日本サッカー協会の川渕チェアマンは、24日の記者会見で、日本代表チームの監督に、オシム氏(現J1千葉)の名前を挙げた。
W杯サッカーで惨敗し、無念の帰国の途に着いたジーコ監督や選手達に対する慰労の言葉も無く、後任候補を発表する姿勢は、軽率の一言ではすまされない。ジーコ監督に対し失礼だし、第一、水面下で交渉中の人物の名前を、なぜ、このタイミングで発表したのか。
メディアも連日、ゲーム中継を通じて、予選敗退を重大事の如く受け止めているが、日本サッカーのレベル自体を過大評価しているきらいがある。期待をし応援するのは構わないが、サッカーの歴史を考えれば、戦前の期待度が加熱しすぎで、サポーターが熱病に浮かされているとしか思えなかった。応援に一喜一憂できるエネルギーを羨ましいとも感じるが、そのことと、敗戦の原因分析は別のはず。
ジーコ監督の指導力をどう評価するのか、私には分からないが、もともと選手実績があっても監督としては未知数のジーコを起用した狙いは何だったのか。思いやる心があるならば、せめて後任の発表は、日を改めて欲しかった。ジーコ監督の心情を慮ると申し訳ない気持ちにさせられる。チェアマンが敗戦の責任追求の鉾先をかわすために爆弾を投げつけたのかとさえ勘ぐってしまう。「ジーコ、長い間お疲れ様でした。有難う」。