ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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「ヤジャ」にいそしむ韓国の高校生 -辞書にない言葉 その2

2009-08-20 01:32:39 | 韓国語あれこれ
 8月15日の続きです。キム・リョリョン作のYA小説「ワンドゥギ」中の韓日辞典にはない単語その2は<ヤジャ(야자>。
 まず用例を紹介。高校3年生ワンドゥギの立場で書かれています。
 똥주한테 잡히는 바람에 야자도 해야했고・・・
 (糞トンジュ先生につかまったおかげで、「ヤジャ」もやらなくてはならなくなって・・・)
  ※<똥주>は担任の先生の名。ホントは<동주>だが、こう書くと<糞トンジュ>。

 辞書にある야자は「椰子」だけ。
 例によってネット検索するとたちまちヒット! 야간 자율학습(ヤガンチャユハクスプ)、つまり夜間自律学習の<야(ヤ.夜>と<자(チャ.自)>をとった略語なんですね。

 韓国では、日本に比べ比率的にはるかに多くの中学・高校生が夜遅くまで勉強しています。ソウルの飲み屋で飲んで、夜11時頃ホテルに戻る道で高校生とすれ違うのはよくあることです。ヤジャでなく、ハグォン(학원.学院)=塾から帰る生徒も多いでしょうが・・・・。
 <自律>の言葉が示す通り、(名目上は)正規授業ではなく、各生徒が自ら学習の足らない部分を補う時間なのだが、事実上は大部分の学校で強制的に行われているそうです。
 放課後から、多くの中・高では午後8~9時頃、3年生の場合は11時まで行われたりもするといいます。したがって、「弁当を2食分持って登校する」という話を何かで読みました。ヤジャにはもちろん決まりがあるわけでもないので、学校や地域によっても違いがあるそうです。
 「生徒の健康に良くない」等の批判もあり、行政側から規制も図られたりもしていますが、肯定論も根強いようで、状況は変わっていないようです。

 私ヌルボが以前読んだカンプルの恐怖漫画「Timing」も、夜の高校で<ヤジャ>の生徒たちが死んでゆくコワ~い漫画だったなあ、ということを思い出しました。
     

 夜間自習は台湾の高校でもやってるらしいですよ。
 日本だったら、先生も親も、当の生徒も「勉強のため夜の学校を開放してください」とはまず言わないでしょう。