プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★朗報のかげで

2008-10-09 10:23:54 | 日記・エッセイ・コラム

 ノーベル物理学賞に続いて、今度は下村教授が化学賞受賞のニュースが飛び込んできた。これで、今年4人目で、通算受賞者は16人になった。連日の朗報だが、手放しで喜んでばかりおられないのが、天の邪鬼の”時悠人”。

 南部・下村教授は、若くしてアメリカにわたり基礎研究に没頭した。益川・小林教授にも共通するが、すべて20代、30代に生み出されたアイディアだ。基礎研究は、応用研究と違い、気が遠くなるほどの長大な時間と費用を伴う。しかも、成果が把握し難いのでどうしてもサポート体制が弱くなりがちだ。

 企業の研究開発費は、経営環境が厳しくなると削減されるのが宿命。国立大学に経済性・採算性を導入した小泉改革は、大学研究者の環境を劣悪にした。それでいて、研究成果が出ると、国の宝と称賛するのは手柄を横取りするようなものだ。今日の麻生内閣メールマガジンでは、「何事にも、明るく、前向きに、取り組む姿勢。日本人の強さの源は、ここにあるんじゃないかと思います。」との短絡したコメントが載っている。

 ノーベル賞受賞者が大量に誕生した今、政府がやるべきことは何かを問い直して貰いたい。日本の高い科学技術力で国際競争を勝ち抜くというなら、基礎研究が応用研究の基盤を形成しているとの認識を持ってバックアップすべきだ。そうでないと、今後とも優秀な人材の頭脳流出を歯止め出来ないとの不安を感じる。