プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★2007年の初夢

2007-01-04 10:34:39 | 日記・エッセイ・コラム

 ”四海波静かにて 国も治まる時つ風”と続くは「高砂」の一節。これを知らなくても、”高砂やこの浦船に帆をあげて”と聞けば、結婚式や祝いの席を連想する程、日本人の心にしみ込んでいる謡曲だ。

 今年の正月三が日は、近年には珍しく好天だった。北島三郎のヒット曲「加賀の女」に、「うたが降る降る加賀宝生の 木漏れ日あおい石だたみ」とあるが、この”うた”は謡曲を指す。”謡が空から降ってくる”とは、武家文化の象徴だった謡曲を植木職人までが木の上で仕事をしながら口ずさむ程、庶民に浸透していたことを物語っている。

 かつては、町の辻や少路の奥から謡いや琴・三味の音が流れてきたが、今はその風情が薄くなってきた。京都の公家文化と違い、武家文化が花咲いた加賀百万石の城下町が同じような観光都市を目指しているのを見るにつけ、残念でならない。数少ない外様大名が築いた百万石の遺産を食い潰しているようで、口惜しい。

 冬が厳しく荒波高い日本海も今年の新年は、波静かだった。”四海波静かに”の後段は、”事も愚かやかかる世に 住める民とて豊かなる 君の恵みは有難や”。日本国の今年一年が、波がおさまり平穏であることを願っている。


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