世界への旅、徒然

 
 世界を旅して回る、という構想も、なんだか夢ではなくなってきた。
 相棒はすっかりその気で、最初はどこへ行こうか、しばらく帰ってこないつもりで出て行かなきゃいけないよ、なんて、しきりに言う。まだ、どういう形になるのか、全然分からないんだけど。

 私はと言えば、取り敢えず世界の現実を知っておこうと、いろいろと読んでいる。今読んでるのは、黒柳徹子「トットちゃんとトットちゃんたち」。
 ユニセフ親善大使である女史が、最貧国の子供たちの置かれた現状を書いた児童書で、つらくショッキングな現実が、女史と共に追体験するような臨場感で綴られている。これ、大人も必読。

 こういう現実の悲惨なエピソードを前にすると、そのたびにボロボロと涙が出てくる。読むたびに精神が疲弊する。
 こういう惨状は以前から知っていたし、知らない部分についても、まさにこれほどひどいに違いないと想定していた。のに、どれだけ知っていても、どれだけ想定していても、いつまで経っても慣れることはない。そして同じだけ涙が出る。

 学生のとき、他学部のデコルソン氏が、「足マメに現場の工場に出向き、労働者の汗の匂いを嗅がなければ、良い論文は書けない」と言ったとき、私は、よくもそんなプチブル的なインテリゲンチャの奢り丸出しの、センチメンタルな台詞を言えるもんだ、と反感を持った。もし今、同じような台詞を聞いたら、同じように感じるだろう。
 貧困について、「実際に途上国に出向いてその惨状を見てみなければ、支援はできない」というようなことを言われても、多分同じように感じると思う。

 To be continued...

 画像は、エミール・ブラック「大旅行計画」。
  エミール・ブラック(Emil Brack, 1860-1905, German)

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