ふと。
一昨日、南房総市のSFKギャラリーに戸部義盛さんの作陶展を観に行った。
たまたま、作家の友人のバイオリニスト、永井由里さんがいらして、幸運にも目と鼻の先で彼女の演奏を楽しむことができた。
永井さんは名門ジュリアードを首席で卒業され、長く海外で活躍された。
その天才の音色は素晴らしく、深く、豊かで、繊細かつダイナミックだった。
独り言のようにソフトな弓使いのタイースの瞑想曲から始まり、バッハさまざま、メンデルスゾーン、ビバルディなど、古典クラシックをたっぷりと聴かせていただいた。
彼女の音楽を聴いている私の耳、鼓膜や、彼女の姿を見ている私の網膜は、光輝く時間を見聞きしていた。
天才は翼を持っている。
そしてそのパフォーマンスは、その時間をダイヤモンドか黄金のように、輝かせる。
何という贅沢で幸せな時間。
永井さんに感謝。
それから、戸部さんの陶芸も素晴らしかった。ゆったりと品格のある器たちの姿。気取らず、地道な精進を重ねる作家さんの心のかたちが美しい。
良い日だった。
愛と感謝。