雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

海を向くたび髪は心より離れて彼方へ彼へと吹かるる

2016-03-20 20:48:50 | Weblog


海と桜のピエタ。



ミケランジェロの稚拙な変奏。

わたしは彫刻の中であの作品が一番好き。


今回、自分で変奏を企て、ミケランジェロの創作について、いろいろ感じ直すこともあった。


この作品の聖母はまるで乙女のようにみずみずしい顔をしている。我が子を惨殺され、遺骸を膝に抱える母の苦悩、悲嘆は美的静謐に昇華され、母親らしい年齢を刻まないマリアの面は端正になめらかだ。

コレッジオのピエタは、同じ画面に若いマグダラのマリアが描きこまれているせいか、聖母はちゃんと中年女性の嘆き顔になっている。
わたしはコレッジオのその絵も、ミケランジェロ同様、うら若い聖母でも良かったろうに、と眺めた。
聖母の母性とマグダラの女性性との兼ね合いにしても、全人類の女性中、神の最高傑作という聖母は、年長けてもみずみずしかったのでは、という気がする。

さて、ミケランジェロの彫刻を目にすると、一瞬で魂を掴まれる魅惑に揺さぶられる。
聖母の表情はなめらかで、ドラマティックな激情を表してはいない。にもかかわらず、わたしはピエタの敬虔な悲嘆、深い感情にとらわれる。

なぜだろう?

わたしは聖母のまとう衣襞の彫り込む深いディナミズムが、このピエタの悲痛を表現していると感じる。実際、聖母の、ことにキリストを抱えた膝わまりから裾にかけて、幾重にも重なり、さまざまな厚みのある曲線と濃い陰翳をつくる布の表現に威圧されさえした。これはリアリズムだろうか?

どれだけたっぷりと大きな布をまとったら、こんな複雑精妙な襞が生まれるだろうか?

布、衣は言うまでもなく、対象を包み込む女性性の象徴だ。
ところどころで、衣の襞は濃く魅惑的な楕円、また半楕円の影をえぐる。その深い陰翳は、乙女の静謐を湛えた聖母の顔には表現されない、このピエタの主題全体の感情のふかさ、聖母マリアの苦悩を造形している、と。

それはミケランジェロの企みだったに違いない。衣の量感がリアリズムに沿ったつつましいものなら、この傑作がわたしたちに突き付けてくる強力な感動はないだろう。

わたしは自分の小品は海の上の聖母子とした。
海が好き、という理由もあるが、ミケランジェロの逞しい陰翳表現とは違う眺め方でマリアを描きたかったからだ。

わたしにとって、海は永遠だ。歓びも哀しみも受容して、天に接する。

マリアの衣擦れは波さやぎ、風の声。

聖母は船乗りを導く海の星と讃えられる。

わたしたちはみな、人生の荒波をしのいで渡る旅人。



復活祭のころ、日本は桜前線の只中だ。







神に感謝。

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渚には己が翳りの水いろに過去てふ綾を明日にはけふを

2016-03-18 20:44:48 | Weblog


海へ




渚が恋しいなあ。




体調は回復した。



良い一日だった。



感謝。



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白い日を彼方に眺む人の子はありし重さで母に還りね

2016-03-18 11:09:42 | Weblog



風邪気味でおやすみ。


久しぶりに部屋の掃除して、そのあとピエタにかかる。これも忠実な模写はしない。

どこかでわたしのピエタにする。

稚拙でも、わたしの想いは表現できるはず。

レオナルドもミケランジェロも、人類の奇跡だ。





本物が見たいなあ。





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夢の間に桜織らなむ誰の肩に依りかかるとも夜露そのまま

2016-03-17 20:48:09 | Weblog


桜に


良い一日だった。

神に感謝。






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ひったりと鳥の子紙を二つ折るどこも白くて何を言はれむ

2016-03-16 20:50:36 | Weblog


夜に




おだやな日だった。



神に感謝。






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まなぶたにかくも激しき哀しみを静けさとしてピエタ始まる

2016-03-15 20:32:43 | Weblog

モナリザよりも、わたしにとってミケランジェロのピエタは長い憧れ。


聖母は、人間として生まれた女性の中で、神の作りたもうた最高傑作という。

ミケランジェロの聖母は少女の面差しに美しい。



わたしの描く聖母は、やはりメチエ不足か、東洋女性の顔つきだ。


ゆっくりと、ミケランジェロの聖母との対話を楽しみながら描くつもり。






神に感謝

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雨冷えに髪の重さをなほ測る髪の裏まで肌と知るから

2016-03-14 20:40:02 | Weblog



雨冷えに



これも和泉式部ふうな歌い方かな?



いろけのない人間はつまらないと思うから、たまにはいろっぽく^ - ^



色、いろいろ。あ、今日はWhiteday

真っ白な恋愛キャンバスに、どんな彩りがやりとりされたのかしら。



残念ながら、わたしは静かな日だった。



それも感謝。









静かな
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はなびらを眠らせ君は睫毛近く昨日明日とぞ心契りぬ

2016-03-13 20:39:51 | Weblog


ふと



静かな日だった。







感謝


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アートは無限大( ´ ▽ ` )ノ

2016-03-13 19:18:17 | Weblog

大阪でユニークな団体展に参加させていただきます。

お近くの方、お覗きください^ - ^


フライヤーと今回の出品作品です。


たくさんの作家さんたちは、それぞれ実力あり、さまざまな手法で自己表現を追求されています。

見応えのある展示になるでしょう。








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潮騒はゆめに離れず風を聞く我が脚立たす主の力にて

2016-03-12 20:50:02 | Weblog


海と風のモナリザ


昨年から8年ぶりに、またデッサンを始めて、初めて(ナニ)鉛筆を加えた。


最終調整にソフトな影を乗せるために。



海は由比ヶ浜。とおくに大島を望む。



あの海岸は、なんと沢山の思い出をくれたろうか。


が、わたしは今甲斐の国に移り住み新しい自分を演じている。

この芝居は必ず成功させる。



わたしの劇場のわたしという役をしぶとく演じるつもり。で、観客はどこかしら(^_-)-☆

ジョコンダの表情は画家の貌。


どうご覧になりますか?





神に感謝。













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アルファポリス