夏の風に。
「人魚」 油彩F10号
賑やかな画面になったと思う。いろいろ考えながら着彩、構図を変えた。稚拙ながら、まず予定通りに仕上がり、納得はしている。
東郷青児はマリー・ローランサンから多くを取り入れたそうだ。たしかにそう見えるが、ローランサンとは異なるスタイルへ進化している。
シュールレアリズムは私にとって魅力的で自由な表現可能領域なので、イコン制作とは別に、これからも模索したい。ただ技術的に拙いので努力が要る。
これはサルバドール・ダリの聖母子。聖母のモデルはダリの愛妻であるガラ。
彼もキリスト教徒だったのか、宗教画めいたシュールレアリズム絵画を多数残している。
が、上のような聖母子は、ダリのキリスト信仰を明かし、その創造性に感嘆はできるが、一般のみんながこの絵を聖画として祈りを捧げるかどうかは疑わしい。彼の信仰告白であっても、純粋なイコンではないと私は眺める。
とはいえ、それでダリの作品の価値が下がることはない。
イコンの尊さは基本的に素朴なものだから、ぎこちない描写の中世のイコンなどには、民衆の切実な祈りが現れている。
さて、私はイコンも、シュールレアリズムも出来るだけ美しく、上手に描きたいと願っている。ただ、私の性格はまっすぐすぎるかもしれないので、入り組んだ(ひねくれた)天才ダリのようには描けそうもない。
こちらもダリ。聖アントニウスの誘惑。あっと驚くうまさだが、やはりこの絵にひざまづいて救済や懺悔を祈れないなあ、と思う。
ま、ダリは面白い人で愛妻ガラと離婚することなく添い遂げたが、何と3回も結婚式を挙げている。再婚ではなく、彼はガラとの結婚式が好きだったらしい。
面白すぎる奇抜な天才に寄り添ったガラも立派な女性と思う。
主に栄光を。
神に感謝。
愛と感謝。