東海の親不知(続々々々)

 
 小浜を発って車道に戻ると、
「ここから山のほうに行くと、花沢の里っていう村があるって。チマルさんが喜びそうな、趣きのある古い家並みの山里なんだって。でも、もう時間がなくなっちゃったね」と相棒。

 え、えええーッ!? そうならそうと、起こしてくれりゃよかったのにい。
 花沢というのは、後で調べたところ、長屋門造りの家並みの、山間の隠れ里。ううぅ、不覚。10時間睡眠同盟員、惰眠を貪り、自業自得の花沢行き放棄。いつか必ず、も一度来てやるんだから。

 未練いっぱいに先へと歩く。やがて車道は、崖下を迂回して海へとせり出す。
 あー、海の上に、ニョ~ンと飛び出した不恰好な道路。これって、親不知にもあったよね。山は崩落が激しいので、海に道路を作ったんだとか。日本てホントに土建屋国家だよねえ。……なんか私たち、ますます車社会、道路社会と相性悪くなってってるよね。

 ここから崖のほうを眺めやると、波の打ち寄せる絶壁に、半ば土砂に埋もれた廃道が。あれは崖崩れに押し潰されたまま、打ち捨てられた旧道なんだそうな。

 相変わらずのグルメなし、温泉なしには、もう慣れっこだけれど、せっかく焼津に来たんだから、刺身と足湯くらい試してみればよかったかも、と思う。
 が、次になってみればやっぱり、グルメも温泉も端折ることになるんだろうな。

 画像は、用宗海岸。

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