「謀略法廷」 ジョン・グリシャム 新潮文庫
原題: 「The Appeal」
公害たれながし企業。夫と一人息子を癌で失った貧乏な母が原告になり損害賠償請求の裁判をする。廃れた町には病で逝ったひと、辛い生活を送っている貧民たち。
主人公の女性弁護士と夫の弁護士カップルは、こどもも協力して家族全員で裁判に懸ける。陪審員裁判で懲罰的損害賠償を勝ち取る。
次は州の最高裁だ。それを阻むため、公害企業側は公選制の判事の選挙に企業よりの候補者を立てる。若くてハンサムだけが取り柄の「おひとよし間抜け」弁護士が、ずる賢い選挙戦のなかに放り込まれる。
そして良心的な弁護士カップルは悪辣な経済封鎖により破産に追い込まれもする。上下巻、はらはらするよ。
フィクションなのだが、新自由主義の最先端(米国)ではありそうな展開。いや、あるのかな。
その属国(日本)でも考えておくべき課題だろう。