五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

シャヴァンヌ展

2014年01月30日 | 第2章 五感と体感
渋谷の文化村ミュージアムにてシャヴァンヌ展が開催中です。

マリーアントワネットやルイ16世がフランス革命にて刑死したのは1793年。18世紀
そして19世紀に入り、民衆の自由を求める運動が勃発し、ヴィクトル ユーゴーが書いた小説レミゼラブルは今やミュージカルや映画となり、誰もが知っている物語となっています。

そのような時代にシャヴァンヌは生まれ画業を全うしました。

自由を求める民衆の戦いのイメージが濃い時代とシャヴァンヌの絵画はあまりにもギャップがありすぎます。

絵を観ているうちに、そのギャップに当時の社会が見えなくなり、帰宅してからもう一度マリーアントワネットやレミゼの時代を確認しました。

社会が荒れているからこそなのでしょうか。市庁舎やソルボンヌ大学に、ギリシャ神話をイメージさせるような夢の楽園を描き、そうでありながらも労働することや生き抜くことを隠喩したような人物が風景に紛れるかのように美しく淡白に、そして極端な喜怒哀楽を排除した表情を描き壁面画家として大成していきます。

血気盛んな喧騒的な街を歩き、ふと役所や大学に入ると一気に沈静させるような効果は、当時の役人戦略が窺える様な気がしました。

ただ、画家である当の本人シャヴァンヌは、依頼者の作為に一喜一憂する様な人ではなさそうで、静かに綿密に絵を描き続けることを続けたように思います。

自宅からアトリエまでの6キロの路は彼の思索の路だったようです。6キロと云えば、歩けば一時間半。往復3時間です。
通勤ラッシュで一時間半揺られるのとは違います。

パリの郊外、田園風景を眺めながら決まった路を毎日往復することは、祈りの言葉に近いものがありそうです。
毎日同じことを繰り返す中で、淡々と自らの美学を求め続けたとも云えそうです。それがたまたま観る者を鎮静させる効果と噛み合っているだけのことかもしれません。

バッハの二声を聴くような感じです。三声でも五声でもなく。

久しぶりにクロッキーをしたくなりました。

美大を目指してアトリエ通いをしている人はよいきっかけを得るかも。。。
ミケランジェロを観るよりも身の丈のデッサンが間近で見れて勉強になりますし。。。

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