ゴキブリ軍団、最後の聖戦(続)

 
 このチャバネ、まず、ぞぞ毛が立つほど見た目が気色悪い。雌なんて、卵管を尻にくっつけたまま動き回る。
 奴らは飛べないし、小さいので、見つけるたびに手っ取り早く潰してしまう。奴らにとっては、見つかったら最後、死あるのみ。慌てふためいて、死に物狂いで走って逃げる姿は、憐れを催す。が、いざ潰すと、プチッと潰れる奴らの体の感触がペーパー越しに指に伝わって、不快ったらない。
 そして、何より臭い。奴ら自身も臭いし、奴らがプチプチと所構わずたれて回る、埃ほどのウンチも臭い。

 クロの奴もそうだったが、チャバネもまた、肉や魚用のトレイ、環境ホルモンを出す種の、白いポリスチレンが、なぜか大好き。綺麗に洗ってあるのに、カジ、カジ、カジ……と音を立ててかじる。どうやらこいつら、ポリスチレンを食うらしい。

 この事実を知った相棒、眼を輝かせて言ったことには……
「立派だねえ、ゴキブリ! これで環境問題が一つ、解決するじゃんか! ゴキブリを大量にプラスチックと一緒に部屋に放り込んでおいたら、プラスチックを分解してくれるよ!」
 でも、ゴキブリを大量に部屋に放り込んどいたら、プラスチックよりも先に、共食いすると思うんだけど……

 To be continued...

 画像は、イーストマン・ジョンソン「若い掃除夫」。
  イーストマン・ジョンソン(Eastman Johnson, 1824-1906, American)

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