「狼の牙を折れ 史上最大の爆破テロに挑んだ警視庁公安部」 門田隆将 小学館
1974年8月、丸の内の三菱重工爆破事件。捜査する公安警察の手口が、まざまざと現わされる。
協力者、つまりスパイから情報収集。64頁
どうしても車のナンバーを知りたい。2月に上着を脱ぎ捨て上半身の下着一枚になる公安刑事。だらんと白い長袖下着を出して、ふらふらと車に近づいていく。「俺は浮浪者だ。怪しまれるわけがない」って作戦。どうやら警官の頭のなかは、浮浪者=ホームレスと精神障害者を一緒くたに思ってるんだ。174頁。
逮捕前日、土田総監が産經新聞に「輪転機を止めろ」。でも、止まらないんだ。285頁。
熱血公安刑事たちに感動しながら、同伴する記者たちの...実話らしい。
公安警察って連合赤軍のときもオウムのときも、人が殺されることを防ぐことより対象組織を一網打尽にするのを優先してたのを思い出す。