五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

シャガール展

2010年07月30日 | 第2章 五感と体感
上野の芸大美術館でシャガール展を観てきました。
だいたい芸大美術館に足を運ぶことは、三回も芸大受験している私の青春の苦い経験が蘇り、アホな自分を思い出し気が重くなるのですが、フランスのポンピドーセンターに所蔵されているシャガールを語るに大切な作品がいくつか来ているので思いきって行ってきました。(芸大を三回受験したくらいでは誰も驚かないのが芸大受験ですが・・・)

空を飛ぶ男女、緑の顔に赤い牛、、、故郷ロシアのウェテブスク、最愛の妻ベラと最強の妻ヴァヴァンティーヌ・・・
素人受けするメルヘンチックな画風に昔は興味を持てませんでした。
ところがです。
初めてフランス・ニースにある国立シャガール美術館を訪れ、感動のあまり動けなくなる経験をしたのです。

シャガールという人はユダヤ教、故郷の町、愛をテーマに、技法や表現方法を駆使し、歴史に翻弄されつつもぶれない芸術魂を持ち、カオスともいえる人の内面を何度も手直ししながら厚みのあるマチエールを作り出し、完成度の高い作品を描いた画家です。

私はニースの出来事以来、縁があり宗教心理学を学ぶ中、絵画鑑賞療法にシャガールの成育史をベースに彼の絵を鑑賞することで湧きあがる自己の感情を言語化する訓練を勉強仲間としてきました。

「イカルスの堕落」の前に佇み、シャガール90歳にして初めて故郷ウェテブスクの街に色がついたことに気付きました。私にとっての大きな収穫です。

舞台芸術を多く手掛けたエスキースも多く展示されています。これも必見です。
「魔笛」の舞台、素晴らしいです。

パリのオペラ座の天井画を想いながら上野の森で、真夏の暑さをシャガールで凌ぐのも良いかもしれません。

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