

 それにひきかえ、今はなんともトホホです。情けないっす。(涙&涙涙)
 思うに、今の日本映画関係者には、世の中に対する見方において、何か決定的に欠けているものがあるようですね。

 その点、韓国映画の方が現時点ではかなり優っていると思います。

 ・・・・と無理やり本題につなげて、その韓国の現況を見てみましょう。

     ★★★ Daumの人気順位(10月14日現在上映中映画) ★★★
                   (順位:映画名:評点:投票者数)

【ネチズンによる順位】

①国家代表(韓国)   9.6 (7487)
②飛べ、ペンギン(韓国)  9.4 (46)
③クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!(日本)  9.2 (42)
④召命(韓国) 9.2 (132)
⑤ハバナ・ブルース  9.0 (26)
⑥ブラック  9.0 (936)
⑦エジャ(韓国) 9.0 (765)
⑧クイーン・ロック・モントリオール 9.0 (52)
⑨ボーイA  8.8 (50)
⑩木のない山(韓国)  8.6 (45)

 先週とあまり変わってません。③「クレヨンしんちゃん」はポイント・アップ。以前からけっこう高評価なのは知ってましたが、まだシリーズ中1本も観ていないので、ノーコメント。

【専門家による順位】

①木のない山(韓国)  8.1 (6)
②サイレント・ウェディング  7.5 (5)
③枯渇(韓国)  7.5 (2)
④ブラック  7.0 (4)
⑤静かな混沌  7.0 (3)
⑥国家代表(韓国)   6.7 (4)
⑦ボーイA  6.7 (4)
⑧サマーウォーズ(日本)  6.6 (6)
⑨クイーン・ロック・モントリオール 6.6 (3)
⑩ベラ  6.6 (3)

 コチラもあまり変化なし。⑧は今夏注目された日本のアニメ秀作、ということで、私ヌルボもこれは観なくちゃ、と思い続けてまだ観てません。
 ⑩はメキシコ・アメリカ合作のヒューマン・ドラマ。
 

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月25日(金)~27日(日)] ★★★
          韓国映画の新作2本に期待

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数・・・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・私の愛私の側に(韓)・・・・・・・・9/24・・・・・・・・179,630・・・・・・・・・・・・・・・・1,877,905・・・・・・・439
2・・炎のように蝶のように(韓)・・・・9/24・・・・・・・・160,395・・・・・・・・・・・・・・・・1,412,133・・・・・・・399
3・・チョン・スンピル失踪事件(韓)・・10/08・・・・・・148,450・・・・・・・・・・・・・・・・・175,944・・・・・・・292
4・・サロゲート・・・・・・・・・・・・・・・・・10/01・・・・・・・・130,224・・・・・・・・・・・・・・・・・649,325・・・・・・・222
5・・きみに微笑む雨(韓)・・・・・・・・10/08・・・・・・・・116,178・・・・・・・・・・・・・・・・・150,215・・・・・・・419
6・・エジャ(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・・・9/09・・・・・・・・・87,556・・・・・・・・・・・・・・・・1,727,383・・・・・・・285
7・・フェーム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/24・・・・・・・・・49,594・・・・・・・・・・・・・・・・・・594,820・・・・・・・258
8・・国家代表(韓)・・・・・・・・・・・・・・・7/29・・・・・・・・・48,391・・・・・・・・・・・・・・・・8,009,944・・・・・・・187
9・・ファイナル・デッドサーキット・・10/01・・・・・・・・43,330・・・・・・・・・・・・・・・・・・247,475・・・・・・・244
10・・ゲーマー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/01・・・・・・・・・33,468・・・・・・・・・・・・・・・・・・292,931・・・・・・・291
※このデータの出所はKOFICです。

     

 チュソク(秋夕)の連休も終わって、観客数は激減ですね。
 1・2位に変化なし。あ、「国家代表」は800万人の大台を越えましたか。
 3位は、資産管理士チョン・スンピル(イ・ボムス)が数百億ウォン代の契約を前にしたある日、婚約者(キム・ミンソン)と一緒の車からコンビニに寄ると言って降りたまま失踪。公金横領か? 拉致か? 殺人か? ・・・という内容ですが、分類するとコメディ、というところがミソですね。
 5位(上の写真)、原題は「好雨時節」。「豪雨」かなと思っちゃいましたよ(ハングル表記同じ)。「八月のクリスマス」「春の日は過ぎゆく」のホ・ジノ監督のラブ・ロマンスで、主演は「グッド・バッド・ウィアード」の3人中一番光ってた(でしょ?)チョン・ウソンと、中国人女優の高園園(カオ・ユアンユアン)。
 
 上記韓国映画新作2本、ちょっと期待できるかも・・・。
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ビミョーな映画 「地球を守れ!」

2009-10-12 22:28:50 | 韓国映画(&その他の映画)
       

 九州に行く新幹線の車中で、気になっていた韓国映画のDVD1本を一気に観ることができました。
 その映画は「地球を守れ!」。

 私ヌルボ、めぼしい韓国映画はきっちり情報を仕入れて、ほとんどは映画館で観てるつもりですが、なんとなく観ないままになってるのもあるし(「シルミド」とか「華麗なる休暇」とか・・・)、そう多くはないですが、何年も前に作られた映画で「えっ、そんな注目作があったの!?」と気がつく作品もあります。
 「地球を守れ!」は後者で、韓国映画関係のサイトをいろいろ見ていると、けっこう高い評価を得ている作品中にこの映画が多くあげられているではありませんか。
韓国では興行的にはそれほど成功した映画ではなかったものの、映画祭やDVD等を通してファンたちが急増したとのことです。
 レンタルでも出てなかったのですが、過日たまたまアマゾンにあったので購入したというわけです。

 それで、観た感想なんですが・・・。
 他のサイトでも書かれていたのですが、「喜劇かと思っていたらそうじゃなかった」。
 ヌルボも同様です。
 いや、観る人によってはやっぱり喜劇なのかも・・・。
 また、SFなのか、リアルなのか、も判然としません。

 で、ヌルボの感想もはっきりしません。名作なのか駄作なのか?!

 物語は、度重なる不幸(社会的抑圧)に見舞われた青年が、「地球を侵略しつつあるエイリアン(韓国語では外界人)をやっつけて地球を守る!」と叫んで、エイリアン(といっても実は自分を不幸にした人たち)を倒してゆく・・・、というもの。

 主人公本人は真剣なんだけど、その訴える内容は、人々に受け入れられるどころか、はっきり言って精神が病んでしまっているとしか見られないのは当然で、たぶん観客の多くもそう見るでしょう。
 その主人公の真剣さと、この映画自体のマジメさがダブる感じですねー。作品自体のマジメさは頭では理解できるものの、共感するのはむずかしい、ってとこですかねー。
 もうちょっとユトリというか、アソビというか、そんな要素があればよかったんだけどなー・・・・。
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小倉・松本清張・朝鮮

2009-10-12 21:25:36 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 10・11日と仕事で宮崎市へ。飛行機はキライなのでJRではるばる行きましたよ。
 いやー、宮崎は遠いです! って、首都圏からの話。しかし新幹線で、小倉で乗り換えてからも約5時間ですからねー。大分でリレー特急を乗り継いでからもぬわんと3時間!
 以前鹿児島に行った時に、<独立国>めいた雰囲気を感じたのですが、宮崎も<隠れた独立国>のような趣がありますね・・・。って、別に宮崎の人が<隠れ住んでる意識>があるわけじゃぜーんぜんないんですけどね。

 で、宮崎を午後2時頃発つと、もうその日のうちに帰宅するのはムリ。ということで小倉に泊って半日市内巡り。あ、区内めぐりか。

 小倉といえば、無法松もありますが、今年は何と言っても生誕100年の松本清張ですね!
※今年生誕100年の作家といえば、他に大岡昇平・埴谷雄高・中島敦・太宰治。すごいなー、太宰以外は・・・。

 ・・・・ということで、行ってきましたよ、松本清張記念館へ。

 感想はというと、ただ「すごいなー」の一言です。もちろん記念館がじゃなくて、松本清張その人が、ですよ。生涯の著作が約1000冊。推理小説から歴史小説、評伝、邪馬台国をはじめとする古代史関係、昭和史関係ノンフィクション等々の多岐にわたるその幅広さと深さはフツーじゃないです。

 彼の<城>=書斎・書庫を東京の高井戸からそのまま移してガラス越しに見られるようになっていますが、いやあ、<汗牛充棟>とはまさにこのことですねー、立体迷路のような書庫に本がギッシリ!
 それも<密度>がハンパじゃないです。ヌルボの部屋のようなゴミ・ガラクタ・雑本のような<混じりモノ>の比率ばかり高い<物理的密度>じゃなくて、書物の<質的密度>です。古今東西の実に多方面にわたる専門書や資料が大半で、古書ファンならヨダレタラタラでしょう。版本も相当数ありました。
 たまたま目にとまった金廷鶴「韓国の考古学」という本はなぜか2冊あったりして・・・・。

 本の執筆だけでも大変なのに(口述筆記とはいえ・・・)、この膨大な資料を必要な部分に限っても読む時間があったとはオドロキというか、フシギというか・・・・。

 ここから本題です。
 テーマは「松本清張と朝鮮」。
 数多い彼の著作中、朝鮮に関わるものといえば、私ヌルボがまず思い浮かぶ作品は「北の詩人」。
 戦前プロレタリア詩人として活躍していた林和(イムファまたはリムファ)のことを初めて知りました。
※戦後<脱北>した林和のことや「北の詩人」の問題点、中野重治の有名な詩「雨の降る品川駅」に呼応する林和の詩「雨傘さす横浜の埠頭」のこと等々、関連ネタいろいろありますが、例のごとくまた今度・・・。

 また「黒地の絵」という小説もありますね。朝鮮戦争当時、戦死した米兵の死体処理を行っていたジョウノ・キャンプのあった小倉での事件を描いた作品。これもずいぶん前に読みましたが、舞台がまさに小倉だったんですねー。まるっきり記憶に残ってなかったです、はい。(汗&笑)

    ★★★ 松本清張は朝鮮・全羅北道で終戦を迎えた ★★★

 記念館で清張の年譜を見てて、「えーっ、そうだったの!」と驚いたのが、清張が1944年34歳で二等兵として陸軍に配属され、送られた先が朝鮮だったんですね。
 同年7月から京城の竜山で衛生兵として勤務し、1945年5月からは全羅北道の井邑(チョンユ)という所に移る。空襲もない平穏な田園地帯で約3ヵ月間を過ごし、そこで終戦を迎えたとか・・・。
※記念館で出した特別展パンフレット「松本清張の軍隊時代 朝鮮の風景」に載っている写真によると、竜山の当時の兵舎は今もそのままの外観で米軍施設として使われているのですね。

 以前すごく感動して読んだ清張自身による「半生の記」にその頃の思い出など書かれていたのですが、これまたすっかり忘れてしまっていました。

※上記のパンフレットに当時の京城の市街の写真が載せられています。(多くは「別冊1億人の昭和史 日本植民地史1朝鮮」より) 竜山地区と京城市街地は路面電車で結ばれていた。日本人街の本町通り(現在の乙支路)はソフト帽の男性や和服姿の女性でにぎわっている。

 当時の地図と照らし合わせてみると、先月行った戦争紀念館は当時兵営のあった所。その向かい(南側)の韓国国防部の位置に当時は師団司令部があった。

 上記パンフレットによると、彼の軍隊体験を反映した作品で、現在入手できる本として以下のものがあげられていました。

「赤いくじ」・・・『或る「小倉日記」伝』(新潮文庫)・『松本清張全集35』(文春文庫)
「市長死す」・・・『遠くからの声』(講談社文庫)・『青春の彷徨』(カッパノベルズ)
「厭戦」・・・『空白の意匠』(カッパノベルズ)・『松本清張全集38』(文春文庫)
「繁盛するメス」・・・『失踪の果て』(角川文庫)
「百済の章」「走路」・・・『絢爛たる流離』(文春文庫)・『松本清張全集2』(文春文庫)
「半生の記」・・・『半生の記』(新潮文庫)・『松本清張全集34』
「遠い接近」・・・『遠い接近』(文春文庫)・『松本清張全集39』(文春文庫)

 うーむ、読んだのは3冊、それも記憶はナシ。ということで、これからボチボチ読み始めることにします。「遠い接近」なんておもしろいかも・・・。
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972kHz 韓国 KBS社会教育放送の思い出 ★「キミルソン」と「キリムソン」

2009-10-11 00:28:57 | 韓国語あれこれ
 いやあ、ネット上にはジツにさまざまなオタクがいるものですねー!
 <ラジオ放送オタク>という人たちが相当数いらっしゃるようで、彼らのサイトの助けを借りると、日本で聞ける韓国語放送をさして苦もなく知ることができます。
 中波に限ると、どうも以下のようです。

711kHz 韓国 KBS第一放送
855kHz ピョンヤン放送
972kHz 韓国 KBS社会教育放送
1170kHz 韓国KBS WORLD Radio(日本語放送は21:00~22:00)
1206kHz 延辺人民広幡電台(朝鮮語放送)
1323kHz ロシアの声 韓国語放送

 1206kHzなど、私ヌルボも聞いてみたいとは思うのですが、これらの放送の多くは<ラジオ放送オタク>の皆さんが所持しているようなすごいラジオでないと聴けないようですね。

 しかし、972kHzや1170kHzは(時には1323kHzも)、夜になると首都圏でもけっこう聴取できるんですよ。

 現在のようにインターネットでラジオどころかテレビまで観られるようになる前、15年以上も前だったか、車で夜帰宅する時に、972kHzのKBS社会教育放送は特によく車内で聴いたものです。(カーステレオはけっこう感度がよい!)
 今でも聞き取りが苦手なヌルボですから、当時はたまに一つの単語が聞き取れればちょっとうれしいなという感じでしたが・・・。

 当時聞き取れた単語中、何といってもうれしかったのは<キリムソン>です。

 この放送の視聴者には、中国東北地方の朝鮮族の人たちが多いようだということがわかってきた頃、番組内でしばしば<キミルソン>という単語が耳に入ってきました。
 <キミルソン>=<金日成>ですね。<キム・イル・ソン>をつづめて<キミルソン>。

 何で韓国の放送なのに<金日成>が何度も何度も出てくるのだろう? ・・・と疑問を抱きながら聞いているうちに、「人名じゃなさそうだ」ということ、尋ね人のような番組だから、どうも住所とかのようだとだんだんわかってきて、さらに<フンニョンガンソン>や<ヨニョンソン>とならんで出てくることに気がついて、やっと正解がひらめきました。
 <フンニョンガンソン(흑룡강성)>は<黒竜江省>、<ヨニョンソン(요녕성)>は<遼寧省>です!

 すると、それまで<キミルソン>と思いこんでいたのは実は<キリムソン(기림성)>、すなわち<吉林省>だったのです。

 3省とも中国東北地方、朝鮮族が多く住んでいる省で、たとえば「吉林省の○○さんからのおたよりです」という内容の放送だったんですね。

 たぶん最初に<キミルソン>が多いなあ、と意識しはじめてから<吉林省>とわかるまで何ヵ月もかかったと思います。

 その後、いろんな人に「①キミルソン、②キリムソン。この違いがわかりますか?」と訊いたりしました。あるいは「金日成はキリムソン、これ正しい?」とか・・・。すぐわかる人はいませんねー。ふっふっふ。
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「女性自身」連載 カン・ドハの漫画「華麗なるキャッツビー」 

2009-10-10 23:03:53 | 韓国の漫画
 「女性自身」で4月21号からカン・ドハ作による漫画「華麗なるキャッツビー」が連載されているということを、最近になってやっと知りました。

 この漫画の原題は<偉大なるキャッツビー(위대한 캣츠비)>。韓国では第15回2005年出版漫画大賞を受賞した評価の高い作品です。

 実は私ヌルボ、スコット・フィッツジェラルドの「偉大なるギャツビー」が念頭にあったので、カン・ドハの漫画も「偉大なるギャツビー(갯츠비)」と思いこんでいましたが、ハングルをよく見なおしてみるとではなくて「キャツビー(캣츠비)」でした。(恥)。いやー、韓国語は濁音がビミョーだし、小さい字も読みづらいですねー、ははは。(典型的ワラゴマ)。
 考えてみれば、登場人物は人物じゃなくてネコ(イヌもいるか・・・)で描かれているから、それで気づくできだったですね。
 ・・・・ということで、9月1日付の記事「韓国の代表的漫画家15人」はコッソリ訂正しちゃいました。(汗&笑)

 関連で、さるサイトを見ていたら、「韓国では漫画は左側に表紙があって左ページ→右ページに読み進む組み方をしているのでは? とすると、「女性自身」では裏返しにして印刷してるの?」という趣旨の疑問が寄せられていました。

 なるほど!のするどい質問に反応したヌルボは即座に書店に赴き、「女性自身」を立ち読み(!)して確認しました。

 すると、たしかに日本の一般的な縦書きの書籍・雑誌のように「キャッツビー」の部分も右ページ→左ページという流し方になってます。
 ところが背景の店の看板等の英語は裏返しにはなっていません。つまり、各ページをタテに切って、左右を置き換えているんですね。
 よく見ると、置き換えて右側になった部分の左上の角が丸くなって、左側だった時のなごりとして残ってます。
 まさかこんなワザを使うとは予想してなかったです。元の本が複雑なコマ割りをしてなかったから可能だったということです。

 ヌルボも原本を持ってはいるのですが、あまり好みに合わなかったということもあって、1巻の途中まで読んでツンドクになったまま。一応この際実物で確認してみようと思ったのですが、わが家の混沌の中に紛れ込んでしまって見つかりませんでした。が、上記の推理でまず間違いないと思います。そのうち見つかったら確かめた上で、比較検討した証拠写真を載せようと思います。もし間違っていたら、コッソリ今日の記事を消して何もなかったことにします。
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韓国で人気の小説 韓国の作品は約2割

2009-10-06 23:42:34 | 韓国の小説・詩・エッセイ
韓国のベストセラー小説分析(1)

      *** 日本は2割、他の外国が4割を占める ***

 教保文庫のサイト内の週刊ベストセラー[小説部門]のリストを参考に、韓国で読まれている小説について分析してみました。

      
 現在、韓国のベストセラー第1・2位には村上春樹「1Q84」の上下巻が並んでいます。
 続いて今年の大ベストセラーとなった申京淑「オンマをお願い」。今も3位を保っているのは驚きです。4位はキム・ピョラの「ミシル」(ドラマ「善徳女王」の主人公)、5位は<新世代作家>キム・ヨンスの「世界の果て 彼女」、6位は「孤将」の金薫の新作「公無渡河」、7位に孔枝泳「るつぼ」、8位は例の「ムクゲノ花ガ咲キマシタ」で知られる金辰明の「千年の禁書」と韓国作家の小説が続きますが、以下は総じて外国の小説が目につきます。

 1~100位までを≪韓国≫≪日本≫≪他の外国≫でわけると、次のような数になりました。
※上下巻(orそれ以上)に分かれている作品の場合は1作品として数えたので、作品の合計数は100にはなりません

≪韓国≫ 作家数=23人  作品数=30
≪日本≫ 作家数=10人  作品数=17
≪他の外国≫ 作家数=22人  作品数=29

 上からおよそ4割・2割・4割という比率になります。

 次にその内訳を見てみましょう。

≪日本≫の作家・作品は以下の通りです。( )内の数字は順位です。複数巻の場合はすべての順位を列記しました。

・村上春樹・・・・「1Q84」(1)(2)、「ノルウェイの森」(18)、「海辺のカフカ」(39)(51)
・東野圭吾・・・・「白夜行」(9)(10)(12)、「容疑者Xの献身」(46)、「幻夜」(93)
・吉本ばなな・・・・「虹」(30)
・奥田英朗・・・・「空中ブランコ」(48)
・荻原浩・・・・「四度目の氷河期」(59)
・江國香織・・・・「左岸」(73)(80)、「冷静と情熱の間<〈ROSSO>」(97)
・鎌池和馬・・・・「とある魔術の禁書目録」(75)
・辻仁成・・・・「右岸」(78)(91)、「冷静と情熱の間<〈BLUE>」(79)
・竹宮ゆゆこ・・・・「Tora×Dora」(84)
・宮部みゆき・・・・「模倣犯」(95)

 どうですか? どんな作家が読まれているか、およそ傾向がつかめるのでは?

 一言で言えば、軽めの小説が多いですね。話題の作家村上春樹も<深い>けど<軽い>ですからね。
 ここらへんの分析は次回に回します。

      *** <ラノベ>は韓国語になっている! ***

 鎌池和馬(かまちかずま)や竹宮ゆゆこの名は、年配の皆さんにはあまり知られていないのでは?
 高校生を中心に人気の<ラノベ>の作家で、電撃文庫を中心に活躍しています。

 <ラノベ>というのはライトノベル>の略語です。で、<ライトノベル>はというと、「表紙や挿絵にアニメ調のイラストを多用している若年層向けの娯楽小説」で、学園モノ・恋愛モノ・異星界ファンタジー等々いろんなジャンルがあります。

 ちょい前にはヤマグチノボル「ゼロの使い魔」もランクインしてましたね。全部電撃文庫。読書慣れしてる人なら1分間に5ページは楽に読めますよ。

 韓国のサイトを見たら、すでに韓国でも<라노베(ラノベ)>はフツーの言葉になってるようでしたね。
 そして「ラノベは文学的価値があるか?」とか日本と同様の問題提起もあったりして・・・。

      *** ヴェルベールやミュッソはなぜ韓国で読まれる? ***

 ≪他の外国≫は、韓国と日本ではかなり違いがあると思います。
 28人中、2作品以上が入っている作家とその作品をあげてみましょう。

・ベルナール・ヴェルベール・・・・「神」(13)(14)(19)(25)(26)(28)(68)、「タナトノート」(54)(60)、「天使たちの帝国」(85)(90)
・パウロ・コエーリョ・・・・「勝者は自分だ」(29)(31)、「錬金術師」(44)、「ベロニカは死ぬことにした」(98)
・アラン・ド・ボトン・・・・「なぜ私はあなたを愛するか」(37)、「われわれは愛なのか」(64)
・ギヨーム・ミュッソ・・・・「助けて」(53)、「あなた、そこにいてください」(66)
・カレード・ホセイニ・・・・「君のためなら千回でも」(67)、「千個のまばゆい太陽」(82)

 この中で日本の文学ファンに名前がよく知られているのはコエーリョくらいのものではないでしょうか? 「錬金術師」をはじめけっこう読まれているようですが、韓国ではそれ以上でしょう。

 フランスの作家ベルナール・ヴェルベールは、韓国では突出して売れている作家ですね。「蟻」以来出す本すべてがヒットしています。「蟻」は韓仏合作映画の話はその後どうなっているのかな?
 「蟻」は日本でも文庫本になったりもしてましたが、とくに話題にならないまま消えてしまいました。私ヌルボは最初少し読んだだけでツンドクになってます。

  アラン・ド・ボトンは、さるサイトでは<モンテーニュ風の哲学エッセイ>とありました。日本でもそれなりに訳されてはいるようですね。認知度はどんなもんでしょうね。

 ギヨーム・ミュッソが読まれるのも韓国なればこそ。次々に訳され、愛読されているようです。映画にしても、韓国の人たちは日本よりはるかにフランス好きですね。(日本人のフランス離れが進んだ、と言えるかも・・・。) ミュッソは1974年生まれの作家で、2004年「エ アプレ…」(日本未訳)が大ベストセラーになり、各国語に訳されましたが、日本では「時空を超えて」(小学館文庫)の一作だけ。この違いはなんでしょうか?

 カレード・ホセイニはアフガニスタンからアメリカに亡命した外交官の息子。1970年代のアフガニスタンを子供を中心に描いた「君のためなら千回でも」は映画化され、昨年日本でも公開されました。

      *** 新しいタイプの韓国作家も登場してきた ***

 韓国人作家で複数の作品が100位以内に入っている作家は5人です。

・金衍洙(キム・ヨンス)・・・・「世界の果て 彼女」(5)、「散歩するものたちの5つの楽しみ」(90)
・金薫(キム・フン)・・・・「公無渡河」(6)、「南漢山城」(36)、「刀の歌」(邦題は「孤将」)(40)
・朴玟奎(パク・ミンギュ)・・・・「死せる王女のためのパヴァーヌ」(20)、「黄順元文学賞受賞作品集」(50)、「カステラ」(65)
・孔枝泳・・・・「るつぼ」(7)、「楽しいわが家」(72)
・チョン・ウングォル・・・・「成均館儒生たちの日々」(16)(17)、「奎章閣閣臣たちの日々」(22)(24)

 金薫が李舜臣を描いた小説「刀の歌」(邦題は「孤将」)は先に紹介しました。
 孔枝泳は386世代を代表する人気作家です。「るつぼ」も紹介しました。

 韓国最高の文学賞は李箱(イ・サン)文学賞。今年の受賞作がキム・ヨンスの「散歩する者たちの5つの楽しみ」でした。
 パク・ミンギュも2007年李孝石文学賞を受賞した、若い世代に人気の作家です。
 チョン・ウングォルの「成均館儒生たちの日々」は男装女性の愛を描いたロマンス小説。ドラマ化したんですか?

 全体として見ると、韓国の文芸評論家等が韓国作品の少なさを嘆く気持ちもわかります。今回は約4割でしたが、3割程度の時もあります。

 次回は、なぜ韓国の小説があまり読まれないか、その背景について考えてみます。
コメント (2)
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月2日(金)~4日(日)]

2009-10-06 23:38:49 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
★★★ Daumの人気順位(10月6日現在上映中映画) ★★★
                   (順位:映画名:評点:投票者数)

 5日まで韓国はチュソクの休みで、2500万人以上が大移動したそうですが、映画の観客数はいつもと大きくは変わらないようです。

【ネチズンによる順位】

①国家代表(韓国)   9.7 (7435)
②アップ  9.3 (414)
③飛べ、ペンギン  9.3 (41)
④召命(韓国) 9.2 (132)
⑤クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!(日本)  9.1 (40)
⑥嫌われ松子の一生(日本)  9.1 (288)
⑦ハバナ・ブルース  9.0 (26)
⑧エジャ(韓国) 9.0 (720)
⑨ブラック  9.0 (930)
⑩クイーン・ロック・モントリオール 9.0 (52)

 ⑥はうれしいですね! 日本映画だから、ということもありますが、それ以上に私ヌルボも観て(2006年)印象に残っている映画ですから・・・・。中谷美紀は日本アカデミー賞等々で主演女優賞総なめにしましたねー。中原哲也監督は、「下妻物語」(2004年)から昨年の「パコと魔法の絵本」までの3作、ハズレはないです。

【専門家による順位】

①木のない山(韓国)  8.1 (6)
②アップ  8.1 (6)
③嫌われ松子の一生(日本)  7.7 (5)
④サイレント・ウェディング  7.5 (5)
⑤枯渇(韓国)  7.5 (2)
⑥法王のトイレット  7.0 (5)
⑦セラフィーヌ  7.0 (4)
⑧ブラック  7.0 (4)
⑨静かな混沌  7.0 (3)
⑩ボーイA  6.7 (4)

 ⑥はウルグアイ・ブラジル・フランスの合作。1988年、ウルグアイの寒村にローマ法王がやって来ることになった。貧しい村人たちは観光客を見込んだ商売をもくろみ・・・という実話をベースにした物語だそうで、カンヌ映画祭出品作。
 ⑦はベルギー・フランス合作。死後になって世に認められた女性画家セラフィーヌ・ルイを描いた映画。フランス映画界最高のセザール賞では7冠も獲得し、世界中の映画祭でも注目されている。
 日本では⑥は映画祭等では上映したようですが、一般公開はよくわからず。⑦は来年公開ですかねー?
 やっぱり、どうみても韓国の方が海外の秀作の公開が早い!! どーゆーわけ!?(怒)


   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月25日(金)~27日(日)] ★★★
          韓国映画最新作が1・2位

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数・・・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・私の愛私の側に(韓)・・・・・・・・9/24・・・・・・・・510,860・・・・・・・・・・・・・・・・1,472,381・・・・・・・512
2・・炎のように蝶のように(韓)・・・・9/24・・・・・・・・400,562・・・・・・・・・・・・・・・・1,073,720・・・・・・・476
3・・サロゲート・・・・・・・・・・・・・・・・10/01・・・・・・・・332,212・・・・・・・・・・・・・・・・・・401,852・・・・・・・267
4・・エジャ(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・・・9/09・・・・・・・・227,282・・・・・・・・・・・・・・・・1,542,755・・・・・・・353
5・・ゲーマー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/01・・・・・・・・156,828・・・・・・・・・・・・・・・・・・203,516・・・・・・・306
6・・フェーム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/24・・・・・・・・155,946・・・・・・・・・・・・・・・・・・486,427・・・・・・・358
5・・国家代表(韓)・・・・・・・・・・・・・・・7/29・・・・・・・・151,546・・・・・・・・・・・・・・・・7,901,688・・・・・・・278
6・・男と女の不都合な真実・・・・・・9/17・・・・・・・・・48,632・・・・・・・・・・・・・・・・・・259,904・・・・・・・245
8・・ファイナル・デッドサーキット・・10/01・・・・・・・116,350・・・・・・・・・・・・・・・・・・148,619・・・・・・・244
9・・クレヨンしんちゃん・・・・・・・・・・・9/24・・・・・・・・・53,684・・・・・・・・・・・・・・・・・・・89,775・・・・・・・121
    嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!
10・・国家代表 完結版 尽きない話(韓)・9/10・・・・・38,702・・・・・・・・・・・・・・・・・・291,262・・・・・・・44
※このデータの出所はKOFICです。

 3位はブルース・ウィリス主演のSFスリラー。日本公開は来年正月第二弾。
 5位はSFアクション。時代設定は2034年。頭にマイクロチップを埋め込まれて隔離された犯罪者たちをゲームの駒として使って・・・、という話。
 8位はアメリカのホラー・サスペンス ファイナル・デスティネーションの第4作。
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昭和初期の朝鮮語教本「韓国語大成」を読む

2009-10-04 18:14:31 | 韓国・朝鮮に関係のある本
 先月ソウルに行った時、9月11日に紹介した仁寺洞の古書店・通文館に行ったらあいにく休業日。そこで承文閣のことを思い出して近くを探してみたらすぐに見つかりました。仁寺洞を北から入ると、通文館と同じ右側の少し先です。
 入口は一間ほどしかない小さな店で、本も通文館に比べるとずっと少ないので、あまり期待もせず、版本以外はさほど時間もかからず一通り見てみました。
      

 その中で、掘り出し物というほどではないかもしれませんが、日本でも入手困難な戦前の朝鮮語テキストがあったので買ってきました。

 奥山仙三「朝鮮語大成」(日韓書房)というのがその書名です。

      

 発行は昭和5年(1930年)1月10日。初版が前年6月10日で、これは再版。ただし、著者の辞によれば初版も昭和3年発行のものの改訂増補版です。ということは、かなり需要があった、ということですね。

 まだ緻密に読み通したわけではありませんが、一見して目にとまった特徴は次の通りです。

①ハングルの優秀性を、以下に掲げたように最大限に評価している。
※この本では<ハングル>という用語は使われず、<諺文(おんもん)>とされています。

 「諺文は漢字とは何等の縁故をもたぬ純粋の表音文字であつて、其の構成頗る進歩的、合理的、科学的であり、而かも文字の形態甚だ簡単で、基礎となるべき字数は僅に二十五字に過ぎぬ。数百年の昔、よくも斯くの如き立派な文字が発明されたものと驚嘆せざるを得ない。この諺文こそは、実に朝鮮の有史以来、最も世界に誇るに足るべき、文化的産物であると謂つて差支あるまいと思ふ。」

②現在のハングル表記とはかなり違っている。たとえば、

() 母音aに相当するハングルとして、ㅏの他にヽも用いられている。
たとえば、하다 の하がㅎの下にヽを添えて記される。

() 濃音の表記は、現在はㄲ、ㄸのように子音を2つ重ねるが、この本ではㅅㄱ 、ㅅㄷのように最初にㅅを置いている。
 ただ、「羅馬字で表はす場合と同様に、同文字を二つ重ねてㄲ ㄸ ㅃ ㅆ ㅉの如くして表はすことのあるのは、寧ろ却て合理的だとも謂へる」と奥山は記している。

() 天の音読の천の上部がㅌㅕとなっているように、現在では用いられない表記がある。
※そういえば、林権澤監督の映画「春香伝」のハングル表記も、伝のふつうの表記전の上部がㄷㅕとなっていましたね。

    

③例文の内容が<上から目線>。やっぱり植民地統治の役人用テキスト。
最初に気づいた特徴がこれですね。

 この本の構成は、「第一編 語法」、「第二編 会話」、「附録」に大別されていますが、とくに全体の6割ほどを占める「第二編 会話」の部分には、実用的な短い文章が場面ごとに23節に分類され、数多く載せられています。

 23節の最初は挨拶等についての「交際」で、その他「飲食」とか「時日・時期」「衣服」等の節の立て方はふつうでしょうが、第2節はいきなり「官庁・事務」。
 その最初の文例が「朝鮮総督は山梨半造閣下でありますが、朝鮮を統治する重任を帯びてから、一生懸命に政治に精励して居る、賢明な為政者でございます」。(長い!!)
 以下、「帳簿や文書をよく整理して下さい」はまあいいとしても、「新聞紙上に報道されては困るから、秘密が漏れないやうに、気を着けなさい」とか「厳重に尋問して、犯罪行為を皆自白するやうにしなさい」とかを堂々載せるという感覚は、いかに奥山が朝鮮総督府嘱託といってもいかがなものでしょうか?

 「第十六節 樹木」の最初の例文は一連の会話になっています。
 「朝鮮の山は、昔から禿山が、多うございましたか」「そうではなかつたそうです、昔はどの山にも、樹が鬱蒼と茂つて、居たそうであります」「此處の客舎だとか、郡庁だとかを建てるとき、材木をこの後の山から、伐り出したそうです」「それだのに、今は、あんなに禿げてしまつたのですね」「人民達が濫りに、伐るばかりで、植ゑはしなかつたからであります」

 「飲食」や「旅行」等々、ふつうに思える節の例文も次のような上下関係が前提となっているような会話が目につきます。
 「朝飯が出来たら、私の膳も持って来い」
 「時間になりましたから、人力車一台呼んで来ませうか」「それには及ばぬ、電車に乗つて行く方が速いよ」

④「朝鮮の風習」について興味深い記述がある。
 「附録」の部分には、「一、朝鮮語 国語 用字比較例」(食口=家族など)、「二、千字文」に続いて「三、朝鮮の風習」が収められているが、そこでは「社会階級」「服装」「飲食」「年中行事」等々11の項目に分けて朝鮮の社会や生活についての基本的事項が概説的に記されています。

 たとえば「社会階級」中には、日韓併合以前には両班・中人・常民・の4階級があり、「の住家は瓦葺にしてはならぬとか、常民は門構の家を建てたり履石に階段をつけたりしてはならぬとか、両班は入口の正門を其の両側の建物よりも一段高く拵へても可いとか、衣服についても、両班は淡青色のものを使用するが、常民以下は色物の上衣を着けてはならぬとかいふの類」の「八釜敷い区別」があった、とあります。

 「朝鮮の風習」については、他にもいろいろ興味深い記述がありますが、それらは別の機会に紹介しましょう。
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ソウルの街 あっちでもこっちでも工事中

2009-10-02 21:16:27 | 韓国旅行の記録
          
   【1年前は廃墟然としていた旧ソウル駅舎も改修工事中(2009年9月)】

 数年前から、ソウルはいろんな所で工事をやっているな、と思っていましたが、先月ソウルに行った時には、それがさらに増えている感じ、どころか、まさにどこもかしこも工事中といった状況になっていました。

 私ヌルボが行った所では、光化門と景福宮、徳寿宮、仁寺洞、清進洞一帯、市庁、ソウル駅、崇礼門(南大門)、漢江の河岸等々。

 帰ってきてから知ったところでは、西大門独立公園も再整備ということで昨年工事を始め、今年8月完了したようです。

        
          【工事中の光化門(2008年8月)】

 2006年に始まった光化門の改修工事。今年末には完了するそうです。
 本来の正しい位置に移すとのことですが、まさか全体を崩して、またゼロから組み立てなおすような大々的な改修とは思いませんでした。
     
         【工事中の景福宮(2008年8月)】

 景福宮全体の復元工事の完了予定は2025年(!)ということですから、ヌルボの如き老いぼれの身、はたしてその完成した姿を拝めることやら、けほけほ。

 崇礼門(南大門)の再建はやむをえないところでしょう。完成は2012年だそうです。
※土・日に<復旧事業公開観覧>も行われているのですが、以前無残な焼け跡の前で日本人観光客グループが無邪気に記念写真を撮っていたのを見たソウル市民が、「非常に腹が立った」とあるサイトで写真入りで記していた、ということを心の隅に入れておいた方がいいと思います。

    
       【清渓川の夜景(2007年4月)】

 すでに完成した工事の代表はまず清渓川(2005年完成)。ヘソマガリのヌルボも、これは◯。ただ、赤と青に塗りわけた、でかい巻き貝のようなモニュメント(下の写真)はどーもなー・・・・。

        
       【清渓川の西端にある奇怪な(?)モニュメント(2007年8月)】

 最近完成は光化門広場。けっこう広い花壇があり、ていねいなことに花壇に入り込む形で<写真撮影の場所>までしつらえてあります。李舜臣像の背後にはソウルのマスコットというヘチのオブジェなんてのもあり(守護獣ヘテが元)、ヘチ広場といってスロープを下ると李舜臣像の地下部分が展示場のようになっています。

    
       【去年は工事中だった光化門前の世宗路(2008年8月)】

    
       【光化門広場が完成して花いっぱい(2009年9月)】

    
       【ヘチは想像上の動物です(2009年9月)】

 仁寺洞の工事は下水道管関係の工事とあるサイトにありましたが、それだけでもないようです。

    
       【大勢の観光客も関係ない仁寺洞の道路工事(2009年9月)】

 また上記のような観光ポイントだけではなく、水道管・ガス管等の取り換えや歩道整備などの道路工事、小・中学校の校庭整備、公園のリニューアル、古くなった商店街の再開発等々、市民の日常生活の場面でもさまざまな工事が進められている模様です。

 <古くなった商店街の再開発>といえば、南大門市場も近い将来、再整備で様子がかなり変わるようですよ。(下の予想図)

    
         【南大門整備後の予想図】

 今回は、ソウル市内各地で進行中の工事の外貌だけ紹介しましたが、ちょっと調べてみると、関連して実にさまざまなネタがあるようで・・・。それらはまたいずれ、もっと調べた上で記事にしますね。
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ゼッタイお薦め! 「妻が結婚した」 軽くて深い、ラブ・コメディ(かな?)

2009-10-01 22:08:06 | 韓国映画(&その他の映画)
         
 韓国映画「妻が結婚した」は、予測を良い方に裏切る快作でした!
 今年、今まで40本ほど観た中でベスト3に確実に入ります。

 原作は、パク・ヒョヌクの小説。なぜか「もうひとり夫がほしい」(新潮社)という邦題で訳本が出てます。(訳者はあの蓮池薫さん) 原題の方がずっといいのに。読んでないですけど・・・。

 内容は、およそ映画&本の邦題から見当がつく通り。
 趣味が合って(熱狂的なサッカーファン)、肉体的にも魅力的で、やっとのことで結婚にこぎつけたのに、ある時その奥さんが言うわけです。「好きな人ができたの、その人とも結婚したいの」。夫として認められるはずはないのに、事態は認めなくない方へどんどん進行していって・・・。

 私ヌルボは原作も読んでないし、これだけの情報しか知らなかったから、もっとドロドロ、グチャグチャした重たい話なんだろうなー、と何となく思っていました。

 ところが、冒頭に「予測を良い方に裏切る快作」と記したのは、逆にとても軽い描き方をしていて、何度も場内で小さな笑いが聞かれるほどでした。
 たぶん、そんな<現代的>で<都会的>な感覚が小説も映画もヒットした大きな要素だったのでしょう。
 たしかに、<既存の結婚観をひっくり返す異色のラブ・コメディ>と宣伝文句にもありました。
 音楽もそんな描き方にマッチした、ノリのいいものでした。
 これがこの映画の魅力その1です。

 魅力その2は、セリフのおもしろさです。
 先に「とても軽い描き方をしていて」と記しましたが、テーマの捉え方等は決して軽々しくはありません。むしろセリフ(独白も含めて)はなかなか深いものがあります。
 それも決して深刻な言葉ではなく、妻と親しくなったきっかけがサッカーということで、とくにサッカーに関する気の利いた事例や警句等が多出します。自分ともう一人の<夫>を翻弄される妻は<2トップ制>を指揮する監督に例えられるとか・・・。
 ここらへんのセリフのおもしろさは、おそらく原作本に拠るものでしょう。

 魅力その3は、ヒロインを演じるソン・イェジンの魅力ですね、やっぱり。
 「ラブストーリー」で、いかにも純愛映画らしい初々しさ一杯で、韓国俳優の顔も名前もなかなか覚えられないヌルボにも印象に残っているソン・イェジン。
 当時(たぶん)20歳だった彼女も、その後6年ほどの間に順調に(!)成長して、今回は「清純派女優として活躍してきたソン・イェジンの大胆な演技も見所」と書かれるようになりました。
 たしかに、さるサイトにあるように「過激な台詞と官能的なショットにも驚かされた」という反応がフツーだろうとは思いますが、それでも初々しい魅力は変わってませんからねー。まあ、でなけりゃ2人の男性を夢中にさせられないということですけどね。

 原作小説と、その映画化作品を比べると、映画の方が優っている例はせいぜい2割程度だと思います。あの「風と共に去りぬ」とか戦車競走で有名な「ベン・ハー」でも・・・。<映画の勝ち>は「2001年宇宙の旅」くらいしかすぐには思いつきません。
 しかし、この「妻が結婚した」は、未読の原作と十分に戦えるレベルに達していると思われます。

 このブログの8月29日の記事で、ヌルボは「グッド、バッド、ウィアード」を推奨しましたが、ソチラを10点満点で7.5とすると、コチラは9.0をつけます。

※こんないい映画を、首都圏では新宿バルト9しかやっていないとは・・・・(嘆)
 蛇足ですが、先週の「週刊文春」(9月24日号)で<おすすめシネコン・ベスト10>という記事を載せていて、その第1位が新宿バルト9だったんですよ。ヌルボとしては大いに異議あり! 早めに行っても座る所がないのは大減点。空間的な広さも、ここを上回るシネコンはいくつもあります。映画館だけでなく+αも考えると、川崎チネチッタは入れないわけにはいかんでしょ?(10位までにも入ってなかったが・・・)

※話の筋とは全然関係ありませんが、ポカリスエットが目立つシーンがありました。あれは意図的? ソン・イェジンは韓国ポカリのCMをやってました。今もやってるのかな?
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