千恵子@詠む...................

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明治大学>女と労働にかんする講座

2008年04月30日 | 芸術
明治大学に「アカデミーコモン」という社会人向けの講座がある。

失業していた05年には、失業者用ビジネスコース。あ、わたしが勝手につけた名前か。なにか仰々しく、なんたらかんたらビジネス戦略コースという講座名か。厚労省関連の助成により、3ヶ月ほど学費無料で通ったことがある。小論文の後に面接した小川智由教授いわく、異業種交流会みたいなもの。商学部の名物教授の大友純は俗物だが、マーケティングの基礎をコンパクトに演習してもらって有難かった。

その「アカデミーコモン」御茶ノ水駅3分という便利な立地で、いろんな講座が開催されている。そのなかで友人が企画した、おすすめもの。

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女性のスキルアップは、ワークライフバランスで!
-あなたの仕事と職場を「評価」する

明治大学 教員紹介: 平川 景子(HIRAKAWA Keiko)

ReaD 研究者(詳細情報): 平川景子

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企画者の平川景子准教授。05年に著書が上梓された時に、とある媒体に紹介したもの抜粋。コラムの文字制限があったため、わたしにしては堅いな。

「パート差別にNO 画期をなす裁判」

負けてたまるか。パート労働裁判を報告する画期的な本を紹介する。中野区で非常勤職員として7年働き「非常勤の賃金が低いのは女性に対する差別」であると、区を相手に裁判を起こした原告・平川景子さんと弁護団、支援の記録である。

いま日本にパート・契約社員などの非正規雇用に女が多く、働く女の半分、一千万人を超える。数の多さは、もはや税金対策・小遣い稼ぎなどのパート希望ではなく、生きていくため非正規雇用につかざるを得ない人が多いことを示す。

民間企業が「憲法番外地」と指摘されて久しい。仕事が同じなのに賃金が安い。不安定な身分で、労働条件も悪く、手当てもない。一時金(ボーナス)と退職金で常勤と圧倒的な格差がつく――公権力機関が「非正規」雇用を口実に、働く女性を使い捨てる実態も『憲法番外地』だと異議を申し立てる裁判となった。

弁護団は『負ける裁判はしません』と膨大な文書を作成して論陣を張った。女性だからという直接差別(憲法違反)だけではなく、パートだからという間接差別(ILO条約と女性差別撤廃条約違反)をも追及。被告・中野区の憲法違反ないし条約違反を認めざるを得ない瀬戸際に追い詰められた裁判所は、和解を勧告した。区は、和解案の「遺憾」など謝罪に結びつく具体的文書に徹底的に抵抗。結局、区に「均等処遇できなかった」ことを認めさせて和解に応じた。裁判が一銭にならなかったことはもちろんである。

本書は、読んで面白い本ではない(法律用語が難しい)。利用されてはじめて意味を持つ。原告、弁護団、支援、そしてその他大勢の声、さらには国際条約まで具体的な事実を通じ、膨大な知見が圧縮されている。

女がおかれている仕事の状況を知り、変えていくための必携書で類書はない。性差別・非正規雇用差別への反撃に活用できるぞ。

平川景子・弁護団ほか『女たちのオルタナティブ パートに均等待遇を! 中野区非常勤職員・賃金差別裁判の記録』明石書店
中野区非常勤職員賃金差別裁判
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2 Comments

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昔の文章ですが・・・ (雅薫)
2008-05-02 23:51:32
http://www.kanshin.jp/books/index.php3?mode=keyword&id=528544
つながる読書空間:女たちのオルタナティブ パートに均等待遇を! 中野区非常勤職員・賃金差別裁判の記録
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ふだん硬い本は読まないけど「パートに均等待遇を」って、ひとごととは思えないから読んでみた。パートとか派遣とかで、女はすっごく差別される。それってもう当たり前だと思う、よね?

ところが、読んでみるとわかるんだけど、原告の平川景子さんは、弁護団や支援する女性たちの力を借りて――要するに裁判に勝ってしまったんだよ! 「和解」なんだけどね。

ただ、やっぱし読みにくい。だって法律用語がバンバン出てくるんだもん。取っつきにくいし、読んでて、もうヤメよう……とか思ってしまった。でも、苦労して読んでよかったかも。

てゆーのは、女性差別は憲法で禁止されてる、これは知ってた。だけど実際には「パートだから」とか「派遣だから」っていう理屈で待遇に差を付けられる。この本は、そういう差別もゼッタイおかしい、と言ってるわけ。

「パート」「派遣」で差別するのは【間接差別】なんだそうだ。これを、憲法や法律で争うのはむずかしいらしい。でも著者たちは、間接差別は、なんと『条約で禁止されてる』ことを発見した(ILO条約、女性差別撤廃条約、社会権規約)。てことで、国連を通じて圧力をかけて裁判所をお手上げにさせた。

フツーの人は、裁判でなかなかこういう手は使えないよ。著者の平川景子さんは今、大学の先生になってるインテリで、弁護士(女ばかり!)も当然インテリだし。でも弁護士さんのセリフがすごい、「負ける裁判はしません」!! (本書p.180)。

でもさぁ、こういう本はインテリ向けに書いても、あんまし売れないと思うなぁ。パートとか派遣で差別されるのはフツーの人でしょ?

せめて、売れっ子の島本慈子さん(『倒壊』、『子会社は叫ぶ』、『ルポ解雇』、『住宅喪失』)みたいに、フツーの人でも、その気になって努力すれば読めるような文章にしてほしかったと思う。その方が本人たちが書くのと違って、売れなきゃ商売にならないから、わかりやすく書いてくれる。

○島本慈子 http://www.bk1.co.jp/... http://bookweb.kinokuniya.co.jp/... http://www.amazon.co.jp/... http://books.yahoo.co.jp/...
わかりやすく書かれてて、たくさん売れれば、いろんな人が考えてくれることになるし、第一、本人と違って内容は客観的で、自分たちの主張が第一ってことにはならないでしょ。

せっかく「和解」で裁判に勝てても、多くの人が使いこなせない書き方じゃ、すごくもったいないと思う。弁護士とか法律関係の専門職の人って、パートとか派遣の仕事なんてしないでしょ? だからやっぱりパートとか派遣の仕事をする人向けの本にした方がよかったような気がする。

この本を題材にして、ルポとか小説を書いてくれる人がいれば、いいんだけどなぁ。パートとか派遣の問題は切実だから、わかりやすく書かれてれば、ゼッタイ売れると思う。

でも、誰も書いてくれそうもないから、せめて自分たちの記録を出す。そうすれば、誰かが利用してくれるかもしれない、って著者たちは頑張って書いて本になった。その気持ちはわかるし、エラいと褒められるべき。その心意気は買いたい。だからこっちも頑張って読んだんだけど。

そういう意味では買っておいて損はないかも。だって、こんな世の中だから、いつせっぱ詰まったことになるかわからない。そんなとき役に立ってくれるかもしれないじゃない? 追い詰められた時、ただ絶望してしまうんじゃなくて、いざという時、やってみれば裁判でも何でも勝てるかも、という希望の本として、お守り代わりの役割はありそう。

お守りに1,800円は高い? う~ん、確かに。

でもね、神社のお守りの中身はからっぽだけど、この本は中身がギッチリ詰まってるんだから~~。

版元ドットコム: 『女たちのオルタナティブ パートに均等待遇を!』 (紹介、詳細目次、原告による前書き)

明治大学 文学部教員紹介: 平川景子
ReaD 研究者(詳細情報): 平川景子

中野区非常勤職員賃金差別裁判(原告)

難しい言葉でまとめれば次のような感じ。

地方自治体には「非常勤」「嘱託」といわれる非正規労働者がいる。そしてその多くは女性。こういった雇用は不安定で、賃金はあまりにも低い。彼女たちを雇った自治体は女性差別ではないという。「非常勤」や「嘱託」は常勤と違うからだと弁解するのだ。でも、同じ仕事をし、同じ時間働いても賃金が低い。このような不当・不正がまかり通る社会のあり方は、女性に対する差別だとして賃金差別裁判に立ち上がった著者と弁護団、それに支援者が、これからたたかおうとする女性たちの資料になる裁判の記録を詰め込んだ本となっている。

まぁ (千恵子)
2008-05-08 22:46:31
いろいろ辛いこととかあったので、ブログ辞めようかと思っていたのですが、こんなコメントが戴けるなんて....とても嬉しい気持ちになりました。

ほんとうに、ありがとうございます。どこかで、きっと逢えますね。

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