ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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昨日・今日・明日の出来事②  17年前とは<キョクセジカム>    

2009-08-24 23:50:23 | 韓国語あれこれ
 8月24日付「東亜日報」の社説は以下の3テーマ。①「今こそ民主化を越えて先進化へ進もう」、②「<南北協力進展>金正日委員長がまずやること」、③「한중 수교 17년,그날과 오늘의 격세지감」とあります。
 ③だけ原文にしました。韓国語学習者の皆さん、いかがですか? <격세지감>(キョクセジカム)って? これは<隔世の感>ですね。之が<지>(ジ)になる四字熟語はいっぱいありますね。<漁夫之利>とか、(あれ!? 2つ目がすぐ出てこない!) ・・・えーと<竹馬之友>とか<邯鄲の夢><水魚之交><他山之石><蛍雪之功>等々。辞書によると、なぜか連理の枝は<連理枝>、胡蝶の夢は<胡蝶夢>と<之>が抜けてますが・・・。これらのハングル表記は略。学習者の皆さん、自ら努力してこそ勉強になりますよっ!(・・・って、ヌルボが面倒なだけ。)
 で、③全体は「韓中修交(国交のこと)17年、その日と今日の隔世の感」になります。
つまり、17年前の1992年の8月24日に中韓の国交が樹立された、というわけですね。

 社説の内容を読むと、この17年で両国の貿易額は36倍に、相互投資額は94倍に急増したこと、中国内の韓国人留学生は約5万7000人、韓国内の中国人留学生は約4万4700人で、滞留留学生の国籍で各々1位を占めること、韓国経済に及ぼす中国の及ぼす影響力は米国や日本をしのぐまでになったことを挙げています。しかしそれに続けて、両国間の<頂上会談(トップ会談)>で中国は<戦略的同伴者>と言うが、<北>の核問題や、<北>に<急変事態>が起こった場合の中国の対応に疑問を投げかけています。そして「われわれは伝統的韓米同盟を強化すると当時に、中国と<윈윈하는>道を求めてこそ国益を極大化できるだろう」と結んでいます。

      ***  <ウィンウィンハヌン>道ってどんな道?  ***

 この<윈윈하는>、リアルタイムで、つまり今、ヌルボはわかりません! 辞書にもありません。
 苦しい時の韓国語ネット検索で、  →  ・・・・えっ、英語? <win- win>だって?? 韓国語にすると<상생>、そうか、<相生>。中国と韓国のどちらにとっても得になるような道、ということのようですね。ひとつ利口になりました。(って、歳のせいで日々ふたつ以上はアホになってるんでしょうが・・・。)

 さて、その1992年8月24日、私ヌルボはソウルにいました。
 前年の北朝鮮に次いで、2回目に訪れた外国が韓国でした。古代からの表玄関から半島に渡ることにこだわって下関から関釜連絡船に乗って釜山に上陸。その後釜山市内や扶余や独立記念館等を巡りつつ計5泊し、6日目にようやくソウルに入り、南大門近くの旅館で泊まった翌朝、当時の国立博物館(今はない、旧朝鮮総督府の建物)に向かって歩いて行く途中で、新聞社のビル(?)の電光ニュースで中国との「수교」の特報を大々的に流していました。
 当時のヌルボは「수교」の意味も全然わからないレベルだったので、分厚い民衆書林の「エッセンス韓日辞典」を引いたことを今も覚えています。今では電子辞書を肌身離さず(?)持ち歩いてますが・・・。(次々に登場する文明の利器に対しては概して「もういらんわい!!」と叫びたくなるヌルボではあるが。)
 
 私自身にとっても、この17年は、まさに<キョクセジカム>であります。

昨日・今日・明日の出来事①  国葬と宗教との関係など

2009-08-24 23:48:46 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 ウェブサイトではなく、今日付けの「東亜日報」を手に取ると、1日分の情報量の「重さ」を実感します。
 ざっと眺めただけでも、興味深い記事がいくつも目にとまります。
ということで、今日は3つに分けて載せることにします。あ、時間がないから3つ目は明日に回しますね。

 昨日23日は金大中元大統領の国葬。汝矣島(ヨイド)の国会議事堂前広場には遺族と政府関係者、歴代大統領(といっても全斗煥と金泳三の2人だけですが)、12ヵ国(11ヵ国という報道もあるゾ)の政府代表等が参列。市民約1万5千人が集まった、というのは警察発表で、「東亜日報」「韓国日報」等には「歴代の国葬・国民葬中、史上最大規模の2万余人が見守る中・・・」とありました。
 全斗煥の参席は、私ヌルボとしては「ムムムッ」という感じ。去年、光州事件犠牲者の遺児たちが青年となって、親の敵(かたき)の全斗煥の命を狙う、というカンプル作の迫真の群像劇画「26年」を読んだ印象が強く残っていたからです。

 午後2時に始まった永訣式は、愛国歌演奏と黙祷、故人の略歴報告のあと、葬儀委員長韓昇洙総理以下の弔辞が続きました。
 で、その後ですが、<4つの宗教>が順にそれぞれの葬礼儀式をとり行った、というわけです。

 日本で国葬とされたのは、過去伊藤博文、山県有朋、松方正義、西園寺公望、吉田茂の5人だけです。戦後は1967年10月31日日本武道館の吉田茂の一例だけで、その時は宗教色を排した形式で行われました。
 ※1967年はヌルボの浪人時代です。県立図書館で勉強していた浪人仲間は、正午に図書館員が「黙祷をお願いします」と言ったことを憤慨していました。

 金元大統領の国葬はというと、上記のように<4つの宗教>で儀式とのこと。日本では上記のように政治と宗教の分離が図られるのに対し、韓国は4つの代表的な宗教を式の中に位置づけることで中立を図るということでしょうか。ちなみに金元大統領はカトリックの信徒で、洗礼名は<トマス・モア>(!)なんだそうです。

 さて、ここで皆さんに質問! 「Q.<4つの宗教>というのは、カトリック(=天主教チョンジュギョ)の他は何でしょうか?」
 ・・・・永訣式での順序にしたがって正解を並べると、カトリックの次が「仏教(ブルギョ)」。<アジェアジェパラアジェ>と般若心経を唱えてました。続いて「プロテスタント(=基督教(キドククョ)」。ここまではいいとして、むずかしいのは4番目ですね。正解は「円仏教(ウォンブルギョ)」です。
 円仏教は、1916年に朴重彬(パク・ジュンビン.1891~1943)が創立した宗教ということですが、それ以上のことは私ヌルボもよく知りません。永訣式の儀礼は、(ラジオの音声を聞いたかぎりは)仏教的といえばいえるが、もっと現代的な雰囲気というか・・・、まあ興味をお持ちの方はご自身でお調べください。