元死刑囚８３歳 ３首

どれだけの悔しい思い溜めししや　しわの数より偲ばれる獄

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かくしゃく
絞首刑生還したる免田翁　語る姿は矍鑠たり

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　てんたん
三十年麦めしの日々ゆえに健康　恬淡とした告発者の眼

免田栄　１２・１３日弁連主催の講演時

チャペルにて

　　　　　　　　　　　　ね
チャペルにて篠笛の音を聴きながら　ことしも遥か過ぎていくなり

狩野泰一　宮本貴奈

とつおつと

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いま
とつおつと言葉なにやら紡ぎつつ　これがわたしの現在の臨界

流行るのか

流行るのかインフルエンザこの冬も　「ブルータワー」を読みつつ想う

石田衣良　９／１１に触発された渾身の長編

なにゆえに

　　　　　　　　　　　　　　　　　
なにゆえに無実のひとが自白する　闇は深いか米も日本も

１２／１３

用心に

用心に暗証変更やりすぎて　見られなくなるネット銀行

ベルクとは

ベルクとは城ではなくて音楽家　由来どおりのカフェ文化咲く

新宿ベルク　

作曲家シェーンベルク→アイスラー→林光～～千恵子＠門前の小僧

忘年を

　　　　　　　　　　　　　ひと
忘年を望年会と変えた女　いまも活躍しているらしい

日曜日

日曜日ぬくぬく電車いねむりし　下車駅こえて宇都宮だわ

美智の

美智の「なんて偉大な愚か者．．．」　小さな声で口ずさむ朝

「ちくま」１２月号　奈良美智の表紙と詩

師走なり

　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  うつつ
師走なり今年いくたび望みしか　啓代の拓くラテンの夢

１２／５　ノチェーロ

ぬばたまの

　　　　　　　　　　しじま　こだま　　　　　　　　　ぬえ
ぬばたまの夜の静寂に谺あり　いずこともなく鵺とびたちぬ