朝鮮人を沖縄を いじめるなよな!
女、朝鮮人、沖縄を叩く卑怯に呆れた。ヘイト番組『ニュース女子』。
わたしの大好きな辛淑玉(しん・すご)。凜として弱いものの側に、つねに立つからだ。その「淑玉」が、弱いものいじめされている。虐めの生け贄にされている。一月二日に放送された東京MX『ニュース女子』番組だ。あの強い彼女が、「胃液があがってきて、何度も吐いた。その後も、何気ない会話の中で突然涙が出てきたり、幾日も眠れぬ夜を過ごし、やっと眠れたと思えば悪夢にうなされた」という。どうしたんだ、いったい。すごちゃん。
沖縄を話題にしたドキュメント報道番組。コメントを入れる女子の軽薄さが売りなのかな。基地反対運動について、徹底的に偽の情報を流す。現場にも行かず、当事者にも取材をしない一方で、反基地運動によって迷惑をこうむっているという偽の「被害者」を登場させる。そして、「沖縄の反基地運動はシンスゴという親北派の韓国人が操っている。参加者はカネで雇われたバイトで、その過激な行動で地元の沖縄人は迷惑している」という虚像を作って視聴者の意識を操作する。
沖縄のひとたちを踏みにじるだけでなく、権力の走狗として沖縄人を使うという「植民地主義的」手法だ。ちょっと手抜きだったとか、取材能力が低いというのではなく、悪意が込められた報道なのだった。
この正月番組について、冷静に淑玉は分析している「年始特番の、しかも冒頭で私を名指しして嘲笑したのは、私が怒って抗議してくると想定した上でのことだろう。感情的になって抗議してくればそれを笑い飛ばす、抗議してこなければ、『抗議してこないのは、報道内容が正しかったからだ』と宣伝材料に利用できる。どっちにころんでも美味しいというわけだ」。
朝鮮人である淑玉は「殺せ」と罵られれ、沖縄の友人たちは「ゴキブリ」「ドブネズミ」「売国奴」「土人」と言われ、まとめて「反日・非国民」と括られている。沖縄で起きていることは、彼女にとって他人事ではないのだ。そして、わたしたちにも大事なことだ。
沖縄は、いま弾圧の極地となっている。重病で入院してやっと回復した山城博治さんは、不当逮捕されたまま三ヶ月も獄入りだ。この人権蹂躙を外国のメディアは報道しているが、日本国内では殆ど無視。なんという国だ、この国は。どんどん悪法を作り、戦争の準備をしている.次にやられるのは、誰だ。国家権力の横暴を許してはならない。今回の番組も許してはならない。
琉球新報: ニュース女子についての琉球新報記事一覧
クリエイティブ・コモンズにて、転載。救援連絡センター発行「救援」紙の、2面の連載コラムより