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時悠人chosan流処世術

★地産地消と離産離消

2006-06-27 08:35:30 | 日記・エッセイ・コラム

 米牛肉の輸入解禁が決まるプロセスは、食の安全問題が政治の道具に利用されているようで残念だ。アメリカ牛の輸入再開に伴い、オーストラリアへの影響を考えると、ご都合主義に振り回される国の立場は気の毒だ。

 牛肉に限らず、不可解なのが輸入品の方が国産品よりも価格が安いこと。輸送コストや面倒な手続きを考えると、輸入品が高くて当然のはず。ところが、野菜・果物、魚等々の食材が全て、国内産の方が高い。さらに、国内でも、地元産よりも他県産の物が安い。このなんとも不可思議な現象が理解出来ないでいる。

 金沢市内のマーケットで、地元産と表示されている魚や野菜は、他県産物よりもはるかに高い値段がついている。農協は、一部の野菜に「加賀野菜」とのブランド名を付けて、首都圏で販路拡大を狙っている。所得格差が拡がり、流通革命も手伝い、大都市では大量に高く売れるからだ。これでは、地産地消ではなく離産離消だ。これは、日本各地共通の現象で、値崩れ防止のために生産調整までする。旬の物を求めて生産地を訪れたら、”ありません”では漫画だ。

 日本の食糧自給率は、かつて70%以上だったものが、今や40%を割り込んでいる。急激な経済発展の過程で、農地や山林を乱開発し、工場や宅地に転用してきた与党と農水省の無策がさまざまな歪みをひき起こし、社会構造までも蝕んでしまったことを糺すべき時ではないだろうか。


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