東海の親不知(続々々)

 
 途中、海岸へと降りて行く、鉄パイプ製の階段の残骸を発見。う~む、こんなふうに放置しといて、いいもんなんだろうか。
 生命の危険がない限りでアドベンチュラスなものを求める相棒、案の定、「降りてみよう!」と言い出した。は、は、は。霧雨で手元、足元が滑るんだけど。

 それでも、私もついていった。そりゃもちろん、海のそばに出たいもんね。
 ……全神経集中して、行けるところまで行ったんだ。でもとうとう、金網に大穴が空いていたり、鉄パイプが宙ぶらりんになっていたりで、海の遥か上方で断念した。無念。

 波が岩に砕ける音を聞きながら、車道をひたすらテクテク歩いて、小浜という集落に入る。コーヒー買って、浜辺まで行って、ちょっと休憩。人っ子一人いない海岸に、仰向けにゴロンと寝っ転がる。
 石浜では、波に押されてきた石ころが、波に引かれて転がり戻って、石を磨ぐような、カラカラという重い音を立てる。ザーッ、カラカラカラカラ……、ザーッ、カラカラカラカラ……

 こりゃ、気持ちいーわ。空の下、カラカラ鳴る石の音を聞きながら、ご機嫌の私は、そのままクーと寝てしまった。
 やがて眼を醒ました私に、「たっぷり2時間寝てたよ」と相棒。うっそー! あんた、2時間も、うるさい、くさいの海で何してたの。

 To be continued...

 画像は、石部洞門跡。

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