林眞須美死刑囚を応援している。しかし、彼女は無罪とは言い難い。ヒ素を夫が飲んだりして詐欺をしているから。でも彼らは、金のために罪を犯しただけだ。銀行とか保険会社なんて金が余ってるんだから、少しくらいとったっていいじゃん。金にならない大量殺人なんて、意味ないじゃん。ゆえに、殺人のとこは冤罪だ。眞須美さんを妹のように思っている。
同様にこのたび、風間博子死刑囚も気になってきた。やはり、無罪とは言い難い。埼玉愛犬家殺人事件。死体損壊、夫の「ボディを透明にする」作戦のために死体切り刻みをしたからだ。だけども、殺人はしていない。眞須美さん同様、死刑囚というのは不当な扱いだよ。
数年前に博子さんの作品を死刑囚絵画展で見て、迫力に溢れた自由への目差しを強く感じたのが遠因かしら。
このたび、『罠 埼玉愛犬家殺人事件は日本犯罪史上最大級の大量殺人だった!』深笛義也・著 サイゾー・刊が出版された。ああ、わたしと同い年なんだな。読みながら、つらつらと考えてみた。
再婚したあとの、小学生の連れ子の長男への虐待。夫・関根は裸で玄関のコンクリートに正座させ、膝の上にブロックを三つも四つも載せるのが度々あったという。そんなんだったら、別れたほうが良かったのに。暴力は暴力の連鎖を産む。息子まで暴力男になっちゃうよ。
長女が産まれたら、夫は自分の実子は可愛いからと猫かわいがり。そんなふうな育て方も、よくないよ。どうして別れないんだろう。
そもそも夫の妻に対するDVが酷い。妻に対する家庭内暴力が世間的に知られてない三十年前から、ずっとDVだったんだ。でも、わたしと同世代だと別れたり訴えたりするのは困難だったんだろうなあと思う。いまさら言ってもしようがないが。
そして緩慢に別れようとする動きを夫が察知して、妻が逃れられないように「共犯」に追い込んだ。それこそ「罠」だ。捕まってからの夫は、自分の罪を免れるためもあってか、ことさらに妻を悪役にする。なんということだ。ほかの共犯者が、博子さんは「殺ってない」と言っても耳を貸さない警察、検察。
著者はダンボール箱に山盛りの調書などを受取り、迷ったあとに取材を始める。被疑者にセックス供用の便宜を図る検事など、あきれる実態も暴露されている。、なんとか博子さん再審の推進力が生まれますように。
深笛義也『罠~埼玉愛犬家殺人事件は日本犯罪史上最大級の大量殺人だった! 』サイゾー