「刑事マルティン・ベック 笑う警官」 マイ・シューヴァル ペール・ヴァ―ル 角川文庫
>社会活動家でもあったマイ・シューヴァルとペール・ヴァ―ルー(事実婚)が、1960年代後半に国家への批判の意味を込めて描いた、北欧初の本格的な警察ミステリー小説。
佐々木譲の「北海道警」シリーズ第1作は「笑う警官」。本邦でも評価が高い。
人気シリーズは、英語版からの手慣れた高見浩の訳。
このたびスウェーデン語からの訳で出版された。それも期待していた柳沢由美子の訳だが、校正が不充分なのが惜しい。
じゃーん、お○○○だってさ143頁。
基本は警察小説なのだが、冒頭場面ではストックホルム市内でのベトナム戦争反対、反米デモ。牙警官じゃなかった騎馬警官まででる。国家の強権支配に批判的な刑事、行動には表さないけどね。
終わりの頃場面では、主人公刑事マルティン・ベックが娘と歩くのだが...小学生の鞄にはベトナム反戦のシールが貼られている。60年代後半の北欧の空気を孕んだ小説。